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特許審査ハイウェイ(PPH)が世界30か国

経済産業省は、米国、欧州、韓国、中国等30カ国機関で特許出願や審査要件といった「運用ガイドライン」の共通化することで迅速に権利化する方針を固めたそうだ。

特許審査ハイウェイ(patent prosecution highway)を使うことで既に特許になった国の審査結果を利用して迅速に(多くの場合そのまま)特許化できる、という制度である。

多くの場合、特許になった国と同じ権利が成立するのだが、最近はそうでもない事例も出てきている。

例えば、山中伸弥先生のiPS細胞の製造方法の米国特許出願は、日本で最初に特許が成立し、PPHで米国で権利化しようとしたが、米国ではそれが非常に狭く限定された権利範囲となっている。

そういう意味ではPPHを使ったからと言って本国と同じ権利範囲になるとは限らない。

また、欧州のようにより広い権利が取れるケースもあり、そういう面から言えば、日本の狭い権利範囲に基づいてPPHをかけた場合、必ずしも有利に働くかは不明である。

しかし、欧州のように出願維持年金がかかる場合は、審査が遅れれば遅れるほど費用がかさむので、PPHを使った方が費用的には有利である。

今回、世界30か国で適用されるようになるとすれば国毎にPPHでやるか、通常審査でやるかその国の状況を見てから考えるようにするのがよいと思われる。

 

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ライター紹介 ライター一覧

大平 和幸

弁理士、農学博士、特定侵害訴訟付記弁理士。東京大学大学院(修士課程)修了。修了後、大手洋酒食品メーカーでバイオテクノロジーの研究開発に約18年従事。その後特許情報部(知的財産部)、奈良先端科学技術大学院大学特任教授。特許流通アドバイザー。大平国際特許事務所所長。弁理士会バイオライフサイエンス委員会副委員長。iPS細胞特許コンサルタント。食品、医薬品、化粧品、バイオ等の化学分野が得意。機械、装置、ソフトウエア等の出願実績あり。

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