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解決課題の無い発明の特許申請

特許申請する場合、通常は何等かの技術的な課題があって、それを解決した発明について記載します。

また、特許申請の明細書の記載要件を満たすには、課題を解決できるように書く必要があります。

この課題というのは、技術的課題で、広告の出し方とか、ゲームのルールとか、コストダウンなどの人為的、経済的な課題は含まれません。特許は技術的思想ですので、技術的な課題を解決する必要があります。

しかしながら、全く新規な発明や、偶然試行錯誤の結果、当初の予想外の発明できてしまったような場合、最初に明確な解決課題がない場合もあり得ます。

そのような場合は、解決課題らしきものを作ってもいいですし、こういう研究をやっていたら、こういう発明ができた、というような背景技術から課題解決の手段までを一体として書いてもいいと思います。

ただ、そのような発明の場合は、何等かの意外性や高い効果を伴うブレークスルーが必要でしょう。

ときどき相談を受けるのですが、コストダウンの発明で、これまでこの材料とこの材料を使っていたが、今度、安いところを見つけてこの製品を原料に使ったらうまく行った、特許にならないか?というのがあります。

コストダウンは経済的な効果ですから、技術的課題の解決とは言えません。ただ、その安い原料を使ったことにより、さらに発明の効果が高くなったり、予想外の効果が出た、というのであれば特許化可能です。

つまり、一見経済的な課題の解決であっても、それが同時に技術的課題の解決にも寄与していればコストダウンの発明も特許になる場合はあり得ます。

また、既にある発明をスケールアップするだけの発明も進歩性の主張ができる必要があります。

パイロットスケールでは合成できても、大量合成は難しい化学物質の製法の発明もありますし、酵素の精製等では、小スケールで培養した場合は十分量の酵素を生産していた細菌や酵母、培養細胞も、大量培養するとその性質が変化して、その酵素の生産性が非常に低くなることは良くあります。

そうした課題が出てきてそれを解決する大量培養方法を見つけた、というのであればいいのですが、単にスケールアップするだけでできてしまって、何の技術的な困難性もなかった、という場合は、進歩性を主張することが難しいです。

そういう場合は、新たに実験をして大量培養の問題点を見つけてそれを解決すれば発明になります。

もし、そうした問題点を見つけられない場合は、他の方法で独占することを考えるのがよいです。

例えば、原料を買い占める、市場を押さえてしまう、ブランド力を付ける、等です。ブランド化するには商標を取得して、その商品、サービス市場で認知度を高める必要があります。そして、広告を大量に売ってマーケットの5割以上を押さえてしまえば特許が無くてもNo1企業になれます。

特許出願は独占の手段ですから、特許以外の方法で独占できるならそれでもいいわけです。以前に書いた医薬品のデータ保護期間による保護もその1種です。

ご質問、ご意見などございましたら以下からお気軽にご相談下さい。

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ライター紹介 ライター一覧

大平 和幸

弁理士、農学博士、特定侵害訴訟付記弁理士。東京大学大学院(修士課程)修了。修了後、大手洋酒食品メーカーでバイオテクノロジーの研究開発に約18年従事。その後特許情報部(知的財産部)、奈良先端科学技術大学院大学特任教授。特許流通アドバイザー。大平国際特許事務所所長。弁理士会バイオライフサイエンス委員会副委員長。iPS細胞特許コンサルタント。食品、医薬品、化粧品、バイオ等の化学分野が得意。機械、装置、ソフトウエア等の出願実績あり。

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