東大生の15%がベンチャー起業に興味

東大では、かなり前にオンコセラピーという会社を上場させ、数十億円以上の資金を集め、株主も数億~10億位の株を持っていた時期がありました。現在の株式の時価総額は約465億円です。ただし、昨年度の決算では15億円の赤字のようですが。

最近では、Mixi、ユーグレナ、ペプチドリーム等が東大卒業生による、または東大発ベンチャーとして成功し、東大でもベンチャー起業に興味を持つ学生が増えているようです。

2004年4月の国立大学法人化とともに、東大では東京大学エッジキャピタル、というファンドを立ち上げ83億円で投資をスタートしました。それは百数十億円のリターンを生み出し、黒字になっています。

大学発ベンチャーのファンドで黒字化するというのはすごいことです。

平沼プランでベンチャー1000社作りましたが、ほとんどのベンチャー企業が赤字か会社を解散していたり、青息吐息の状態なのに、東京大学エッジキャピタルだけはベンチャー投資で黒字で、現在では300億円を運用しているそうです。

東大の本郷キャンパスには、アントレプレナープラザがあり、ユーグレナやペプチドリームもここから成功しました。

東大ではアントレプレナー道場を毎年開催し、今年で11回目になるそうです。元々東大は官僚養成学校で、商売人を養成する大学ではないので、ビジネス(商売)の学問であるMBAコースは作らなかった経緯があります。そのため起業家を育成するために産学連携本部がアントレプレナー道場を作ってビジネスを立ち上げる起業家を教育するようになったそうです。

秋にはビジネスプランコンテストがあり、そこで好成績を収めると、北京大学への派遣や米国・テキサスで開催されるイベントのサウス・バイ・サウスウエスト(SXSW)に参加する権利が得られるそうです。

産学連携本部イノベーション推進部長の各務茂夫教授によれば、東大生からベンチャー起業して成功する人は年に3、4人もいればいいそうです。ハーバート大学やMITでもその位の割合のようです。

3,4人が成功すれば、それで、数万人、数十万人の雇用を生み出せるのが米国ベンチャーです。日本も昔からある大企業はだんだん苦しくなっているように見えます。その分、ベンチャー企業が成功して日本経済を復活させて欲しいものです。

そのためには、特許は命です。水ももらさぬ鉄壁の特許を出願し、権利化して、大成功して欲しいと願っています。

 

 

トヨタの米国子会社の空飛ぶ車の特許出願が公開されました

トヨタの米国子会社が特許出願した空飛ぶ車用の翼の特許が公開されました。ホンダは飛行機に進出しましたが、トヨタは空飛ぶ飛行機を開発するのでしょうかね。

もし、空飛ぶ車ができたら、スーパージェッタ―(古っ!)の流星号とか昔のTVマンガが実現しそうでワクワクしますね。最近の映画でもよく空飛ぶ乗り物が出て来ますが、車というよりもオスプレイみたいな飛行機タイプが多い感じがしています。

DUAL CHANNEL WING FOR AN AEROCAR

nventors: Name; Taewoo; (Ann Arbor, MI) 発明者は1人のようです。

Applicant: Toyota Motor Engineering & Manufacturing North America, Inc.

出願公開番号:20150232180(8/20/2015公開)

優先日(出願日):2014-02-14

請求項は以下です。複葉機のように2枚の翼があるようです。もっとも、aerocarの特許自体は1943年にも出願されてますし、アイデア自体はそれほど新しくないのかも知れません。中国からも数年前から空飛ぶ自動車の特許が複数出願されています。

1. A wing comprising: a dual channel wing with an outboard channel that extends spanwise from an inboard channel.

2. The wing as recited in claim 1, wherein said dual channel wing is a blown channel circulation control wing.

3. The wing as recited in claim 2, wherein said blown channel circulation control wing includes a leading edge air supply plenum that feeds at least one associated leading-edge slot.

4. The wing as recited in claim 2, wherein said blown channel circulation control wing includes a trailing edge air supply plenum that feeds at least one associated trailing-edge slot.

5. The wing as recited in claim 2, wherein said blown channel circulation control wing includes a leading edge air supply plenum that feeds at least one associated leading-edge slot and a trailing edge air supply plenum that feeds at least one associated trailing-edge slot.

6. The wing as recited in claim 1, wherein said outboard channel is defined about an outboard axis and said inboard channel is defined about an inboard axis.

7. The wing as recited in claim 6, further comprising an outboard propulsor along said outboard axis and an inboard propulsor along said inboard axis.

8. The wing as recited in claim 7, wherein said outboard propulsor and said inboard propulsor include a propeller.

9. The wing as recited in claim 7, wherein said outboard propulsor is axially forward of said inboard propulsor.

10. The wing as recited in claim 7, further comprising an aileron in said outboard channel aft of said outboard propulsor.

