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発明ヒアリングとTRIZ、USITで特許出願数を増やす方法

研究補助金の研究評価では、研究費の割に特許出願件数が少ない、という問題を指摘される場合があります。また、会社でも1人あたりの出願件数のノルマが決まっていて、発明数を増やす必要がある場合もあります。

発明を増やしたい場合には、まずは、発明者のやる気(モチベーション)を上げるとともに、発明、発想法(発明のやり方)を教えるのがよいと思います。もちろん、定石に則って発明ができる場合だけでなく、全くの試行錯誤の繰り返しから思いもよらない発明が出る場合もありますが、やはり、最低限の発明、アイデア発想法の定石は知っておくべきと思います。発明者はオズボーンやTRIZ、USITの基本程度は知っておくべきでしょう。

それに加えて、エジソンやテスラ、グーグルなどのアイデアの出し方や発明の仕方を研究するのもよいと思います。イノベーションのジレンマで有名なクリステンセンの「イノベーションのDNA」という本によると、イノベーションの能力は生まれつきではなく、後天的に育成できる、と結論づけています。さらにその能力の特徴と開発手法を具体的に掘り下げて記載しています。

ですから、企業の研究開発部員であまり発明が出ない人はこのイノベーションのDNAの手法を試してみるのがよいと思います。他には、中松義郎博士の、「ケチョウスピゾケピケアイキ」というやり方もありますし、エジソンやテスラの発明手法もありますので、ご興味のある方は研究されるとよいと思います。

私の発明コーチング&コンサルティングを受けられれば、これらに基づいたコーチング&コンサルティングを行いますので、より、発明が出やすくなると思われます。

このようにして、研究開発担当者の発明へのモチベーションを高めたら、次は、知財(特許)部員による発明ヒアリングの回数を増やすといいと思います。話を聞いているうちにここをこうすれば特許になる、というのが明確になる場合もあります。

そして、研究員が銅の発明をしそうなら、どうすれば、それを金や銀、プラチナの発明にできるか、とアドバイスするのも知財部員や発明コーチの役割です。それにより発明により高い価値を付けることができます。

とはいえ、知財部員も戦略立案や契約書チェック、ライセンス交渉、知財訴訟など、他の業務にも忙しいでしょうから、時間がない人も多いと思います。そういう場合には、外部の弁理士にヒアリングを依頼するのもよいと思います。

弁理士には守秘義務がありますし、発明を特許にする専門家ですから、普通に考えたら特許にならないだろうと思われる発明でも、特許にできる方法、ノウハウを知っている場合があります。

さらに、研究者も知財部員もこの発明は実用化できないだろう、と思う発明でも、弁理士は様々な分野を扱っているので、この分野に使えば、非常に画期的な発明になる、この発明と組み合わせれば大きな市場が産まれる、などとアドバイスできる場合もあり得ます。

そういう意味で、知財部員が忙しくて発明ヒアリングまで手が回らない場合は、研究所近くの弁理士に発明ヒアリングを依頼するのもいいと思います。大平国際特許事務所でも、関東、関西地域では、発明ヒアリングのサービスを行っておりますので、以下からお気軽にご相談下さい。

お問い合わせはこちらからお気軽にどうぞ

それ以外のよくある発明発掘方法としては、企業であれば、毎月の月例報告会や、研究ミーティングのようなものがあれば、そこで発明発掘をすればよいでしょう。その会議の後に懇親会でもあれば、さらに生の情報が得られます。もうすぐ面白いデータが出そうだ、という情報があれば、それをウォッチしておけば特許出願に繋がる可能性も出てきます。

大学なら、博士や修士の論文発表会や審査会に出るのも有効です。ただし、この場合は、秘密状態で発表するようにしないと、新規性喪失の例外規定を使うことになるので、欧州では権利化できなくなります。通常は、こうした発表会は守秘義務のない学生が聞くので、新規性を喪失してしまうという問題があります。ですので、可能であれば、発表会の前にプログラムなどでタイトルをチェックし、特許になりそうな発表には事前に事情を聞くのがよいのですが、量が多いとそれも難しいです。

大学でもっと早く情報をつかむには、研究室毎の報告会や成果発表セミナーのようなものに参加するのがよいです。大体3ヶ月~半年おきにそういう報告会をする研究室が多いです。一度聞いておけば、そんなに劇的に早く進むことは少ないので、1~数年はそのテーマをフォローできたりします。

さらに、大学の場合は、何もないときでもときどき先生の研究室にお邪魔して、何か面白い話はないですか?と聞くと最新の成果を教えてくれることもあります。そしてそれがいい特許になる場合もあり得ます。

また、大学の場合は、先生と話しているうちに、研究室が最も力を入れているメイン・テーマではないところに面白い(売れる)発明がある場合もよくあります。大学の教授、准教授らは、基礎研究が好きな方も多いですから、メインは基礎研究ですが、どうでもいいというか、軽く続けているテーマが応用に結びつくこともありますから。

メインのお話を聞いたあと雑談をしていて最後の5分で聞いた話がビジネスに結びついた、というケースもあります。

研究者の先生は、そんなの特許になるはずない、と信じていて、知財部との話で出さない場合があり、それを聞き出して特許にできれば強い特許になる場合もあり得ます。

また、1件で出願できる発明を戦略的に分けて出願すればその分特許出願数は増えます。微妙に異なる発明を2つ以上に分けて特許出願するのは企業ではよくやります。その場合は、海外に出願する場合、自己衝突(self collision)を避けるように同日出願するのが一般的です。

もちろん、ただ単に出願数を増やすだけではコストが増えるだけですから、利益を生む、実のある発明を発掘するようにすべきでしょう。

また、発掘した発明をTRIZで展開していくと、40のフレームワークがあるので、それを使って、置換したり、入れ子にしたり、いろいろなパターンを使って発明のバリエーションを考えることができます。

それをやっていると、しばしば、この発明は2つ以上の特許出願に分けた方がいい、となる場合があります。つまり、1つの発明を展開していくことで2つ以上の発明にすることはTRIZを使えば比較的容易にできます。というよりも、必然的に増えてしまうので、予算のない場合は逆に出願費用がかさむという問題が生じ得ます。

そういう意味では、発明を増やすのにはTRIZが有効です。

大平国際特許事務所では、発明者の中に眠っている発明を引き出して特許化する発明コーチングやTRIZ、USITも得意としております。ご興味のある方はお気軽にお問い合わせ下さい。

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大平 和幸

弁理士、農学博士、特定侵害訴訟付記弁理士。東京大学大学院(修士課程)修了。修了後、大手洋酒食品メーカーでバイオテクノロジーの研究開発に約18年従事。その後特許情報部(知的財産部)、奈良先端科学技術大学院大学特任教授。特許流通アドバイザー。大平国際特許事務所所長。弁理士会バイオライフサイエンス委員会副委員長。iPS細胞特許コンサルタント。食品、医薬品、化粧品、バイオ等の化学分野が得意。機械、装置、ソフトウエア等の出願実績あり。

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