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農林水産省種苗1900種持ち出し禁止イチゴの「あまおう」等

農林水産省は、4月1日に施行された改正種苗法に基づき、4月9日、海外への種苗の持ち出しを禁止する農産物リストを初めて公開した。リストには、イチゴの「あまおう」、ブドウのの「シャイン・マスカット」、ブランド米の「ゆめぴりか」など計1975品種が含まれている。いずれも、「指定国」なしで、どの国にも持ち出し禁止である。対象品種は今後拡大されるらしい。

種苗の販売業者には、持ち出し禁止の表示義務がある。違反した場合は過料処分となる。

このためには、品種登録者が品種登録と同時に以下について農林水産大臣に届け出る必要がある。

イ出願者が当該出願品種の保護が図られないおそれがない国として指定する国(前条第二項ただし書に規定する国を除く。以下「指定国」という。)
ロ前条第二項ただし書に規定する国以外の国であって指定国以外の国に対し種苗を輸出する行為及び当該国に対し最終消費以外の目的をもって収穫物を輸出する行為を制限する旨

イの国については、品種の保護が図られるので、輸出などしても問題ないとして登録品種を持ち出せる。例えば、タイ、ベトナムと指定すれば、この2カ国に登録品種を持ち出すことができる。指定国以外に持ち出せば違法行為となり罰を受けることになる。

このような問題は、ずっと昔からあり、沖縄で育種された超多収米の品種が海外に持ち出されたり、和牛の受精卵がオーストラリアなどに持ち出され、霜降り牛が海外で生産されるという問題が起こっている。

本来、これらは種苗法で守られるもので、海外で種苗登録しておけば種苗法のある国であれば、持ち出されても問題は起きないはずである。

しかしながら、海外で種苗登録するには多額の費用がかかり、国や県の研究所で優良品種が育種されても、海外出願までは費用が出せずに海外での品種の使用は野放しになっていたためと思われる。

政府は2030年までに農林水産物・食品の輸出を5兆円に増やす目標だそうだ。20年の実績は9223億円なので、5倍以上に増やす必要があるが、それにはよほどのヒット商品を出す必要があると思われる。

画期的なうまさの米、イチゴ、ブドウ等の新品種を出したとしても、あるいは、画期的な霜降り牛を育成したとしても、4兆円もの売上が増えるだろうか?

非常に難しいが、ゲノム編集技術のcrispr-casを使えば画期的な新品種ができる可能性はある。

あるいは、ポリジーン形質と言われる、超多収米や、おいしい米ができれば、輸出できる可能性もある。

こうした新品種は種苗登録して、海外でも品種登録すべきだろう。さらに、米国などでは品種登録と、特許登録の両方ができるので、plant patentだけでなく、patentも取ることで、より広く保護することができる。

そのあたりの種苗の保護戦略は、大平国際特許事務所でも得意としているので、以下のお問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせ下さい。

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大平 和幸

弁理士、農学博士、特定侵害訴訟付記弁理士。東京大学大学院(修士課程)修了。修了後、大手洋酒食品メーカーでバイオテクノロジーの研究開発に約18年従事。その後特許情報部(知的財産部)、奈良先端科学技術大学院大学特任教授。特許流通アドバイザー。大平国際特許事務所所長。弁理士会バイオライフサイエンス委員会副委員長。iPS細胞特許コンサルタント。食品、医薬品、化粧品、バイオ等の化学分野が得意。機械、装置、ソフトウエア等の出願実績あり。

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