11. The wing as recited in claim 1, wherein said outboard channel swings about a chord axis such that said outboard channel stows atop said inboard channel.

12. The wing as recited in claim 11, wherein said wing swings about a wing axis such that said wing is foldable between a roadable mode and a deployed flight mode.

13. The wing as recited in claim 12, wherein said chord axis is perpendicular to said wing axis.

14. An aerocar comprising: a dual channel wing with an outboard channel that extends spanwise from an inboard channel, wherein said outboard channel is defined about an outboard axis and said inboard channel is defined about an inboard axis; an outboard propulsor along said outboard axis; and an inboard propulsor along said inboard axis.

15. The aerocar as recited in claim 14, wherein said outboard propulsor is axially forward of said inboard propulsor.

16. The aerocar as recited in claim 15, further comprising an aileron in said outboard channel aft of said outboard propulsor.

17. The aerocar as recited in claim 14, wherein said outboard channel swings about a chord axis such that said outboard channel stows atop said inboard channel and said wing swings about a wing axis such that said wing is foldable between a roadable mode and a deployed flight mode.

18. A method of stowing and deploying a wing comprising: swinging an outboard channel about a chord axis such that the outboard channel stows atop an inboard channel; and swinging the wing about a wing axis such that the wing is foldable between a stowed roadable mode and a deployed flight mode.

19. The method as recited in claim 18, further comprising locating an outboard propulsor within the outboard channel axially forward of the inboard propulsor within the inboard channel.

20. The method as recited in claim 18, wherein the chord axis is perpendicular to the wing axis.

大学との共同研究、委託研究契約、寄付金とオーバーヘッド

大学に企業が研究を委託する場合、委託研究、共同研究が通常の形態になります。

昔は委任経理金になる寄付金が認められていて、先生個人と契約して、例えば、50万円の寄付をする代わりに発明が出れば特許は全部会社に譲渡する、というような契約が普通に行われていました。

つまり、年間50万円の寄付金でその研究室で大学教授がした発明を企業は全部もらえていたわけです。この委任経理金はほとんどがそっくりそのまま大学の研究室に入っていたと思います。5%程度は引かれていたかも知れませんが。

ところが、2004年の国立大学の法人化により、このような寄付金制度はなくなり、契約は教授ではなく、全て大学側が契約するようになりました。そして、文部科学省の指導により、寄付金については大学側に一切の義務を課せなくなりました。

寄付金は純粋な寄付金であり、何の義務も生じないことになったわけです。もちろん、発明(特許)を無償譲渡する契約はできなくなりました。そして寄付金から5%のオーバーヘッドを取るようになったようです。

すると、大学には一切の義務がないので、将来特許出願を共同にしたり、譲り受ける保証がなくなりますから、寄付金で企業が教授に研究を委託して出て来た発明の譲渡を受けることは確実ではなくなります。寄付金だけもらって何もしなくても、大学教授は何の義務も負っていないのでそれでも契約上問題ないわけです。すると企業としても、そういう契約に基づく寄付金は出す理由がなくなり、徐々に減っていきました。もちろん、最初の関係作りが目的、という場合には使えると思いますが。

大学や大学教授などの教員に、特許や発表に関して何らかの義務を負わせるには、共同研究契約、または委託研究契約をする必要があります。その場合、大学側がその20%とか30%とかをオーバーヘッドとして取るのが一般的です。

これは日本だけでなく海外の大学でも概ね30%位取られるので仕方ありません。

私が大学院大学の教授をしていた頃、よく聞いたのは、共同研究契約だとオーバーヘッドが30%、委託研究だとオーバーヘッドが10%という条件です。

知財の取扱としては、共同研究では、出てきた特許発明は共同出願が前提ですが、委託研究では発明は基本的には大学が特許出願人になります。

例えば、3000万円の共同研究費を出した場合、900万円は大学側に入り、教授の研究には2100万円しか使えないわけです。

企業にしてみれば、大きな額ですから、何とかオーバーヘッドを少なくしたいでしょうが、大学の規定ですので、どうにもなりません。共同研究、委託研究の規定に従い支払う以外には共同研究や委託研究をして出た成果の譲渡を受けることはできません。試薬費の伝票を付け替えたり、試薬、消耗品の現物を会社に発注して大学に納品したりして、あんぐらでやる場合もあるかも知れませんが、その場合は特許が確実にその会社に行くかは不透明です。

また、委託研究の場合は、特許は原則として大学に帰属する、というのが文部科学省の契約書ひな形にあったのですが、柔軟な大学は受託研究でも発明の特許を受ける権利については企業に譲渡することができる、という一文を入れる場合もあり、その場合は委託研究でも特許出願する権利を企業が全部もらうことも可能です。

