ノーベル賞でこんなに儲かる 特許報奨金
特許でこんなに儲かる、ノーベル物理学賞 というような記事がサンデー毎日に出ています。その中に私の名前も出ているのですが、そこではライセンス契約はトップシークレットなので契約の存在すら秘密、のようなことが書かれています。
これは正確に言えば、そういう場合もあるし、ライセンスを受けたことを公表する場合や、契約の内容まで発表するなど、契約の内容により、オープンにすることもあります。
例えば、大学がライセンスを受けて巨額のライセンス料をもらった場合、相手先企業の名前は伏せて、○千万円、○億円のライセンス収入を受けた、というような発表をする場合はあります。
大抵の契約書では、契約内容は秘密、という秘密保持条項があるため、契約内容を公表することは普通はありません。また、契約の存在そのものを秘密にする条項がある場合は、契約したことさえ、外部には洩らせません。
しかし、例えば、ベンチャー企業と大企業が提携する場合、例えば、トヨタ自動車とアメリカのテスラモータースの提携はニュースでも取り上げられています。
契約について公表するかどうか、については、契約したことを公表することでプラスの効果があれば公開するし、そうでなければ公開しない、という戦略的な使い方ができます。
特許報奨金の場合は、どの社員がどれだけ報奨金を得ているか、は、特許の発明者名とその商品の売り上げ、報奨金の率を知っている社員であればある程度は想像できます。発明者が1人で、売上が100億、報奨金が1%とすれば1億円の報酬がその社員に支払われている、というわけです。
実際には会社の報酬は様々で、1%を超えるところもあれば、0.1%よりも低い会社もあります。それでも数百億円以上の売上があれば、0.1%としても、数千万円の報奨金が入ります。これは役員よりも上の場合もあります。
平社員でもすばらしい発明をすれば、役員よりも高額の年俸になることも可能です。そういう意味では発明ができる部署にいる研究者は毎日宝くじを引いているようなものでしょう。宝くじよりは当選確率は高いと思われます。ヒット商品はセンミツ、つまり、1000に3つはヒットするのですから。