農学分野の特許出願が得意な弁理士、特許事務所

農学部は非常にバラエティに富んだ学部で、物理、化学、生物学、分子生物学から、経済学(農業経済)、機械(農業機械)、獣医、トラクターの運転(農業生物学科の一部)まで、非常に幅広い研究をしています。

ですから、農学部からも優れた特許出願が出ることがあります。

私が奈良先端科学技術大学院大学でライセンスした特許のうち、最高額の稼ぎ頭は農学部出身の先生が発明した植物の代謝制御に関する発明でした。

そういう意味で、農学部の発明は実用性が高いとも言えます。

私は東京大学農学部の農芸化学科を卒業し、応用微生物研究所第2研究部(微生物の遺伝・育種。今は分子細胞生物学研究所)という研究室に入りました。そこで、大腸菌と放線菌の遺伝子工学を研究したのち、大手洋酒・飲料メーカーに入社しました。

会社に入って1年後に、農林水産省農業生物資源研究所の村井紀元室長の研究室に留学し、植物の遺伝子操作(Tiプラスミドによる遺伝子導入)の研究をして、その後、BT毒素遺伝子をタバコ、イネに導入する研究を行いました。

この際、イネだけでなく、HeLa細胞にも導入して動物と植物の遺伝子発現の比較を行い、動物の論文もフォローしたことから、微生物、植物、動物の全ての分野をマスターしました。

その後会社に戻り植物工学研究室で植物バイオの研究をした後、再度東大の植物病理学研究室に派遣され、そこで植物ウイルスの塩基配列に基づく分類の研究をして博士号を取得しました。

会社に戻ってしばらく青いカーネーション関係の仕事をした後、今後は奈良先端科学技術大学院大学に派遣され、NEDOの主任研究員として植物新エネルギーの研究を行いました。私はダイズの油を遺伝子工学で改変するための基礎研究を行いました。

その間に弁理士試験に合格したので、会社の特許部に異動し、その後、奈良先端大が知的財産本部を作るというので、また奈良先端大に派遣され、今度は特任教授として、バイオ分野の知財の発明発掘とライセンス活動を行いました。

ここでは、バイオサイエンスの最先端の発明を特許出願していました。iPS細胞で有名な山中伸弥教授の発明の特許出願も担当したことがあります。

山中教授以外にも東大や京大出身で学士院賞を取ったりするような優れた研究者が多数おられ、バイオサイエンスの最先端の知識を身につけるには非常にいい環境でした。

こうしたバックグラウンドを持っているので、私は農学部関係の特許出願は非常に得意としております。農学部、薬学部、理学部、工学部等の生物化学系の特許出願は研究開発歴20年以上の経験を持つ大平国際特許事務所に依頼されることをお勧めいたします。ライセンス活動も可能です。海外ライセンスの実績もございます。

アイデア(ノウハウ)があれば特許出願しなくても価値を生み出せる?

中小企業が特許で儲けるというと、すぐにライセンスや特許譲渡を思いつく場合が多いようです。

しかし、何も特許出願していなくても、会社のノウハウをライセンスする、というやり方があります。

何か価値のある製品の製造方法ノウハウであれば、特許出願をしていなくてもノウハウライセンスでお金を払ってもらうことができます。

ただ、ノウハウライセンスは実態が無いだけに、お金を払う理由がつけにくいという面はあります。担当者が上司に説明する場合に、そのノウハウを使えばどれだけコスト削減できる、とか、製品の値段をどれだけ上げられる、等を明確に説明できる場合ならいいですが、そういうケースは必ずしも多くはないと思われます。

そういう意味でいえば、やはり、ライセンスする場合には、特許とノウハウの組み合わせでライセンスするのがよいです。

そうすれば、技術指導という名目でもお金が取れる場合もあります。

それに特許権の存続期間が満了しても、ノウハウは消滅しないので、理論的にはノウハウライセンスは無期限で契約可能です。

そういう意味で、ノウハウを主体にライセンスすることを想定しているとしても、それに関連する特許出願はしておいた方がライセンス交渉がスムーズに進むと思われます。

現場訪問と特許出願明細書

私が企業に勤めていた頃、自分の担当する特許出願については、できるだけ研究所等の開発現場に行って現物を見るようにしていた。

というのも、メインが洋酒と飲料の会社だったので、実際に見て色や香りを感じて初めて本当に理解できる発明も多いからだ。ビール、ワイン、ウイスキー等では味もわかればさらに深く発明を理解できる場合もある。それが明細書の記載の正確さにつながることもある。

