特許出願明細書の用語の定義

特許出願明細書で使う用語は、意味が明確で疑いようがないものは別として、権利範囲に重要な影響を持つものは定義しておいた方がよい。特に特許請求の範囲に出て来る用語については、少しでも解釈に違いがある場合は定義しておくべきだ。でなければ、権利範囲が不明確になる。

例えば、「植物」という言葉を使う場合、「本明細書において、植物とは、被子植物、裸子植物、単子葉植物、双子葉植物、シダ植物、酵母、カビ、菌類、地衣類も含む概念である。」と書いておけば、酵母やカビも含むことが明確だが、植物だけだと、酵母は入らない、という解釈も可能になってしまう。

リパーゼ判決によれば、基本的には特許請求の範囲の記載によって権利範囲を定め、「特許請求の範囲の記載の技術的意義が一義的に明確に理解することができないとか,あるいは一見してその記載が誤記であることが明細書の発明の詳細な説明の記載に照らして明らかであるなどの特段の事情がある場合に限って,明細書の発明の詳細な説明の記載を参酌することが許されるにすぎない。」とされている。

つまり、特許請求の範囲の記載が明確であれば、明細書の詳細な説明の記載は参酌しないということだ。

とはいえ、上述のように、植物に酵母が入るかどうかは通常は一義的に明確には理解できないから特許出願明細書に定義を入れておくのがよいと思われる。

 

 

 

外国特許出願戦略

マーケットが国際化していることから、最近では中国への特許出願の依頼も増えてきている。

国際特許出願をして権利化するとなると、各国に国内移行させるために、翻訳し、審査請求し、必要により出願維持年金を支払い、オフィスアクションにも対応していると、欧米では1か国の特許出願あたり、100万円~200万円かかるのが普通である。

製薬企業のように1つの製品で1000億円以上の売上があるような場合は、50か国から100か国位に特許出願することもある。

しかし、そこまでの売上の無い商品の場合は必要な国だけに出願する場合もある。

その場合の出願国の選択が問題になる。

どの国に特許出願するかの基準としては、その国にマーケットがあるかどうか、その国で製造するかどうか、がある。

市場があれば、販売するので特許を取得していないとマネされて模倣品が出て来る。製造する場合は、やはり、特許を取得していないと他社がマネして製造するおそれがある。だからこれらの国に特許出願する必要がある。

一般にはまずは市場があるかどうかで、優先すべきは市場がある国に出願すべきと思われる。もちろん、ビジネスモデルによっては製造国を優先する必要がある場合はありうるが。

知的財産(商標権と肖像権等)で1秒で1億稼ぐ矢沢永吉

矢沢永吉さんはロックミュージシャンとして知らない人はいないと思うが、10年位前にオーストラリアで35億円という途方もない横領被害にあった。

しかしながら、それにめげずに、頑張って6年位で借金を完済した。

そして最近では都内に15億円の豪邸を建設中という。

彼に言わせると、どんなにすごい大学を出て、どんなにすごい仕事をしていても、永ちゃんの2秒の稼ぎに過ぎないそうだ。

つまり矢沢永吉は1秒で1億稼ぐということだ。

それも、著作権と肖像権等知的財産ビジネスで。

日本経済が不況という時代に、とんでもないバブルな話である。

製造業の中小企業が赤字で苦しんでいるというのに、ロックミュージシャンは1秒で1億稼ぎだしている。

ある意味、それが知的財産の無限の可能性とも言えるのではないだろうか?

知恵を使えば無限に稼げるはず。

特許出願とライセンス

米国ベンチャーとライセンス契約の合意をしたことがあったが、そのときは、ライセンスする特許がまだ出願されていなかった。

研究結果としては、遺伝子は取れていたが、十分characterizeされてなくて、まだ候補遺伝子の段階だった。かなり当たりである確率はあり、仮に当たりでなくても使い道のある遺伝子ではあったが・・・

それでも米国ベンチャーはその遺伝子を欲しがり、ライセンス契約をした。それにより日本企業からは考えられない位のライセンス収入を得た。

このように、まだ特許出願していなくても、それらしい研究成果があれば、それを担保にライセンス契約をすることもできるし、特許出願と同時にライセンス契約を締結することもできる。

この時のライセンス契約は非常にラッキーだったとしか言いようがないほどいい条件だった。相手先ベンチャー企業もどんどん伸びている状態だった。

日本では欲しがる企業が全くない遺伝子でも世界を見れば欲しがる企業もある。特に遺伝子組換え植物に関する特許は日本企業は撤退したところが多いが、海外の企業はどんどん進めているので、遺伝子組換え植物の特許は海外に売り込むのがよいと思う。

 

 

知財戦略とマーケティング戦略

知財部をプロフィットセンターにするためには、単に特許出願をするだけでなく、全社戦略と知財戦略を整合させる必要があります。

しかしながら、企画部の中には部外者が企画会議に参加するのを嫌がる場合もあります。

そういう場合は、企画段階から参画を求められる部署に対して積極的に知財戦略を提案していけばよいと思います。

それによって成功事例が出てくれば社内でも共有されるでしょうから、とりあえず協力可能な部署で実績を積めばよいと思います。

私が考える知財戦略の究極はマーケティング戦略と知財戦略の融合です。

マーケティング戦略は全社に関係しますから、マーケティング部はいわば全社のハブのような役割を果たしている場合もあります。そことうまく連携できれば知財戦略と全社戦略がうまく連動するように思います。

