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国内優先権主張出願と米国仮出願の回数

国内優先権主張出願、米国仮出願とも、特に回数制限はなく、最初の出願から1年以内であれば何度でもできます。

米国の仮出願の場合、4回位仮出願をして、その後に本出願をすることも珍しくありません。実際、幹細胞関連特許で、米国で4回仮出願し、それに優先権主張して国際出願(PCT出願)していたものを見たことがあります。これは、米国では少しでも早く発明概念を出して、仮出願することで権利が押さえられるからです。これは、1つには、先発明主義の名残なのかも知れません。最初の仮出願から1年後に新しい発明概念を書いて優先権主張出願する場合、理論的には、ライバルが同じ発明概念で先に出願することもありえますから、画期的な発明であれば、何度も仮出願して、権利を押さえたい、というのはわかります。

しかし日本の場合は、大体基礎出願は1回が普通で、2回以上の基礎出願をして複数優先を主張して本出願の特許出願をする場合は少ないと思います。

これは、1つの実験がうまく行くまでに大体3か月程度はかかる(分野によっては1週間で発明が出ることもありますが)ことや、日本では、極めて権利範囲の広い特許出願は認められることが少なく、大概念ではなく、細かい特許出願を大量に出すような仕組みになっているからと言えるかも知れません。

1つの基本特許で広く抑えられる制度を持つ国であれば、何度も仮出願して、それらをまとめてPCT出願することで、より広い権利取得を目指すことが可能です。

そういう意味で、国内優先権主張出願をどう使うか、はその国の特許制度にもよるように思います。

しかしながら、ノーベル賞クラスの基本発明であっても、記載要件が緩くならない日本の特許制度では、ものすごく広い特許権を取ることは至難の業です。そこで、細かい発明をいくつも特許出願する必要があります。

これは昔の高度成長期の名残とも言えると思います。欧米の強い基本特許に対して利用発明、周辺特許で基本特許の範囲を埋め尽くしてクロスライセンスに持ち込む、という戦略が有効だった時代のやり方ではないかと思います。一山いくら、のような特許を大量に取る、というやり方です。

しかし、現在は、そうしたフォローアップ型の利用特許、周辺特許ではなく、日本発の、世界のフロントランナーになれる優れたイノベーションが無ければ中国、韓国、台湾、東南アジアなどの賃金の安い国に太刀打ちすることは難しいでしょう。欧米の発明を安くいい品質で作る、という世界の工場の役割は中国や東南アジアが担うようになっていますから。

そこで、例えば、山中伸弥教授の誘導多能性幹細胞(iPS細胞)の特許のような世界的に使用される大発明がどんどん出てきて欲しいものです。山中教授のiPS細胞特許はライセンス料が年間で3億近くになっていますから、20年で60億以上になるでしょう。これはモノクローナル抗体の80億円(スタンフォード大学では遺伝子組換え特許に次ぐライセンス収入額です)に近い金額です。

そのような大発明をするためには、暗闇に向かってバットを振り続けるような、進んでいるか、後退しているかわからない状態でも開発研究を続ける必要があります。

その過程では、どうしても煮詰まってしまったり、無理ではないか?と疑問を持ったりすることもあり得るでしょう。そういう時は、発明コーチング&コンサルティングを受けてみるのも一つのやり方だと思います。特に難しい研究テーマに取り組んでいて、なかなかうまく行かず、途方にくれているような研究者には向いていると思われます。他にも、どうしても素晴らしい発明をしたいけど、どんな開発テーマを選んだらいいかわからない、という場合にも発明コーチングは役立つと思われます。また、発明、知的財産でお金を稼ぎたい、という方にも有効です。

発明コーチング&コンサルティングにご興味のある方はお気軽にご相談下さい。

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ライター紹介 ライター一覧

大平 和幸

弁理士、農学博士、特定侵害訴訟付記弁理士。東京大学大学院(修士課程)修了。修了後、大手洋酒食品メーカーでバイオテクノロジーの研究開発に約18年従事。その後特許情報部(知的財産部)、奈良先端科学技術大学院大学特任教授。特許流通アドバイザー。大平国際特許事務所所長。弁理士会バイオライフサイエンス委員会副委員長。iPS細胞特許コンサルタント。食品、医薬品、化粧品、バイオ等の化学分野が得意。機械、装置、ソフトウエア等の出願実績あり。

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