機械装置の発明の場合は理論だけでもある程度何とかなる(明細書を書ける)が、それでも直接その装置を見て、問題点と解決策を考えた方がよりよい権利が取れると思われる。

そういう意味でも大平国際特許事務所では極力クライアント企業を訪問して現物を見せてもらうように心掛けている。

それによって、よりよい明細書が書け、拒絶理由が来ても対抗できるような明細書を作れる。

そういう意味で、特許出願明細書を書く前にできるだけ現場を見るのは有効と信じている。

もちろん、非常に遠い場合は、近所の大学等に同じ装置があれば近くで見せてもらうケースもありうるが、事情が許せば、沖縄だろうが、北海道だろうが、訪問したいと思っている。もちろん、海外にも。

米国 他社からの特許取得件数ランキング

パテント・リザルト社が米国で他社から特許取得した会社のランキングを発表しています。この特許に特許出願が含まれているかどうかは不明ですが、おそらく出願も含まれていると思われます。

それによると、特許(出願)の名義変更数の1位はGoogleで、3489件だそうです。この中には買収したモトローラ社の特許は含まれていないので、今後まだ増えるようです。

4月時点でのGoogle名義の特許件数は6478件ですから、半数以上を他社から調達しているようです。これほどの数の特許を入手しているということは、IT業界にとっても特許戦争が起こっていることを意味しているように思います。

一番多いのはIBMからで、全体の約7割に相当する2357件を取得しています。分野は、、検索システム、メッセージングサービス、データベース処理に関する技術等のようです。

日本でも特許を買いあさっているインテレクチュアル・ベンチャーズは3位で、主に、携帯、半導体、映像関連技術に関する特許を取得しています。

6位にはフェイスブックがランクインしてるそうで、最近上場したばかりですが、特許戦略も強化しているようです。世界大手のIT企業が1位と6位に入っているということは、今後、IT分野でも特許が重要になる可能性を感じさせます。

米国は遵法意識が高く、私が以前アメリカの大学にヒアリングした際もアメリカの研究者は契約をちゃんと読み、守る、というのを聞いて、日本とはずいぶん違うな、と感じたものでした。日本では研究者の先生は契約書を読まないのが普通ですから。

この点で日本の態度はかなり危険です。英米法では、日本のように、契約には書いてないけど、実際には保証するから、等と言っても通用しないという面があります。

パロール・エビデンス・ルール(口頭証拠原則)というもので、英文契約書では契約書に書いてあることが全てで、契約前か同時に口頭で言ったことによって契約内容と異なる主張をすることはできません。

そういう意味で、アメリカの方が契約重視で、逆に言えば書いてないことは守る必要はないわけです。

とはいえ、IT技術の特許は日本でも膨大な量がありますから、Googleや、Facebookも知らずに侵害している特許がある可能性はかなりあると思います。アメリカは訴訟社会だから、弁護士がそれをビジネスにしないわけがありません。

そういうこともあって、GoogleやFacebookが特許を多数購入しているのではないかと私は考えています。

2011年の特許出願件数は横ばい 特許行政年次報告書

2012年版の特許行政年次報告書を特許庁が発表した。それによると、2011年の特許出願件数は、34万2610件となり、前年比で0.6%減ったが、ほぼ横ばいと言える。

国際特許出願は3万7974件で、20.5%増で、企業が出願件数を絞り、グローバル展開の方に力を入れていることがわかる。

昔の高度成長期のように数で勝負するというよりも、出願を厳選して、重要な特許出願を海外にも出願するという量より質の時代に入ったと言えよう。

その分、弁理士に要求される水準も高くなり、国際的に通用する明細書を書くようにする必要がある。

大平国際特許事務所では、バイオテクノロジーが得意なので、昔から非常に分厚い特許をフォローしており、海外でどのような権利が成立するかも検討している。

なので、日本出願から海外での権利化を考慮してアメリカや欧州で日本よりも広い権利が取れるよう明細書を書くように心掛けている。

特許出願と商標登録出願の対象の拡大

現在、日本の商標法では、動く商標や、音、香りの商標は登録が認められていませんが、今後これらについても認められる可能性が出てきたようです。

特許庁がTPP参加の前提としてこうした商標も登録の対象にする商標法改正をする可能性が出てきました。

海外では、インテルの音や、20世紀フォックスの動く商標が登録されているそうです。

日本でも、音や香り、手触り感等が商標登録の対象になる可能性があります。

こうした商標が登録されるとすると、特許出願で保護される発明と商標登録の両方で保護される場合が出て来るのではないかと思われます。

例えば、手触り感について、新しい材質の発明について商標登録できれば、商標権は永久に更新できるので、特許のように20年間で権利が消滅するということがありません。

ワインやウイスキー、日本酒も香りで商標登録できるとなると、開発した新製品そのものが商標登録で保護される可能性が出てきます。

すると、従来は製造方法や組成で特許出願することで保護してきた飲料が、今後は香りによる商標登録出願で保護されるようになるかも知れません。

香りの場合、ガスクロマトグラフィーを使えばどういう香り物質が出ているかは分析できるので、それによって商標登録の香りと、侵害品の香りの類比を判断できる可能性は十分あります。が、何をもって類似と判断するかの判断基準は微妙な場合も出てきそうな気がします。

