特許性(進歩性)を出すための発明者へのヒアリング
以前、ある会社様から石油化学系燃料組成物の特許を取りたいという相談がありました。
最初は、弁理士でないコンサルタントが明細書を書いて出願したそうで、明細書の内容はめちゃくちゃでした。それ以前に、コンサルタントが明細書を書いてお金をもらうこと自体が違法行為なので、その時点で大問題なのですが。
しかし、明細書の内容も無茶苦茶でしたが、発明内容も無茶苦茶とまでは言えないにしても、ちょっと特許にならないだろうな、という印象でした。単にいろいろな公知の成分を混ぜ合わせて軽油と灯油の中間物みたいな発明でしたから。進歩性が出せるかかなり悩みました。
しかしながら、審査において、拒絶理由が来て、その燃料の特性データを見たときに、もしかしたら特許になるかも知れない、と思いました。なぜなら、予想よりもはるかにいい性能、粘度、排ガスのクリーンさなどのデータがあったためです。
このことから、公知の材料をある割合で混合するだけで、一見進歩性の無いように思える発明でも、しっかりとした特許になることもあるんだなあ、ということを感じました。
そういう意味で、専門家の目から見て、どこに特許性(進歩性)があるんだろう?と思うような発明でも、しっかりその効果を見ていけば、予想外の効果や、際だって優れた効果が見つかることがあります。
進歩性があるかどうかに不安がある場合は、そのような効果がないかどうか、探してみるのも一つの考えです。そうすれば、特許性がない可能性が高い、と思えていた発明も特許性が意外に高い、と思えることもあり得ます。
発明者の努力の結晶ともいえる発明アイデアを簡単に切り捨てないようにしましょう。このあたりは、事務的に処理する人と、何とかできないか、と知恵を絞る人とでかなり差が出ます。
これは、弁理士の選び方でも同じです。まるで特許庁の側の人間のように、そんな発明特許になりませんよ、と言って出願しないことを勧める弁理士もいたりします。
一方で、発明者の側に立ってどうすれば特許になるか、売上があがったり、ライセンスできるか、まで知恵を絞って考える弁理士もいます。
どちらの弁理士を選ぶかで、未来が正反対に変わることも普通にあります。
私が担当していれば、特許になったのに、という発明もたくさんあります。そういう後悔をしたくないなら、ぜひ大平国際特許事務所にお問合せ下さい。東大卒、博士、元奈良先端科学技術大学院大学特任教授で、研究者歴20年、弁理士歴19年の、科学技術にも、法律にも精通したベテランの弁理士が特許化に全力を尽くします。