オーバーヘッドを少なくしたい場合は、このような特約をつけて委託研究をするのも一つのやり方でしょう。ただし、「特許を受ける権利を企業に譲渡できる」という契約ですから、強制力はなく、大学側が譲渡しない、ということも大学の任意なわけで、それだけリスクがある契約とも言えます。

研究員の中には、大学の教授に向かって失礼な態度を取る会社の研究員もいたりします。実際に実力も教授よりもあったりする場合もあります。若い研究員なら、1日中研究に没頭し、最新の論文をほとんど読んでいますから、教授よりも知識も実験技術も上の場合も十分あり得ます。すると、自然に教授をバカにした態度を取るようになったり、教授に早くこのデータを出してくれ、と要求するようになることもあり得ます。

そうした場合に、企業の研究員と大学教員との間が険悪になったりすると、委託研究の成果の特許発明をその企業には譲渡せず、大学が全部承継して、出願し、最悪、ライバル企業にライセンスや譲渡する、という信じられない仕打ちを受ける可能性もないとは言えません。

国立大学法人になる前は、共同研究、委託研究のオーバーヘッドは10%位だったのではないかと思います。大学が独立行政法人になり、運営費交付金が毎年1%づつ減らされるようになり、大学教員の給与の昇給が遅くなったり、いろいろなところで経費削減されました。

1%と言っても、数百億円の交付金があれば数億円が減るわけで、大学側にとってはかなり痛いです。それが5年間続きましたから、5%が削減されたわけです。東大、京大レベルだと、900億、600億程度ですから、それぞれ、45億、30億円もの予算が減らされたことになります。30億円といえば、300人以上の人件費に相当します。

それを各大学が自分で稼いで補償するには、特許譲渡やライセンス料で稼ぐか、ベンチャー企業を興して株式公開(IPO)で稼ぐか、共同研究や委託研究のオーバーヘッドで稼ぐしかありません。

そのため、共同研究のオーバーヘッドが30%と高率になったのだと思います。

大企業にとっては、1000万円位研究費が余分にかかっても何とかなりますが、中小企業の場合、2000万円と3000万円では大きな差になりますから、中小企業には多少の割引をしてもいい気もしますが、それは大学の裁量でしょう。

そのため、上述のように、本来は共同研究(オーバーヘッド30%)にすべきところを委託研究(オーバーヘッド10%)にして、知財については契約で特約を付ける、というやり方もあります。それにより、より多くを研究費の方に回すことが可能になります。

とはいえ、これはあくまでも制度の悪用みたいなもので、本来であれば、企業としては、オーバーヘッドを最初から見越して予算化するしかないと思います。

大学に委託するか、民間の試験機関に委託するか、オーバーヘッドを考えると、民間機関の方が安くて早くて正確、という場合もあるかも知れません。

だとすれば、企業としても大学だけではなく、民間の試験研究機関も依頼する対象として考えてもよいように思います。

一番安価な方法としては、若い研究者を受託研究員として送り込んで、大学のテーマで、会社の方向性と合う研究をやる、という手もあります。そうすれば、受託研究員費の50万程度で1年間大学の研究室で研究でき、教授の指導も受けることができます。

そして、中には、受託研究員の研究試薬費や消耗品代の伝票を会社の方で支払う、というところもあります。少し裏ワザ的なやり方ですが、この方法によれば、大学の研究費を使ってやるのではなく、会社の経費で研究するのと実質同じなので、50万円程度で大学の設備を使って会社の研究をしても大学の研究費が減って大学の研究に支障がでるおそれもありません。また、その企業が希望する研究テーマで研究することも可能です。

とはいえ、社員1人を受託研究員として大学に派遣すれば年間1000万円程度の人件費等がかかるので、結局その位は必要で、大学に何かを依頼するにはそれなりの出費を覚悟する必要があります。

そうとしても、委託研究費3000万円位で申請のデータが揃うのであれば、自社で全部やるよりは安いはずなので、そのあたりは、どこに依頼すれば最もコストパフォーマンスがよいか、の問題になると思われます。

大平国際特許事務所では大学、企業の共同研究契約、受託契約に関するご相談も承っております。海外との英語による交渉や、英文ライセンス契約書の作成も行っております。以下からお気軽にご相談下さい。

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iPod関連特許で日本人発明家斎藤憲彦氏がアップルに勝訴

iPodの円形の操作盤の特許(クリックホイールの特許)で、日本人の発明家斎藤憲彦氏がアップル社に100億円の賠償を求めた訴訟で、最高裁第2小法廷(小貫芳信裁判長)は9日付で、米アップル日本法人と発明家斎藤憲彦さん(58)側の双方の上告を退ける決定をした。

