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特許出願の進歩性

特許出願が審査され、特許査定を得るためには、新規性、進歩性を満たす必要がある。
(産業上利用できる発明かどうか等他の特許法上の要件については、別の項で説明する。)

このうち、新規性というのはわかりやすい。新しいかどうかである。

現在では世界公知制がとられているので、例えば、アマゾンの奥地で同じ発明がされ、一般に使用されていたとすると、同じ発明をしても、新規性無しとして拒絶される。

あるいは、インドのアーユル・ヴェーダや中国の本草に記載されていれば、同じ薬の発明をしても拒絶される。もっとも、精製度が違い、効果も違えば、同じ抽出物でも違うものとして特許を受けられる場合もある。

問題は進歩性である。

これは、誰でも考え付くかどうか?ということなので、確実なことが言いにくい。

実際、審査官の主観による面もある。その分野に非常に詳しい審査官であれば、厳しくなる可能性もある。逆に、あまり専門でない分野であれば比較的アバウトに判断される可能性もありうる。

また、進歩性を通すためには、思いつくのが容易かどうかだけでなく、日本の審査では効果も考慮される。異質な効果か、同質の効果でも際立って優れた効果があれば、組み合わせが誰でも考え付くとしても、効果の点で進歩性が認められる。

この点、アメリカの審査では構成のみで判断されるので効果は主張しても進歩性(非自明性)は認められない。あくまでも構成で主張する必要がある。

この日本の審査で効果が参酌される、というのは出願人にとっては有利な方に働く。だから、出願人としては、組み合わせ自体は容易に考え付くような発明であっても、予想外の効果や、質的には予想される効果であっても、予想以上に効果が高ければ進歩性を主張できる。町の発明家等、一般の発明家はこの点を十分意識されるとよいだろう。

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ライター紹介 ライター一覧

大平 和幸

弁理士、農学博士、特定侵害訴訟付記弁理士。東京大学大学院(修士課程)修了。修了後、大手洋酒食品メーカーでバイオテクノロジーの研究開発に約18年従事。その後特許情報部(知的財産部)、奈良先端科学技術大学院大学特任教授。特許流通アドバイザー。大平国際特許事務所所長。弁理士会バイオライフサイエンス委員会副委員長。iPS細胞特許コンサルタント。食品、医薬品、化粧品、バイオ等の化学分野が得意。機械、装置、ソフトウエア等の出願実績あり。

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