サントリーがアサヒビールに敗訴 特許無効の判断

東京地裁でサントリーがビールテイスト飲料の特許でアサヒビールを訴えていましたが、サントリーが敗訴したようです。

言わば、当たり前、の特許だから無効という判断が出たようです。サントリーの特許請求の範囲は以下です。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エキス分の総量が2.0重量%以下であるビールテイスト飲料であって、pHが3.0以上4.5以下である、前記飲料。

エキスが少ないビールテイスト飲料で、pHが3以上、4.5以下という極めてシンプルな特許です。

これだと、pHをこの範囲に入れるだけで侵害になります。

しかし、ビールは炭酸が入るのでどうしても酸性になってしまいます。すると、この特許にはほとんどのノンアルコールビールが入るように思います。

サントリーの特許が成立したのは、このpHだとコクが出る、というのが予想外、ということで進歩性が認められて特許になったようです。

しかしながら、このコクが出る、というのが予想外なのかどうかは不明です。他にもそのような例があると予想可能、ということで進歩性無となり、無効になり得ます。

ビールは長い歴史がありますから、低エキスビールでpHを低くした例はおそらくありそうな気がします。

それによりコクが出る、というのがどのくらい予想外なのかによって、特許権の有効性が決まります。

予想の範囲の効果であれば、無効の抗弁が特許権侵害訴訟では可能です。

これにより、特許無効審判を起こさなくても、訴訟では勝訴できます。おそらく今回のアサヒは無効の抗弁をしたものと考えます。

とはいえ、進歩性の判断は微妙です。サントリーも控訴したようですから何等かの勝算があるのでしょう。

あるいは、退くに引けなくなって、負けるとわかっても控訴せざるを得なかったのかも知れませんが。

いずれにしてもビールシーズンが終わって秋にこのような結論が出ても喜ぶのは一部の人だけでしょうね。

どっちが勝ってもビールがおいしくなるわけじゃなし。

特許訴訟もいいけど、やはり、もっと画期的な特許で争って欲しいですね。

と、言っても私もこうした当たり前のような特許をぎりぎりで成立させるのを得意としているので、こうした当たり前特許がことごとく無効になってしまうのも困るのですが・・・

今後の日本経済の復興を考えると、ノーベル賞級の画期的な発明の特許を増やして行きたいですね。