特許出願をする意味
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中小企業の社長さんと話していると、特許を出願してどういうメリットがあるのか?と聞かれることがあります。
特許を出願せずに、ノウハウとして隠しておくこともできるのですが、特許出願のメリットは何か?という意味の場合もあれば、全く特許出願でどんなメリットがあるかさっぱりわからない、という人もいます。
さっぱりわからない、という場合は、一番簡単にわかるのは、医薬の場合でしょう。
医薬化合物は製造原価は合成の費用なので非常に安いです。そして、物質名や化学式も公開されます。もし特許が無ければ、売れる薬が出てきたら、それを見てマネして医薬を製造して販売すればボロ儲けです。
しかし、それを最初に発明した医薬会社は、開発費を回収できず、他企業の参入で価格競争に巻き込まれ、潰れてしまうでしょう。
医薬会社の場合は特許は命です。
では、機械や電気の分野ではどうでしょうか?
電気の場合は、例えばパソコン1つでも、特許が数千関与していると思われます。
すると、自社でパソコンを製造する場合、他社特許を侵害していたとすると、製造した製品を廃棄させられるおそれがあります。その際、その他社の製品が自社の特許を侵害していたとすればどうでしょう?
その場合はお互い相手の特許を侵害しているので、クロスライセンスに持ちこんで事業を継続することができる場合があります。
また、他社が自社の類似製品を製造している場合、特許権を持っていれば、その他社の製造、販売を差し止めることができるので、ライバルの参入により売上が減少することを防止できます。
つまり、他社が自社のヒット商品を真似することを特許権があれば防止できるので、市場を独占でき、利益を最大化できます。もし、特許を出願してなくてヒット商品を出せば、すぐに類似商品が発売され、シェアがどんどん落ち、価格も下がっていくでしょう。
さらに、他社が自社特許を使わせてほしい、と言ってくる場合があります。自社の事業分野は無理としても、自社が参入していない分野で使用するのであれば、自社の売上には関係ないのでライセンスしてライセンス料をもらえば、キャッシュフローが改善します。
さらに、自社事業には使わない特許を販売すればうまくいけば数億円以上で売れる場合もあり得ます。
このように、特許出願して特許権を持つことで様々なメリットがあります。ですから、中小企業も特許出願をすることで得られるメリットはたくさんあります。ただし、やみくもにただ出願すればいいというものではありません。事業戦略、研究開発戦略等と一体になった知財戦略が必要です。大平国際特許事務所では、事業戦略、研究開発戦略も考慮した知的財産戦略を立案することが得意でもあります。