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iPS細胞の米国特許、日本特許が新たに登録

 2012/09/20 バイオ・テクノロジーが得意な弁理士 先端医療特許出願
この記事は約 3 分で読めます。 953 Views

京都大学山中伸弥iPS細胞研究センター長のiPS細胞に関する特許は米国で3件、国内で1件が新たに成立したとの新聞報道がありました。

http://www.asahi.com/science/update2/0919/OSK201209180183.html

日本特許はこれと思われます。

【特許番号】特許第4901471号(P4901471)
【登録日】平成24年1月13日(2012.1.13)
【発明の名称】体細胞核初期化物質のスクリーニング方法
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の(a)および(b)の工程を含む、体細胞の核初期化候補物質のスクリーニング方法:
(a)配列番号:6または配列番号:8に示されるアミノ酸配列を有するタンパク質をコードするマウスまたはヒトECAT遺伝子の発現調節領域により発現調節を受ける位置にマーカー遺伝子をノックインした遺伝子をホモで含有する体細胞と、被験物質とを接触させる工程、
(b)前記(a)の工程の後、マーカー遺伝子発現細胞の出現の有無を調べ、該細胞を出現させた被験物質を体細胞の核初期化候補物質として選択する工程。
【請求項2】
マーカー遺伝子が、薬剤耐性遺伝子、蛍光タンパク質遺伝子、発光酵素遺伝子、発色酵素遺伝子またはこれらの組み合わせに係る遺伝子である、請求項1記載のスクリーニング方法。

この特許は、マウスまたはヒトECAT2遺伝子の発現調節領域により発現調節を受ける位置にマーカー遺伝子をノックインした体細胞、つまり、ECAT2遺伝子のプロモーター(エンハンサー、サイレンサーも含む)の下流にマーカー遺伝子を導入した細胞に、被験物質(化合物等)をぶっかけてそのマーカー遺伝子が発現して薬剤耐性になったり、光ったりすれば、その被験物質を体細胞の初期化候補物質として選択する方法である。

この場合、リーチスルークレームは認められないので、この方法と使って取得した薬剤には権利は及ばない。

ただ、製薬企業等がこの方法を用いて医薬品をスクリーニングすれば侵害になる。

ちょっと疑問なのは、マーカーがポジティブセレクションができる場合はホモで持つ必要はないので、エスケープが比較的容易な感じはする。もちろん、ホモの方が感度は高いとは思うが・・・

また、ECATの制御エレメントが同定された場合はこの特許では押さえられない。

とはいえ、そのような問題点はプロモーターを利用する特許の宿命とも言えよう。

 

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大平 和幸

弁理士、農学博士、特定侵害訴訟付記弁理士。東京大学大学院(修士課程)修了。修了後、大手洋酒食品メーカーでバイオテクノロジーの研究開発に約18年従事。その後特許情報部(知的財産部)、奈良先端科学技術大学院大学特任教授。特許流通アドバイザー。大平国際特許事務所所長。弁理士会バイオライフサイエンス委員会副委員長。iPS細胞特許コンサルタント。食品、医薬品、化粧品、バイオ等の化学分野が得意。機械、装置、ソフトウエア等の出願実績あり。

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