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発明して特許を取ると会社員の給料はどのくらい増える?

 2013/08/16 職務発明 業務発明 個人発明 報奨金 職務発明訴訟 対価 組合 合意
この記事は約 4 分で読めます。 16,026 Views

会社の研究員等が職務として発明をして、会社が特許権を取得した場合、どの位の報酬(職務発明の対価)がもらえるのでしょうか?

私の聞いているところでは、年間数千万円の特許報奨金をもらっている社員は実際にいるそうです。その会社の上層部からの情報です。

年間数千万円の特許報奨金をもらっている社員の中には役員以上の年収になっている人もいますが、社外はもちろん、社内でも公表はしていないそうです。個人の秘密ですので。もちろん、管理職等で知っている人もいますが、秘密にしています。

なかには自分からたくさん報奨金をもらった、と自慢する人もいますが、そういう人はそれほど多くの報奨金をもらってない場合もあります。年間数十万円~数百万円程度の報償金をもらっている人はどの会社にも相当数いると思われます。これでも通常の給料以外に報酬があるわけですから嬉しいですね。

会社が売上げの何%が報償金という規定を公開しているとすれば、特許の数、発明者の数、売上げがわかれば大体計算はできます。

いずれにしても、会社で研究開発し、発明を完成させて特許出願をして、特許が成立し、その特許に係る発明を製品化した場合、売上のX%が発明報奨金として支払われるのが一般的です。

この発明報奨金は、大学では売上(ライセンス料)の3割とかが普通ですが、これは会社の基準から見れば、とんでもなく高いです。大企業では1%を超えるところはあまり無いと思います。0.1%~0.01%の間の会社も多いと思われます。

0.01%だと、1億円の売上で1万円。100億円の売上なら100万円。これだとさすがに安すぎる気はしますね。0.1%だと100億円の売上で1000万円の報奨金ですが、これくらいあげた方が社員もやる気が出るのではないかと思います。

大企業なら数百億円、数千億円の売上の製品もあるので、その0.1%だと数千万円~数億円の報奨金になります。とはいえ、売上は発明した製品がいいから、というだけではありませんが。

医薬品や太陽電池などは性能がよければ確実に売れるので、そういう場合は、発明がいいから売れています。

しかし、日用品や食品の場合、いい製品を出せば売れる、というのは、昭和の高度成長期で物が不足していた時代の話です。あの頃は製造すれば売れる状態でした。自動車、冷蔵庫、エアコンなどは昔は飛ぶように売れていたようです。

今は、性能のいい製品を作ったとしても、それを適切に消費者に知らせる活動、つまりマーケティングが必要になっています。マーケティング、広告、営業マンのセールススキル、製品コンセプト、デザイン等も売上に関係しています。

そういう意味では、発明者も自分だけの力でこれだけ売れた、というのではなく、客観的に自分の寄与度を算出する必要があると思います。

そうすれば、すごい発明をしたのに、報償金が少ない、という不満が少なくなると思われます。

また、もし、そのような不満を持つのであれば、もっといい発明をして、もっと多くの報償金を得られるように頑張るのが会社員としては成功するパターンでしょう。大抵の場合、自分が思っているほどには上司は評価してくれませんから。他人は自分が自己評価しているのの1桁下程度でしか評価していないこともあり得ます。

発明で会社に認められるには、やはり、その製品で年間で1億~10億円以上の利益を生むことが必要ではないかと思います。それができれば、その後あまり手柄を立てなくても課長、部長位にはなれると思われます。

大平国際特許事務所では、会社や大学等の研究員に対する発明コーチング&コンサルティングも行っています(利益相反がない範囲で)。ご興味のある方は以下からお気軽にご相談下さい。うまく行けば、年収が数百万円、数千万円増えることもあり得ますし、昇進や海外留学できるかも知れません。

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大平 和幸

弁理士、農学博士、特定侵害訴訟付記弁理士。東京大学大学院(修士課程)修了。修了後、大手洋酒食品メーカーでバイオテクノロジーの研究開発に約18年従事。その後特許情報部(知的財産部)、奈良先端科学技術大学院大学特任教授。特許流通アドバイザー。大平国際特許事務所所長。弁理士会バイオライフサイエンス委員会副委員長。iPS細胞特許コンサルタント。食品、医薬品、化粧品、バイオ等の化学分野が得意。機械、装置、ソフトウエア等の出願実績あり。

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