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大学等の技術移転に専門知識は不要か?

先日の大学技術移転協議会(UNITT)で、京都大学iPS細胞研究所の知財室長の高須直子さんが、iPS細胞の論文をしっかり読んで、できるだけ深く理解することに勤めてきた、という話をしたら、モデレーターが、そこまでの知識がなくてもいいのではないか?というような質問を会場に投げかけていた。

技術移転関係者には、文系出身者も多く、完全な科学技術の理解がなくてもある程度は売れるという面はある。

しかし、iPS細胞のような最先端分野については、その分野の十分な理解なしでは、いい特許も取れないし、技術移転も最高レベルではうまく行かないのではなかろうか?私がアメリカのベンチャー企業にライセンスできたのも、サイエンスの知識が完全にあったからだと思っている。そのレベルの知識があれば、相手の研究者とも仲間意識が芽生える。

なので、技術移転に専門知識は必要ない、という議論はかなり暴論のような気がする。技術を理解する努力はやるべきだし、それを放棄する理由づけを求めるのは私は間違っていると思う。

特許出願する場合でもできる限り深く理解すべきだし、仕事の質にできる限り完璧なものを求めるのが仕事のやり方としては当たり前だろう。それを手を抜いてもいい、という考え方をしていてはそれほど大したことはできないと思われる。

その点がノーベル賞受賞者に最高レベルに評価され、iPS細胞ストックのプロジェクト・リーダーに推薦されるレベルの人間と、普通のレベルで終わる人間の違いではなかろうか?仕事は常に最高レベルを求めたいものだ。

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ライター紹介 ライター一覧

大平 和幸

弁理士、農学博士、特定侵害訴訟付記弁理士。東京大学大学院(修士課程)修了。修了後、大手洋酒食品メーカーでバイオテクノロジーの研究開発に約18年従事。その後特許情報部(知的財産部)、奈良先端科学技術大学院大学特任教授。特許流通アドバイザー。大平国際特許事務所所長。弁理士会バイオライフサイエンス委員会副委員長。iPS細胞特許コンサルタント。食品、医薬品、化粧品、バイオ等の化学分野が得意。機械、装置、ソフトウエア等の出願実績あり。

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