特許申請から登録までにかかる総費用
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特許申請にかかる費用は、出願時の20~30万円だけ、と考えていませんか?
実は、その後もいろいろ費用がかかります。ですから、それを予想していないとどうしてこんなに何度もお金がかかるんだ?と思ってしまいます。
そこで、特許出願から登録までにかかる費用を解説してみました。
出願時 20~40万円
審査請求時 118000+4000×(請求項数)
拒絶理由応答時(意見書、補正書提出) 10~15万円(×拒絶理由の回数。2~3回が多い)
登録時 成功報酬10万円+(請求項数ー1)×1万円
これらを全部合計すると、60~100万円程度になります。ですので、特許出願すると大体60~100万円かかると考えておくとよいと思います。
外国出願する場合は、最近は特許協力条約(patent corporation treaty, PCT)に基づくPCT出願が多いです。もちろん、PCTに加盟していない国には直接パリ条約の優先権を主張して出願します。台湾等が該当します。他にクウェートのような国もその地域のグループに出願するのがよいです。
外国出願の場合はPCTでは、印紙代で28万円程度、弁理士事務所の費用がそれに上乗せされます。PCT出願した場合は、優先日から30か月以内に各国へ移行する必要があります。この際翻訳費用がかなりかかります。
それ以降は日本に似ていますが、米国では特許弁護士が担当するため、最低でも時給3万円です。少し拒絶理由の応答に頑張ってもらうと1回で50万円程度の請求が来ることもあります。
それとバカにならないのが欧州の出願維持年金です。これは出願を維持するためだけに毎年払うのですが、5年目とかだと毎月8万円の支払いになり、これもかなり負担になります。
外国で特許を取得する場合、大体100~200万円程度と考えられます。個人で外国に出願する場合は、上限1000万程度の予算が普通でしょうから、大体、5ヵ国以内程度、例えば、米国、欧州、中国、韓国あたりでしょうか。事業によってはオーストラリアやカナダ、東南アジアでは、タイ、マレーシア、インドネシア、など、インドやドバイあたりにも出願することもあり得ます。
大企業や医薬品ベンチャー、市場の大きいベンチャーなどですと、世界50カ国以上に出願することもあり、その場合は1億円程度のお金は準備しておいた方がよいでしょう。
いずれにして外国出願する場合は、その国に出願することがコスト的にペイするか?を総合的に判断して、コストよりもメリットが上回る、と判断できればその国で権利化すればよいと思われます。
多くの場合は、市場がある国、製造拠点とする国、特許が権利行使しやすい国、などが出願国決定の要因になります。要はコストパフォーマンスのよい特許申請にできるかどうか、と言ったところでしょう。