小保方晴子さんのSTAP細胞論文のねつ造疑惑
STAP細胞を開発し、新聞やテレビでも有名になった小保方晴子理化学研究所研究ユニットリーダーの論文にねつ造または盗作疑惑が出てきている。
特許出願の場合は、他社を欺くためにウソのデータを特許出願したり、ダミーの特許出願をするケースも昔からある。
しかし、サイエンスの世界では、そうしたことは非常に厳しく考えられていると思う。
小保方晴子さんらのNatureの記事に載った写真が小保方晴子さん自身の早稲田大学の博士論文の写真と酷似しているそうだ。さらに、小保方さんの博士論文とNIHのHPの文章が20ページ位酷似していたり、博士論文の写真が試薬メーカーのコスモバイオのカタログに載っている写真の一部と酷似しているようだ。また、論文リストも2010年の中国人留学生のリスト50件中38件分を切り取ったものである疑惑もあるようだ。
今は写真の切り貼りや、文章の切り貼りも簡単にできるので、その気になればデータのねつ造もいくらでも簡単にできてしまう。そして、実際にねつ造の現場を見ていない人は、ねつ造とは気づかず、大発見と信じてしまう可能性もある。
それにしても、調査が進むにつれ、あまりにもずさんな盗用が次々に見つかるということは、盗作の常習者だったと疑われても仕方あるまい。
確かに最初はウソのデータを発表して研究費を取り、それで真実のデータで置き換える、というようなことができる研究者もいないではない。しかし、それには、ウソのデータは学会発表や、グラント関係のクローズドな会議のみで発表するなどの注意も必要だ。
ねつ造データを論文に出せば証拠が残ってしまうのでやってはいけない。
そのあたりが小保方晴子さんは甘かったとも言える。
森山尚史氏とともに、iPS細胞の大発見にミソを付けた女性としてずっと語り継がれることになるかも知れない。
小保方晴子理研研究ユニットリーダーが早稲田大大学院先進理工学研究科に在籍していた2011年に博士号を取得するため執筆した論文について、米国立衛生研究所(NIH)の文書などを盗用した疑いが新たに浮上し、同研究科が12日までに調査を始めたとの報道もある。