発明ヒアリング時の発明者の準備資料と発明相談

今回は、弁理士や知財部員の側から見た、発明ヒアリング時の発明者の準備資料についての意見を書いてみます。

弁理士は専門家だから、一言言えば全部わかるだろう、といきなり発明の内容を説明される方もおられますが、その分野の専攻で同じテーマを研究していた弁理士ならともかく、分野が異なる場合は、一瞬で理解できるとは限りません。

そういう場合は、技術の一般的な位置づけや、工場見学に来た人に説明する際の資料などもいただけると理解しやすくなります。

実際、企業や大学から特許出願の依頼を受ける際、多数特許出願の経験がある企業の場合は、その業界や技術の一般的な知識がわかる論文や小冊子(自社の紹介パンフレットなど)を下さる場合があります。

それを読めば、その業界の基礎知識から専門的な知識までを小学生や一般人でもよくわかるようなものです。専門家が書いた教科書よりも、そのパンフレット1冊あれば全部わかる、というくらいよくできたパンフレットをいただくこともあります。

そうした発明と直接関係ない、一般的な常識が無いと、発明を根本的に理解することが難しい場合もあります。

また、大学の先生から説明を受ける際は、学生に説明するようにゼロから非常にわかりやすく説明してもらえますので、その発明の背景、発明のきっかけ、将来どういうことに役立つか、現状の課題は何か、どういう企業が興味を持っているか等をわかりやすく整理して説明してくれます。

ですので、そういうインタビューから特許出願の明細書を書くのはやりやすいです。

逆に、いきなり最先端技術の話を始められる方もおられますが、その場合には、前提が抜けていますので、誤解してしまうケースもあり得ます。

さらに特許出願明細書だけを読んで発明を理解してライセンスしてくれ、という場合は、発明の背景、どういうニーズから発想したか?従来技術の問題点は何か、この発明が解決したポイントは何か?未発表データはあるか?企業から問い合わせがあったか?学会での反響は?等はわかりませんから、そのあたりをヒアリングしないとライセンスの戦略を立てることも困難です。

つまり、特許出願のヒアリングでも、ライセンスの依頼でも、その発明の背景、従来技術の問題点、その発明が解決したこと、苦労した点、メリット(効果)、将来の使われ方、ビジネス戦略、興味を持っている企業、ライバル企業等の情報等があるといい特許出願明細書が書けると思います。

そういう意味では、特許出願の発明ヒアリングのための資料は事前に基礎から専門知識までを階層的に整理して、どうすれば弁理士がよりきちんと理解してくれるか?という観点から資料を準備されるとよいと思います。基本は幼稚園児でもわかる、という位のつもりで準備されるのが望ましいです。

これは会社の役員等にプレゼンテーションする資料を作る際にもよく言われることですが、役員は全くの素人なので、幼稚園児でもわかる位の資料にしないとわかってもらえない、ということです。弁理士は幼稚園児よりはマシですが、専門分野が一致していない場合は、やはり、素人にも十分理解できる説明をする方がいい明細書が書けると思います。

もちろん、専門分野がズバリ一致すれば少し話しただけで発明の核心を理解し、特許出願明細書を起こすことができる場合もあります。例えば、私であれば植物の遺伝子操作や病気関係、分子生物学関連の発明についてはそこらの大学教員よりも深くわかっているので、ちょっと聞いただけで一瞬でほぼ完全に理解できます。発明の本質を捉え、その先まで見通すことができます。iPS細胞関係もコンサルティングをしていたのでほぼわかります。動物や医薬関係の発明も。

ただ、全く同じ専攻分野の弁理士に頼める確率は低いので、バイオならバイオ、機械なら機械、プログラムならプログラムというように得意な人に依頼するのがよいと思います。もちろん、同じジャンルの弁理士でも大学教授レベルの知識を持っている弁理士から、学部卒ですぐに特許事務所に就職し、研究開発経験の無い特許実務だけの弁理士や特許技術者もいますから、その弁理士や特許技術者の経歴も参考にした方がよいです。

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