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特許出願を自分でやり拒絶理由から対応を依頼される場合

 2012/05/30 特許出願費用、特許出願料、商標登録出願料金、手数料、料金表
この記事は約 4 分で読めます。 1,186 Views

特許出願を弁理士に依頼せずに自分で明細書を書いて、自分で出願される人もときどきおられます。

その場合、最後まで自分で拒絶理由に応答(反論)される方もいれば、拒絶理由が来てから弁理士に相談してくる人もいます。

しかし、どうせ後になってから弁理士に依頼するのであれば、出願当初から依頼するのが最も安上がりだと思います。というのも、明細書がきちんと書けてないと、拒絶理由に対して補正することができない場合も多いからです。あるいは、補正できたとしても、ぎりぎりの補正ではなくかなり大雑把な範囲での補正になり、本来取れる権利範囲よりもかなり狭い権利しか取れなくなるケースも多いです。

もし明細書の記載が不十分で補正ができなければ、せっかく専門家に依頼しても特許にならないか、なったとしても非常に狭い権利範囲しか取れず、特許を取る意味がないこともありえます。他人が近い範囲で実施して、それでも同じような効果が得られるとすれば、特許権による抑止力は無いに等しいですから。

ですから、どうせ弁理士に依頼するのであれば最初から弁理士に依頼するのがよいと思います。弁理士であれば、何十年の経験から、どのような拒絶理由が来るか熟知していますから、それに対応できるような明細書の記載ができるためです。

次善の策としては、自力で出願し、その後、1年以内に弁理士に相談して国内優先権主張出願(パリ優先やPCT出願を含む)をすることです。そうであれば、発明者が自分で書いた明細書を弁理士が補強して、権利範囲を広くし、将来の拒絶理由に対応するために種々のバリエーションを追加することもできるでしょう。

ただし、この場合、国内優先権主張出願までに発明者が発明を販売したり、企業に売り込んだりしていると、優先権主張が効かなかった場合に、新規性を失うおそれがあります。その場合は、企業などに売り込む際に、発明の全ては説明しないようにするか、秘密保持契約を締結してから説明するなどが必要です。

拒絶理由に対しては、出願当初の明細書に記載されている範囲でしか補正ができないので、出願時に明細書に書かれていないことを根拠に拒絶理由に対応するのは基本的に難しいです。

つまり、最初の記載が薄ければ、拒絶理由に対応できないケースがあり得ます。そのために、弁理士が書く明細書には、用語の定義として、どの範囲までが入るか明確に書かれてますし、その他の補正用に技術的なバリエーションの記載もされています。

ただ、最近では顕著な効果を示す実験データを後から提出して進歩性の拒絶理由を解消できたという事例はあります。これは最初にその効果を明細書に記載しておいた場合で、効果の記載がない場合は、後から実験で効果を証明して進歩性を主張することはできません。

また、最初から後から出るデータに期待するのはリスクもあるし、書くべき部分は最初からきちんと書いておいた方がよいと思われます。できるだけ最初から将来、データを後出しすることや、補正することも考慮して明細書を書くべきです。

弁理士の書く明細書は、日本語として読みにくい、と言う方もいて、ある特許庁出身の弁理士の方は審査官(審判官)の立場で読みやすく簡単に明細書を書いた、と言っておられました。

確かに通常の重複も多く、日本語とは思えないような明細書よりも、すっきり簡潔に書いた方が審判官が読むのも早く、理解も早いと思われます。

しかしながら、そのような明細書では十分補正の根拠が書かれていないことがあり、そのような特許出願に対して拒絶理由が来た場合には対応に苦労すると思われます。

特許出願を弁理士に依頼すれば、最低でも10万円以上、通常は、20万円~30万円かかります。しかし、特許で守るのは事業ですから、経費になります。20万円程度の投資が回収できないということは通常は無いと考えます。個人は別として。

そういう意味ではどうせ特許を出願するのであれば、最初からきちんと弁理士に依頼して使える特許権を取得すべきと考えます。ほんのちょっとしたことで巨額の事業を独占できなくなるとその損失は計り知れませんから。

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ライター紹介 ライター一覧

大平 和幸

弁理士、農学博士、特定侵害訴訟付記弁理士。東京大学大学院(修士課程)修了。修了後、大手洋酒食品メーカーでバイオテクノロジーの研究開発に約18年従事。その後特許情報部(知的財産部)、奈良先端科学技術大学院大学特任教授。特許流通アドバイザー。大平国際特許事務所所長。弁理士会バイオライフサイエンス委員会副委員長。iPS細胞特許コンサルタント。食品、医薬品、化粧品、バイオ等の化学分野が得意。機械、装置、ソフトウエア等の出願実績あり。

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