1. TOP
  2. 中国 韓国 台湾 タイ シンガポール ベトナム インド インドネシア マレーシア バングラデシュ 東南アジア 特許出願
  3. 特許申請から登録までにかかる総費用

特許申請から登録までにかかる総費用

特許申請にかかる費用は、出願時の20~30万円だけ、と考えていませんか?

実は、その後もいろいろ費用がかかります。ですから、それを予想していないとどうしてこんなに何度もお金がかかるんだ?と思ってしまいます。

そこで、特許出願から登録までにかかる費用を解説してみました。

出願時  20~40万円

審査請求時 118000+4000×(請求項数)

拒絶理由応答時(意見書、補正書提出) 10~15万円(×拒絶理由の回数。2~3回が多い)

登録時 成功報酬10万円+(請求項数ー1)×1万円

これらを全部合計すると、60~100万円程度になります。ですので、特許出願すると大体60~100万円かかると考えておくとよいと思います。

外国出願する場合は、最近は特許協力条約(patent corporation treaty, PCT)に基づくPCT出願が多いです。もちろん、PCTに加盟していない国には直接パリ条約の優先権を主張して出願します。台湾等が該当します。他にクウェートのような国もその地域のグループに出願するのがよいです。

外国出願の場合はPCTでは、印紙代で28万円程度、弁理士事務所の費用がそれに上乗せされます。PCT出願した場合は、優先日から30か月以内に各国へ移行する必要があります。この際翻訳費用がかなりかかります。

それ以降は日本に似ていますが、米国では特許弁護士が担当するため、最低でも時給3万円です。少し拒絶理由の応答に頑張ってもらうと1回で50万円程度の請求が来ることもあります。

それとバカにならないのが欧州の出願維持年金です。これは出願を維持するためだけに毎年払うのですが、5年目とかだと毎月8万円の支払いになり、これもかなり負担になります。

外国で特許を取得する場合、大体100~200万円程度と考えられます。個人で外国に出願する場合は、上限1000万程度の予算が普通でしょうから、大体、5ヵ国以内程度、例えば、米国、欧州、中国、韓国あたりでしょうか。事業によってはオーストラリアやカナダ、東南アジアでは、タイ、マレーシア、インドネシア、など、インドやドバイあたりにも出願することもあり得ます。

大企業や医薬品ベンチャー、市場の大きいベンチャーなどですと、世界50カ国以上に出願することもあり、その場合は1億円程度のお金は準備しておいた方がよいでしょう。

いずれにして外国出願する場合は、その国に出願することがコスト的にペイするか?を総合的に判断して、コストよりもメリットが上回る、と判断できればその国で権利化すればよいと思われます。

多くの場合は、市場がある国、製造拠点とする国、特許が権利行使しやすい国、などが出願国決定の要因になります。要はコストパフォーマンスのよい特許申請にできるかどうか、と言ったところでしょう。

\ SNSでシェアしよう! /

特許出願依頼(特許申請の依頼)の注目記事を受け取ろう

NO IMAGE

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

特許出願依頼(特許申請の依頼)の人気記事をお届けします。

  • 気に入ったらブックマーク! このエントリーをはてなブックマークに追加
  • フォローしよう!

ライター紹介 ライター一覧

大平 和幸

弁理士、農学博士、特定侵害訴訟付記弁理士。東京大学大学院(修士課程)修了。修了後、大手洋酒食品メーカーでバイオテクノロジーの研究開発に約18年従事。その後特許情報部(知的財産部)、奈良先端科学技術大学院大学特任教授。特許流通アドバイザー。大平国際特許事務所所長。弁理士会バイオライフサイエンス委員会副委員長。iPS細胞特許コンサルタント。食品、医薬品、化粧品、バイオ等の化学分野が得意。機械、装置、ソフトウエア等の出願実績あり。

この人が書いた記事  記事一覧

  • 認定講師養成講座受講生の認定講師名称(登録商標)の無断使用は侵害に該当

  • 特許戦略で特許出願件数を増やす方法

  • 特許収入だけで生活できる人

  • 使用許諾(ライセンス)交渉、契約書作成の得意な特許事務所

関連記事

  • アップルがヘッドマウント・ディスプレー(HMD)装置の特許を取得

  • 特許庁が東南アジアの特許制度整備に協力

  • 特許事務所は儲かる?

  • 特許の売り込み方法

  • 日米欧のパイオニア発明の特許出願と弁理士会研修

  • 特許出願と特許先行技術調査、侵害調査