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ハーバード大学のiPS細胞由来心筋細胞移植は誤報?

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iPS細胞(人工多能性幹細胞)を使った心筋細胞の心臓への移植を、ハーバード大学マサチューセッツ総合病院世界初で行ったとする森口尚史氏の報道があったが、この臨床応用には、日本の研究者からも疑問が上がっていた。やるにしてもマウス等で十分予備実験をやってからやるのが普通だろう。

移植を行ったとするハーバード大学に問い合わせてもそのような事実は無いという。

森口尚史氏は医師ではなく看護師で、現在は東京大学病院の特任研究員という。そして、千葉県の6畳のアパートに住んでいて、近所の人には東大教授だと言っているそうだ。

どうも虚言癖があるか、妄想と現実が区別がつかなくなっているのか、いずれにしても非常に信憑性の低い話ではある。

ハーバード大学で行ったとされる論文についても著者が日本人ばかりで、しかもiPS細胞の専門家でない人が含まれており、本人に知らされずに勝手に論文に名前を入れられていたりと実際に研究に関わっていない人がほとんどのようだ。

こういう報道を1面トップで報じる新聞社の裏づけ取材にも問題はある。きちんと所属先や肩書きを調査するのは基本ではなかろうか?

山中伸弥教授のノーベル賞受賞の喜びに沸いている時期に、とんでもないウソを報道してとんだミソをつけたものだ。記者は大スクープなので一刻も早く報道しなければ、とでも思ったのだろうか。

研究者のねつ造問題も問題だが、今回のような調べればすぐにウソとわかるようなことを発表する研究者の存在も社会問題と言えるかも知れない。ポストドクの期間が長くなればおかしくなる人も出てきても不思議ではない。

研究機関は研究者のメンタルケアも重要ではなかろうか?家族も研究を続けている定職についてない研究者については定期的に連絡を取って精神的に追い詰められていないか、注意する必要もあるように思う。

個人発明家がとんでもないことを言ったり、特許出願するだけなら社会的影響も限られるが、日本最大の部数の新聞の全国紙1面トップにハーバード大の名前でウソの報道がされるようでは日本のメディアのレベルを疑われるだろう。

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ライター紹介 ライター一覧

大平 和幸

弁理士、農学博士、特定侵害訴訟付記弁理士。東京大学大学院(修士課程)修了。修了後、大手洋酒食品メーカーでバイオテクノロジーの研究開発に約18年従事。その後特許情報部(知的財産部)、奈良先端科学技術大学院大学特任教授。特許流通アドバイザー。大平国際特許事務所所長。弁理士会バイオライフサイエンス委員会副委員長。iPS細胞特許コンサルタント。食品、医薬品、化粧品、バイオ等の化学分野が得意。機械、装置、ソフトウエア等の出願実績あり。

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