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iPS細胞特許出願の優先権主張についての欧州異議申立

iPS細胞の欧州特許は昨年8月に成立したのですが、今年の5月初めに異議申立がなされました。

ざっと読んだところでは、優先権主張の基礎となった特許出願に、後の出願(国際特許出願)の特許請求の範囲に書いてあることが書かれていないため、優先権主張が有効でない、そして、基礎出願と優先権主張出願との間に発明者の高橋さんの論文が出ており、国際特許出願の特許請求の範囲が優先権が認められない場合に高橋さんの論文により、新規性、進歩性が認められない、というのが一つの主要な主張です。

先の出願ではc-mycが必須と書いていたのに、後の出願の特許請求の範囲ではc-mycを除いたものがメインの請求項になっています。

また、遺伝子と遺伝子産物をまとめて記載している点も指摘されています。ここは私もおかしいな、と思っていたところです。普通は遺伝子、遺伝子産物は分けて書くのですが、この明細書では遺伝子および遺伝子産物という言い方でまとめて表現しているので、厳密に言えば正確性に欠ける記載のように感じました。

この異議申立に対しては4カ月以内に何等かのアクションが取られるはずなので、来月3日までに何等かの動きがあると思われます。

こちらのブログでもこの異議申立についてわかりやすく解説して行く予定です。

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ライター紹介 ライター一覧

大平 和幸

弁理士、農学博士、特定侵害訴訟付記弁理士。東京大学大学院(修士課程)修了。修了後、大手洋酒食品メーカーでバイオテクノロジーの研究開発に約18年従事。その後特許情報部(知的財産部)、奈良先端科学技術大学院大学特任教授。特許流通アドバイザー。大平国際特許事務所所長。弁理士会バイオライフサイエンス委員会副委員長。iPS細胞特許コンサルタント。食品、医薬品、化粧品、バイオ等の化学分野が得意。機械、装置、ソフトウエア等の出願実績あり。

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