これにより、2審の知財高裁の判決が確定し、約3億3千万円の賠償金支払いが斎藤憲彦氏にされることになる。

第1審の記事はこちら

アップル社に日本人発明家が特許侵害訴訟で勝訴

同記事関係で週刊誌FLASHに掲載された記事はこちら

アップル特許侵害訴訟に対するコメントがFLASHに掲載されました

3億3千万円の損賠賠償額とはいえ、斎藤氏に全額が入るわけではなく、訴訟費用も高額だ。申立費用が地裁で約1600万円、控訴審で2403万円、上告では3204万円もかかる。これら全てを斎藤氏側が申し立てた場合は、裁判印紙代だけで全部で7000万を超える。

さらに弁護士費用が100億円の訴訟の場合、標準着手金では約2億、成功報酬が4億になる。成功報酬は3,3億円に減額されているので、4億満額ではないと思われるが、着手金と成功報酬で1億円は下らないと思われる。

あるいは、アメリカのように成功報酬制弁護士に依頼したとすれば、勝訴額の半額の1億6千5百万円が弁護士に支払われることも考えられる。アメリカの場合は印紙代が訴額に拘わらず120ドルと非常に安いので、費用は弁護士費用がほとんどであるが。なぜ、日本の裁判の印紙代がこんなに高いのは非常に不思議である。

ともかく、いずれの計算方法でも斎藤憲彦氏には、3.3億円の半額以下しか残らない可能性がある。

この双方の上告、というのは記事によってまちまちで、アップルのみが上告した、という記事も存在する。アップルのみが上告した場合は、3204万円の申立費用が不要になるので、その分斎藤氏の取り分も増えることになる。

また、斎藤氏はさらに今後の特許使用料も得られるだろうから、さらに多くの収入が得られる可能性もある。

斎藤氏の特許は以下であるから、あと約3年間存続する。2006年登録から2015年の9月までの損害賠償額が3億3千万円なので、3年間だと1億程度の損害賠償額と推定される。

出願番号 特許出願平10-012010
公開番号 特許公開平11-194872
審判番号 不服2005-020649
特願2005-133824
特許-3852854(早)(2006.9.1登録査定)
接触操作型入力装置およびその電子部品

日本人の個人発明家が世界のトップ企業であるアップル社を特許侵害で訴え、最高裁判所まで争い勝訴した、というのはおそらく史上初ではないかと思われる。Dr中松こと中松義郎氏はIBMからフロッピーディスク特許で巨額のライセンス料をもらったという話もあるが、訴訟をして勝ったわけではない。

そういう意味では日本人の個人発明家もいい発明をして特許侵害訴訟を起こして億を超える特許収入を得ることも十分可能であることを証明したとも言える。

今後は日本でも成功報酬制弁護士が増えて、こうした特許侵害訴訟が増えると面白いかも知れない。そうなれば、日本の裁判所も儲かりすぎて裁判の印紙代を引き下げると予想される。裁判所が黒字で巨額の利益を出したとすれば国民の批判を浴びるだろうから。

 

カナダでの第二医薬用途クレームの特許出願

カナダに特許出願(国内移行手続き)して、医薬用途クレームの特許を取得したい場合、いわゆるスイス型の医薬の製造のための使用、というクレームと、病気を治療するために使用する医薬、という現在の欧州の医薬クレームが可能です。が、もう1つのクレーム形式が許されます。

それは、Use of X to treat disease Y というクレームです。つまり、疾患Yを治療するための医薬Xの使用、というクレームです。

これは見方によっては治療方法のようにも見えますが、カナダでは許可される形式です。

もちろん、カナダでも医療方法の特許はnon-statutory subject matter(法律上の特許の主題ではない)として拒絶されます。しかしながら、上記のように実質的に治療方法ではないか?というようなクレーム形式が許されます。

各国毎にクレーム形式の考え方は様々のようです。

例えば、欧州では、医薬用途クレームが可能になり、スイスタイプのクレームが禁止されましたが、中国ではいまだにスイスタイプでないと医薬用途クレームは認められません。まぁ、これは過渡期、ということだろうと思います。

とはいえ、各国で微妙にクレームの形式が違うので、各国の実務に合せてクレームを微修正する必要があり、そのために、予め明細書にカナダ用や中国用のクレームも含ませておくとよいでしょう。

大平国際特許事務所でもそのような各国実務に対応できるよう、国際特許出願(PCT出願)の可能性がある場合には、米国用クレーム、欧州用クレーム、中国用クレーム、韓国用クレーム(食品)等を明細書の中に記載するようにしています。そうすることでスムーズに各国で最適な権利が取得できます。