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IBMおとり捜査事件

日立等の社員がIBMの機密情報(知的財産)を不正に買い取ろうとして米国で逮捕された事件が1982頃にありました。それが今日の日経新聞に取り上げられていたので、思い出しました。おとり捜査という手法で、人のいい日本人がはめられたのではないかと思います。今ならコンプライアンスの問題があるのでこうした事件は起こりにくいでしょう。

その頃は日本の高度成長期で、アメリカは巨額の貿易赤字をかかえ、対策に苦慮している状態でした。

その少しあとに私は筑波の研究所に派遣されていたのですが、そこでは、研究所で10億円分の科学機器を買うように、という指示が中曽根首相の方針で出ていました。貿易赤字の不均衡是正を国公立の研究所に高額の研究機器を購入することで埋め合わせしようというわけです。

いずれにしてもその後1985年のプラザ合意から円高方向に為替が動き、バブル崩壊を経て現在の日本経済の低迷状態につながっているわけですが、その間いざなみ景気と言ってしばらく好景気が続いた時期もありました。しかし、それは企業が派遣社員を増やし、一般社員の給料を抑制した結果の好景気で、決して日本全体が豊になったわけではありませんでした。しかも、赤字が1000兆円を超えるのは時間の問題でしょうから、非常に危機的な状態は何も変わってないとも言えます。

このような危機を乗り越えるには、米国が1985年に出したヤング・レポートのような知的財産を重視して新産業を興すというのがよいのではないかと思います。

つまり、従来型の製造業ではなく、新しい技術に基づいて新製品を作る、と言うことです。米国は当時ちょうどパソコンのOSが開発されたころで、MSDOSとcpm86、アップル等が争っていた時代でした。その後、PCが爆発的に普及し、インテルとマイクロソフトが巨額の売り上げをあげるようになりました。

日本でも、iPhoneのような新製品を作る技術はあるはずです。問題は、スティーブ・ジョブズのような新しいコンセプトを出せる人がいない、ということか、もしくは新しいものを受け入れる文化がない、というところでしょうか?

しかし、今後日本が生き残る道は、世界初の新製品で巨大な市場を作るのが必要ではないかと思います。久しぶりにIBM知財スパイ事件を見てそんなことを考えました。

iPS細胞技術等はまさにそれができる技術ではないかと思います。

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大平 和幸

弁理士、農学博士、特定侵害訴訟付記弁理士。東京大学大学院(修士課程)修了。修了後、大手洋酒食品メーカーでバイオテクノロジーの研究開発に約18年従事。その後特許情報部(知的財産部)、奈良先端科学技術大学院大学特任教授。特許流通アドバイザー。大平国際特許事務所所長。弁理士会バイオライフサイエンス委員会副委員長。iPS細胞特許コンサルタント。食品、医薬品、化粧品、バイオ等の化学分野が得意。機械、装置、ソフトウエア等の出願実績あり。

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