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日米欧三極 医薬品特許の存続期間延長制度

今日は日米欧・三極パネルディスカッション「実務戦略的に見る医薬品特許の存続期間延長制度」という弁理士会の研修に行ってきました。

今回は関西の主催で、関東はTV会議室での視聴でしたが、かなりの人数が集まっていました。おそらく100名以上と思われます。

米国からはFinnegan, Henderson, Farabow, Garrett & Dunner, LLPのDavid Albagli、欧州からは、Mewburn Ellis LLPのKathryn Nichollsの両氏が来て日本の中村弁理士とのパネルディスカッションを行いました。

日本では昨年末に審査基準の改定が行われ、以下のようになっています。

(2)以下の①又は②に該当する場合、「特許発明の実施に政令で定める処分を受けることが必要であった」とは認められず、第67条の3第1項第1号の拒絶理由が生じる。

①: 本件処分の対象となった医薬品の製造販売の行為又は農薬の製造・輸入の行為が、延長登録の出願に係る特許発明の実施行為に該当しない場合

②: 延長登録の出願に係る特許発明のうち、本件処分の対象となった医薬品又は農薬の「発明特定事項に該当す る事項」(用途を特定する事項を発明特定事項として含まない特許発明においては、本件処分の対象となった医薬品又は農薬の「発明特定事項及び用途に該当す る事項」)によって特定される範囲が、先行処分によって実施できるようになっていた場合

これに対して、欧州では、REGULATION (EC) 469/2009のConcerning the supplementary protection certificate for medicinal productという規則により特許権が延長されます。

規則を略してSPCと言うのですが、これはECの全ての加盟国に自動的に適用され、SPCの申請は各国特許庁に行い、不服申し立ては各国裁判所に提起します。ですから、特許権の延長の判断は各国で変わる場合があります。

ただ、解釈に疑義がある場合は、欧州共同体司法裁判所(CJEC, court of justice EC)に付託されます。

SPCにより特許の延長が認められるのは、特許により保護されるプロダクトで、プロダクトは以下とされています。

医薬品の有効成分又は有効成分の組み合わせ

ですので、欧州では組み合わせ医薬の延長も認められます。

これに対して米国では、特許存続期間延長の対象は、

特定の種類の(ヒトまたは動物の)医薬製品、医療機器、食品添加物、又は着色料となっており、日本、欧州よりもかなり広い範囲のものが認められますが、農薬については米国では延長が認められません(日本、欧州では認められます)。

これらの詳細については後日またシリーズのような形で記事を投稿しようと思います。

 

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ライター紹介 ライター一覧

大平 和幸

弁理士、農学博士、特定侵害訴訟付記弁理士。東京大学大学院(修士課程)修了。修了後、大手洋酒食品メーカーでバイオテクノロジーの研究開発に約18年従事。その後特許情報部(知的財産部)、奈良先端科学技術大学院大学特任教授。特許流通アドバイザー。大平国際特許事務所所長。弁理士会バイオライフサイエンス委員会副委員長。iPS細胞特許コンサルタント。食品、医薬品、化粧品、バイオ等の化学分野が得意。機械、装置、ソフトウエア等の出願実績あり。

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