特許出願明細書の用語の定義

特許出願明細書で使う用語は、意味が明確で疑いようがないものは別として、権利範囲に重要な影響を持つものは定義しておいた方がよい。特に特許請求の範囲に出て来る用語については、少しでも解釈に違いがある場合は定義しておくべきだ。でなければ、権利範囲が不明確になる。

例えば、「植物」という言葉を使う場合、「本明細書において、植物とは、被子植物、裸子植物、単子葉植物、双子葉植物、シダ植物、酵母、カビ、菌類、地衣類も含む概念である。」と書いておけば、酵母やカビも含むことが明確だが、植物だけだと、酵母は入らない、という解釈も可能になってしまう。

リパーゼ判決によれば、基本的には特許請求の範囲の記載によって権利範囲を定め、「特許請求の範囲の記載の技術的意義が一義的に明確に理解することができないとか,あるいは一見してその記載が誤記であることが明細書の発明の詳細な説明の記載に照らして明らかであるなどの特段の事情がある場合に限って,明細書の発明の詳細な説明の記載を参酌することが許されるにすぎない。」とされている。

つまり、特許請求の範囲の記載が明確であれば、明細書の詳細な説明の記載は参酌しないということだ。

とはいえ、上述のように、植物に酵母が入るかどうかは通常は一義的に明確には理解できないから特許出願明細書に定義を入れておくのがよいと思われる。