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化学が得意な弁理士

弁理士にはそれぞれ得意分野があります。主に大学の専攻による違いです。おおまかに分ければ、電気、機械、化学、バイオ、といったところでしょうか。

それに加えて、ソフトウエアや日用品、食品等もあります。このうち、日用品のような簡単な発明や考案(実用新案)であれば普通の弁理士なら誰でも書けるのでそれほど専門の弁理士を探す必要はありません。

しかし、例えば、バイオテクノロジーで世界最先端のノーベル賞クラスの発明の場合は、電気系の弁理士では本質を理解できない場合もあり得ますので、その場合は、バイオテクノロジーや分子生物学分野が得意な弁理士に依頼すべきでしょう。

できれば、その分野で博士号を持ち、あるいは大学の准教授や教授の経験があり、さらに弁理士歴最低5年、できれば10年以上あればかなり安心して任せられると思います。

逆に、プログラムを全く知らない農業分野専門の弁理士にソフトウエア発明の特許出願を依頼すると、明細書の完成度が低く、出願しても特許になる確率は低くなるおそれがあります。

文系で弁理士になった人は商標専門でやっている弁理士もいるようですが、中には、夜学で電気系の大学に行って電気の特許出願をやっている人もいます。

こういう人は電気系である程度のレベルの出願はできると思いますが、電気系の学部と大学院を出た弁理士に比べれば少しレベルが落ちる可能性もあり得ます。

特許の全出願件数のうち、最も出願数が多い分野は電気、次が機械、その次が化学、バイオは最も少なく1万件以下程度だったと思います。

電気では、例えば日立製作所、パナソニック、富士通などは昔は年間数万件、最近でも6000件程度出願していると思われます。

これに対して製薬企業最大手の武田薬品でも年間100件も出願していません。

食品企業では、サントリーが多い時期は年間200件位出願していましたが、それは例外で、通常は年間100件以下の出願のところがほとんどです。

これは、食品はライフサイクルが短いものが多く、発売から3年位で別の製品にシフトし、審査請求の時期にはもうその製品は製造販売していないことがかなりあるからと言われています。

そういう意味では、商品のライフサイクルが短い分野は特許出願に向かないとも言えます。

また、日本全体での特許出願件数は最近減少しており、最盛期は40万件以上でしたが、今は30万件を切る位にまで減少しています。

それに対して弁理士は10年くらい前までは4000人程度だったものが、最近は毎年700人~800人づつ増えているので9000人近くなっているはずです。そして毎年700人以上増えて行く可能性があります。
(追記:2015年度の合格者数は350人程度とかなり減少しています。弁理士数は1万人を超えています)

そういう意味では弁理士数は増えているのですが、メインの仕事である特許出願数は減少しています。知財訴訟も減少しています。

市場が縮小しているのに参入者は約3倍になっているわけで、まさにレッドオーシャンです。そして、企業内弁理士も増え、明細書を社内で作成するところも増えてきています。

当然競争が厳しくなるので、値引きする事務所も出てきています。ですので、非常に安くやっている事務所もありますが、弁理士試験に合格してすぐに独立した経験の少ない事務所などもありえます。つまり、事務所間のレベルの差が大きくなっていると思います。

それでも、企業で明細書を書いた経験があるとか、特許事務所で何年も修行してきた弁理士であれば、それなりのいい品質の明細書が書ける場合もありますが、全く明細書を書いたことのない人がいきなり独立するケースもあるので、そういう弁理士は要注意です。

と、言ってもある程度のセンスのいい人であれば、即独立しても何とか実務をこなしていた人もいるので、全くダメというわけではありませんが。

いずれにしても確実を考えれば、弁理士経験が5~10年以上ある事務所に依頼するのが安心だと思います。しかも、博士号を取得していたり、元大学教授だった弁理士のいる事務所なら安心です。そのような特許事務所はこちら

 

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ライター紹介 ライター一覧

大平 和幸

弁理士、農学博士、特定侵害訴訟付記弁理士。東京大学大学院(修士課程)修了。修了後、大手洋酒食品メーカーでバイオテクノロジーの研究開発に約18年従事。その後特許情報部(知的財産部)、奈良先端科学技術大学院大学特任教授。特許流通アドバイザー。大平国際特許事務所所長。弁理士会バイオライフサイエンス委員会副委員長。iPS細胞特許コンサルタント。食品、医薬品、化粧品、バイオ等の化学分野が得意。機械、装置、ソフトウエア等の出願実績あり。

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