私独自のマーケティング戦略と知財戦略の融合のポイントというのがあるのですが、それについてはコンサルティングを希望される企業様にお話することにしています。

特許出願戦略と知財部のプロフィットセンター化

知財部(特許部)をコストセンターからプロフィットセンターにしたい、というのは、私が10年以上前に聞いた言葉である。

昔の知財部はいわばおじ捨て山とか、ラストリゾート、タコ部屋等と言われ、どこも行くところが無くなった人が行かされたり、一度入ったら二度と他の部署に変われない、等と言われていたものだ。

私が弁理士になって特許部に入ったときも、「特許部を希望して入ってきたのは君が最初だ」と言われた。つまり、みんな嫌々知財部に来ていた、というわけだ。

確かに知財部は研究所や工場から出てきた発明を言われるままに特許出願すれば一応役割を果たしていると言える。そして、研究者の持ってきた発明を特許事務所に投げて特許出願してもらえばよく、何か問題が起これば特許事務所の責任にしてその事務所を切れば済む、といえなくもないのでそれほど大きな責任も持たずに済む。

しかしながら、最近の知財ブームで若手の優秀な社員が知財部に配属されるようになり、最初から知財部を志望する人も増えてきている。世間の注目も浴びるようになっているので、知財部の社内的な地位も上がって来ている。

とすれば、従来のようなおじ捨て山的な仕事のやり方ではなく、攻める知財、ということも必要になるのではなかろうか?

従来は、訴訟に持ち込まず、和解で解決するのが成功とされていた。しかし海外では和解よりも訴訟をした方が明確になっていい場合もある。和解ばかりしていると足元を見られかねない。

知財を持っているのに、訴訟をせず、権利行使をしないというのは、武器の持ち腐れと言えよう。知財の侵害に対して断固たる態度を取ることで知財部のプレゼンスも高まり、プロフィットセンターとしての役割も果たせるようになるのではないかと思う。

特許出願明細書の記載の統一

文章を書く場合、どうしてもその人の癖や好みというのがあるので、その人独特のリズムやテイストが入るように思う。だから、2人の違う人が同じ明細書をチェックすると指摘する箇所が違ってくることが一般的だ。そういう場合、どちらの言うことを聞けばいいのか迷うことになる。

だからチェックを依頼するなら一番信頼できる人に依頼するのがよい。

また、同じ人が最初から最後まで書いたとしても、特許出願明細書の最初と最後の方で用語が不統一になることがある。特に、翻訳をする場合には同じ人が全部を訳したとしても用語の不統一が起こりやすい。

そういう場合は訳した本人でないと不統一に気づかない場合もあるので、本人がチェックするのがよい。

しかし、それ以外の日本語上の不統一については、それ専用のチェッカー(校正担当)に見てもらうのがよいと思う。自分で何度見ても気づかなかったスペルミス等に気づくこともあるからだ。

クライアントが細かい人でちゃんとチェックしてくれる場合は助かるが、そこまでやるクライアントの研究者はあまり多くないような印象がある。だから、弁理士が特許出願明細書を書く段階で完全な形にする必要がある。

 

 

 

特許出願関係の助成金

特許出願、外国特許出願、特許調査等に関して助成金を出している自治体は多い。

神奈川県でも横浜市、川崎市、海老名市、鎌倉市等が助成金を出している。

そのあたりのまとめが弁理士会のホームページで見られます。

多くの場合は、その市に本社がある等が条件です。

横浜市の場合は、横浜知財みらい企業に選定されている必要があります。

外国出願の助成金は横浜、川崎は年1回ですが、東京都は年2回募集するようです。

外国出願の場合、300万円が限度で、150万円が補助されます。それ以上になると上限が150万円になるということです。

特許出願、外国出願、特許調査等の助成金にご興味のある方はこちらをご覧ください。

特許出願等助成金情報

特許出願明細書の図面

特許出願をしたことのある人にとっては当たり前のことだが、初めて特許出願や実用新案登録出願をする場合、図面をカラーで書いて来たり、符号をA, B, C・・・等で書いてくる人がいる。

日本の特許出願の図面は、基本白黒2値で、写真の場合はグレースケールも可能である。この点、韓国等はカラー図面も可能だが、日本はそれができないので、多くの線があるグラフ等を修正するのに手間がかかったりもするし、バイオテクノロジーの出願でカラー写真を提出したい場合は上申書で添付することもある。

また、符号については、A, B, Cで書いてある出願もあるが、通常は数字の連番で指定するのが普通である。

しかしながら、こうしたことは弁理士や知財部員にとっては当たり前であっても、中小企業や個人で初めての出願では意外にカラー図面を送って来たり符号が番号でないことも多い。

それに加えて、特許出願明細書の図面は、電子出願端末で提出する際に、元の3分の1の大きさに縮小されてしまう。だから、最初にそれを考慮して大き目の図にしておく必要がある。

この点も初めて出願する場合は注意が必要だ。

これらは一度出願すれば簡単にわかることだが、初めて出願する場合は知らなくて当然である。そういう手間も含めて弁理士に依頼する意味があるとも言える。

特許出願戦略コンサルティング

特許出願戦略が重要、というのはほとんどの経営者がわかっていると思われます。

しかしながら、具体的にどうやって戦略を立案するか?となると、必ずしも具体的なアイデアが浮かぶとは限りません。

自分で特許戦略を立案できる位実力のある知財部であれば問題ありませんが、自社の知財戦略が正しいか、十分確信が持てないのであれば、弁理士の知財戦略コンサルティングを受けてみてはいかがでしょうか?

知財ポートフォリオ、事業戦略にマッチした特許壁が築けているか?今後の海外展開も考慮した知財戦略となっているか?等について専門家の意見を聴くことができます。

それにより、より有効に知財部予算を活用することができます。知的財産も会社の経営資源の1つですから、それをどう取得、活用するかが会社の業績を大きく変える可能性があります。