1. TOP
  2. コンサルティング コーチング 経営診断
  3. 特許出願をする意味

特許出願をする意味

中小企業の社長さんと話していると、特許を出願してどういうメリットがあるのか?と聞かれることがあります。

特許を出願せずに、ノウハウとして隠しておくこともできるのですが、特許出願のメリットは何か?という意味の場合もあれば、全く特許出願でどんなメリットがあるかさっぱりわからない、という人もいます。

さっぱりわからない、という場合は、一番簡単にわかるのは、医薬の場合でしょう。

医薬化合物は製造原価は合成の費用なので非常に安いです。そして、物質名や化学式も公開されます。もし特許が無ければ、売れる薬が出てきたら、それを見てマネして医薬を製造して販売すればボロ儲けです。

しかし、それを最初に発明した医薬会社は、開発費を回収できず、他企業の参入で価格競争に巻き込まれ、潰れてしまうでしょう。

医薬会社の場合は特許は命です。

では、機械や電気の分野ではどうでしょうか?

電気の場合は、例えばパソコン1つでも、特許が数千関与していると思われます。

すると、自社でパソコンを製造する場合、他社特許を侵害していたとすると、製造した製品を廃棄させられるおそれがあります。その際、その他社の製品が自社の特許を侵害していたとすればどうでしょう?

その場合はお互い相手の特許を侵害しているので、クロスライセンスに持ちこんで事業を継続することができる場合があります。

また、他社が自社の類似製品を製造している場合、特許権を持っていれば、その他社の製造、販売を差し止めることができるので、ライバルの参入により売上が減少することを防止できます。

つまり、他社が自社のヒット商品を真似することを特許権があれば防止できるので、市場を独占でき、利益を最大化できます。もし、特許を出願してなくてヒット商品を出せば、すぐに類似商品が発売され、シェアがどんどん落ち、価格も下がっていくでしょう。

さらに、他社が自社特許を使わせてほしい、と言ってくる場合があります。自社の事業分野は無理としても、自社が参入していない分野で使用するのであれば、自社の売上には関係ないのでライセンスしてライセンス料をもらえば、キャッシュフローが改善します。

さらに、自社事業には使わない特許を販売すればうまくいけば数億円以上で売れる場合もあり得ます。

このように、特許出願して特許権を持つことで様々なメリットがあります。ですから、中小企業も特許出願をすることで得られるメリットはたくさんあります。ただし、やみくもにただ出願すればいいというものではありません。事業戦略、研究開発戦略等と一体になった知財戦略が必要です。大平国際特許事務所では、事業戦略、研究開発戦略も考慮した知的財産戦略を立案することが得意でもあります。

\ SNSでシェアしよう! /

特許出願依頼(特許申請の依頼)の注目記事を受け取ろう

NO IMAGE

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

特許出願依頼(特許申請の依頼)の人気記事をお届けします。

  • 気に入ったらブックマーク! このエントリーをはてなブックマークに追加
  • フォローしよう!

ライター紹介 ライター一覧

大平 和幸

弁理士、農学博士、特定侵害訴訟付記弁理士。東京大学大学院(修士課程)修了。修了後、大手洋酒食品メーカーでバイオテクノロジーの研究開発に約18年従事。その後特許情報部(知的財産部)、奈良先端科学技術大学院大学特任教授。特許流通アドバイザー。大平国際特許事務所所長。弁理士会バイオライフサイエンス委員会副委員長。iPS細胞特許コンサルタント。食品、医薬品、化粧品、バイオ等の化学分野が得意。機械、装置、ソフトウエア等の出願実績あり。

この人が書いた記事  記事一覧

  • 認定講師養成講座受講生の認定講師名称(登録商標)の無断使用は侵害に該当

  • 特許戦略で特許出願件数を増やす方法

  • 特許収入だけで生活できる人

  • 使用許諾(ライセンス)交渉、契約書作成の得意な特許事務所

関連記事

  • 特許申請をしたら億万長者になれるか?

  • 特許出願明細書を書き上げるのにかかる時間

  • TRIZとiTRIZ

  • 特許出願と商標登録出願の対象の拡大

  • ジェイテックの特許出願戦略

  • 特許出願明細書の品質