最強、最高、至高の特許事務所とは?
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特許申請を依頼するための特許事務所の選び方は一般の方にはかなり難しいと思います。企業の知財部員にとっても、弁理士の腕の良さを正確に測るのは簡単ではないと考えます(レベルの低い弁理士は簡単にわかりますが)。
それには多くの理由があります。
まず、特許明細書の質が高いか低いかわかる人はそれほど多くありません。多くの人は特許明細書は日本語とは思えない、と感じていると思います。それに、専門技術分野が違うと、技術内容も理解できません。
自分で特許明細書を書いたことのある研究者又は多くの明細書を見たことのある特許部員等であれば明細書を見ればその弁理士が優秀かどうかある程度はわかりますが、そうで無い人にとって、どの特許事務所の明細書がどういいのか、どう悪いのか、判断できないことも多いでしょう。また、分野によって弁理士の得意、不得意という問題もありますから、不得意な分野の明細書を見てその弁理士の腕を評価するのは酷ともいえます。
さらに、外国に出願した場合にだけ問題になる箇所というのもあります。例えば、米国では発明の所有者であることを示すためには、十分、属と種をしっかり書く必要があります。中国では、重複的な記載に見えても省略せず、きちんと書かなければなりません。日本では、過去の自分の出願に書いたことを別の出願に書いても問題にはなりません(拡大先願)が、欧州や中国等では自己衝突(self collision)の問題があります。そのような細かい部分は実際にその国に出願してその拒絶理由を受けた経験がないとちょっと分かりません。
次に拒絶理由に対してしっかり反論できる弁理士かどうかは包袋(特許庁とのやり取りなどを全て記録したもの。昔袋で管理していたのでそう言われるが現在は電子ファイル。審査書類はJplatpatで見れます)を見なければわかりませんが、その書類の見つけ方を知っている人はそう多くないです。
もっとも、どんな特許を取っているかを見れば、腕がいいかどうかはわかりますが。どうしてこんな(当たり前のような)特許が取れるんだ?というのを特許にしていれば腕がいいと言えると思います。
そして、登録になった特許に異議申立や無効審判がされているなら腕はいいと考えられます。同業者にとって邪魔な特許を取れているのは、ライバル企業からの情報提供に対抗して特許が取れている、とも考えられるからです。また、異議申立や無効審判をやるというのは、取消決定や無効審決が出る可能性のあるグレーゾーンの特許とも言えるからです。
さらに弁理士が、審判、訴訟に強いかどうかも見る必要があります。侵害訴訟では弁護士も含まれますが、審決取消訴訟では、主に弁理士の腕と考えて良いと思われます。
海外出願については、海外の特許弁護士の能力も評価しなければなりません。自分の専門分野の博士号取得者が多かったり、審査官出身者が多いなら安心感があります。
ということで最強の特許事務所を見つけるのはかなり難しいです。そして、ある弁理士がいい、と思ってその事務所に連絡したら他所の事務所に移っていたり、独立したりしているケースもあります。
また、特許事務所には利益相反というものがあり、例えば、パナソニックの出願をしていたら、三菱電機の特許出願は担当できない、ということになっています。キリンビールの特許出願をしている特許事務所は、アサヒビールの特許出願はやれないと言えばもっとわかりやすいでしょうか?もっとも、これは同じ技術分野で、例えば、パナソニックの美容機器の特許出願をしていても、三菱電機のエアコンや冷蔵庫の特許出願をすることはできます。
そういう意味で、最強の特許事務所が見つかったとしても既に同業者の出願を担当していたら利益相反になるので依頼しても断られることになります。
ですから、特許事務所の選び方がわかって、いい弁理士を見つけても必ずその特許事務所や弁理士に担当してもらえるわけでもありません。エース弁理士は既に、大企業で重要な出願を担当していて、単価も高い可能性もあります。
大平国際特許事務所所長の大平は東京大学卒業、博士号取得、企業で経営戦略、マーケティング戦略、知財戦略をマスターし、大学院大学の教授も務め、研究開発歴が長く(20年以上)、特許実務歴も15年以上で最高水準のサービスを提供しています。初回半額キャンペーンもやっておりますので依頼してみても損は無いと思われます。