1. TOP
  2. PCT application transfer into Japan national phase
  3. 東南アジアの修正審査

東南アジアの修正審査

東南アジアの多くの国では、修正実態審査を採用しており、先進国で特許になっている情報を提供すれば、その特許と同じ請求項になるように補正する指令が出され、その通りに補正することで特許査定がなされる。

しかしながら、この修正実態審査は今後無くなり、各国が独自で審査をするようになるとも言われている。

現在では、例えば、タイでは、上記の修正実体審査が不可能な場合はオーストラリア特許庁に審査を外注するが、その審査費用が30万円位とかなり高額になっている。

しかし、自国で審査できる人材を揃えれば、他の国に外注する必要もなく、審査手数料も入るので、国自体にもメリットが大きい。

審査請求して、自国で審査し、査定まで出すとすれば、それだけの雇用や、弁理士等の収入を得る機会も増えるだろう。

あるいは、もし賄賂が普通の国であれば、審査官に賄賂を送って、何度も拒絶理由を出させ、それにより、弁理士が儲け、その一部を審査官に賄賂として渡すような国もあり得ないとも言えない。

いずれにしても、各国が独自で審査を開始するのは悪いことではないだろう。世界標準とそれほど差異がないのであれば。

とはいえ、審査官のレベルにはかなり差があり、非常によくわかっている審査官もいれば、なんだかよくわからない拒絶理由を出してくる審査官もいる。

欧州で特に顕著だが、最近はアメリカの審査官もかなりバラツキがあるように感じている。実際、特許査定率が審査官によってものすごく違うので、当たる審査官によって特許になる率が大きく異なるだろう。

東南アジアなどの発展途上国では、さらに審査官のレベルに差があり、均質な審査ができるかどうかには不安はあるが、経験を積めばうまくなっていくと思われる。

それまでは、こちらから意見をいう形で反論し、ある意味、審査官に理解してもらうことでこちらの言い分を通してもらうようにする必要があるだろう。

\ SNSでシェアしよう! /

特許出願依頼(特許申請の依頼)の注目記事を受け取ろう

NO IMAGE

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

特許出願依頼(特許申請の依頼)の人気記事をお届けします。

  • 気に入ったらブックマーク! このエントリーをはてなブックマークに追加
  • フォローしよう!

ライター紹介 ライター一覧

大平 和幸

弁理士、農学博士、特定侵害訴訟付記弁理士。東京大学大学院(修士課程)修了。修了後、大手洋酒食品メーカーでバイオテクノロジーの研究開発に約18年従事。その後特許情報部(知的財産部)、奈良先端科学技術大学院大学特任教授。特許流通アドバイザー。大平国際特許事務所所長。弁理士会バイオライフサイエンス委員会副委員長。iPS細胞特許コンサルタント。食品、医薬品、化粧品、バイオ等の化学分野が得意。機械、装置、ソフトウエア等の出願実績あり。

この人が書いた記事  記事一覧

  • 認定講師養成講座受講生の認定講師名称(登録商標)の無断使用は侵害に該当

  • 特許戦略で特許出願件数を増やす方法

  • 特許収入だけで生活できる人

  • 使用許諾(ライセンス)交渉、契約書作成の得意な特許事務所

関連記事

  • 試験研究とオープン・クローズ戦略 特許出願とノウハウ化の組み合わせによる保護

  • 特許査定を阻止するための情報提供 刊行物等提出書

  • 特許庁が中国特許文献を日本語に翻訳するシステムを開発

  • 米国特許出願のダブルパテントのターミナルディスクレイマー

  • 米国拒絶理由通知(office action)への対応

  • 特許出願の拒絶理由への対応