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初めて特許出願を依頼する場合の考え方

特許出願 商標出願 意匠登録出願 実用新案登録出願
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人生で初めて特許申請を依頼される方もよくおられます。

そういう方がいつも聞くのは、これは特許になりますかね?という質問です。これについては、先行技術調査をしてみないと何とも言えません。

また、以前にも書きましたが、新規性については、世界公知ですので、例えば、インドのアーユルヴェーダや中国の神農本草経など、古文書にヒントが記載されていたり、アフリカやアマゾンの奥地で実施されていたら特許にはならない、ということです。

ですから、調査をしてみないとわからないのですが、中国語やヒンズー語、さらには、現地人の言語や古代語でしか書かれていない文書まで調査することは通常不可能ですから、必ず特許になる、ということは、事実上無理です。

ただ、特許出願明細書をうまく書いておけば、先行技術があっても、限定することで特許にできることはあります。

また、これは先行技術がありそうだから難しいだろう、と思って広い範囲で特許出願したら、意外に先行技術がなくてあっさり特許になってしまった、ということも稀ですがあります。

逆に、これは画期的だから基本特許になる、と思っていたら、地方の学会支部の口頭発表で似たような発見が既に発表されていた、ということもありました。

そういう意味では、特許は出願してみないとわからない面があります。

さらに、特許庁の審査官によってもかなり変わってくると思います。日本では審査官毎の登録率は公表されていませんが、アメリカでは公表されています。登録査定を出す率の低い審査官の場合は、40%前半、登録率の高い審査官の場合は80%を超えるので、人によって約2倍の登録率の差があります。

そのデータを見て、今回の審査官は厳しいから、拒絶理由に応答するよりも、審判(appeal)して、審査官を変えた方がいい、とアドバイスをくれる米国特許弁護士もいたりします。

つまり、審査官によっても、特許になったりならなかったりする場合があるので、特許になるかどうかは専門家の弁理士であっても確実なことは言えません。感触として、40%とか70%の確率で特許になると思います、という程度のことを言うか、このデータベースでこのキーワードで検索したところでは、ズバリの先行技術はありませんでした、ただし、このような近い技術があるので、進歩性が否定される可能性もあります、程度のことしか言えません。

もし、どうしても確実なことを知りたいとしたら、世界中の文献を全て調査する必要がありますから、億ではきかないでしょう。

そういう意味では、会社員であれば、特許になるかどうかは、ズバリの先行技術がないことだけ確認したうえで、出願するのがよいと思います。電気系の大企業も、調査に30万かけるなら、特許庁に調査してもらえばいいので、出願すればいい、という発想だったようです。

ですので、先行技術がズバリでない場合は、恐れずに特許出願してみることをお勧めします。出願から1年以内にもっと素晴らしい発明が出るケースもありますから。

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大平 和幸

弁理士、農学博士、特定侵害訴訟付記弁理士。東京大学大学院(修士課程)修了。修了後、大手洋酒食品メーカーでバイオテクノロジーの研究開発に約18年従事。その後特許情報部(知的財産部)、奈良先端科学技術大学院大学特任教授。特許流通アドバイザー。大平国際特許事務所所長。弁理士会バイオライフサイエンス委員会副委員長。iPS細胞特許コンサルタント。食品、医薬品、化粧品、バイオ等の化学分野が得意。機械、装置、ソフトウエア等の出願実績あり。

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