どのような制度設計になるか、興味深いものがあります。特許庁は来年の法案提出を目指しているようです。

特許出願と発明・発見・アイデア発想法

特許出願をするためには、課題の発見と課題解決手段の発明が必要になります。

課題の発見は、問題を見つけることなので、普段から何か困ったことはないか?と探していれば随所に問題点が見つかると思われます。

しかし、問題が見つかっても、その時の科学技術のレベルでは解決できないこともあります。例えば、電子顕微鏡が無ければウイルスを見ることはできないわけですが、野口英世は光学顕微鏡で黄熱病を研究し、黄熱病ウイルスを見つけられず、黄熱病にかかって亡くなってしまいました。

そういう意味では、課題が見つかってもそれを解決できる手段がまだ無ければ解決手段が見つかりません。その場合は、発明によって解決ができないので特許出願もできないわけです。

しかし、問題によっては、既存の発明やアイデアを組み合わせるだけで解決できる場合があり得ます。例えば、たわしの発明とか、洗濯機の糸くず取りの発明です。

こうしたアイデアがどうやって出て来るかについて研究しているフェイスブックページがあります。発明・発見・アイデア発想法にご興味のある方は是非こちらをご覧になり、フェイスブックをやられている方は、「いいね!」を押していただけるととても喜びます。

発明・発見・アイデア研究会

特許出願件数で中国が米国を抜いて1位

特許出願件数は、長い間日本がトップでしたが、最近は日本の特許出願数が落ち込み、米国、韓国、中国は増加しています。

特に中国の増加はすさまじく、昨年は52万件の特許出願がされ、世界一となりました。

2015年には80万件程度を目指すようです。

かつては、日本が米国の基本特許の利用特許を大量に出願し、本家の基本特許だけではビジネスができない状況を作り出していましたが、今後は中国が数でそのような状況を作り出さないか、心配です。

基本技術の特許を持っていても、その特許の範囲にかぶせて、その発明の利用発明の特許を第三者に取得されたら、基本特許の権利者であっても、その利用発明については実施許諾を受けるか、譲渡を受けない限り実施できません。

そういう意味で、特許出願件数は力とも言えます。

中国が日本の特許出願件数の2倍もの数を出願するとすれば、相当な脅威になると思われます。

特許、商標出願と講師養成ビジネス

最近インストラクター(講師)を養成する協会が多数できていて、何かの講師の資格を与え、その代りにコンテンツの使用料を取る、というビジネスモデルがある。

ビーズ、押し花、コーチ、コンサル、セラピスト、アロマ、ヨガ、宝地図(ドリーム・マップ)、など形のない無形の知識、ノウハウを教えるビジネスである。

これは昔流に言えば、家元制度のようなもので、お茶やお花の師範とか、免許皆伝等に相当するのだろう。剣道や柔術の師範などもこれに分類されるかも知れない。

こうした講師養成ビジネスはうまく行けば、非常に利益率の高い商売になる。ビーズや押し花のような誰でもできるジャンルがうまく行くらしい。裾野が広いジャンルで生徒候補が多く、広まりやすいからだ。

講師養成講座は通常、数十万円になることが多い。これは、普通にセミナーを聞くだけだと、1万~3万円程度の内容でも、同じセミナーを開催して教える資格まで与えると、値段が10倍位に跳ね上がるからだ。

つまり、そのコンテンツを使用してセミナーをしてお金を取っていい、というシステムなので、お金を稼ぐ方法を提供するという意味もあるので、10倍でも、10人集客できれば、元は取れることになる。もっとも、通常は売上の一定割合(%)を協会に上納する形になっていることも多い。

私の知っている範囲でも20万円~55万円までの講師養成講座を聞いたことがある。

そういう講師養成ビジネスの場合、コンテンツの使用料としてライセンス料を取るが、それはいわばノウハウ使用料なので、知的財産の価値がわかっている人にとってはコンテンツに対してお金を払うのは当然だが、そうでない人にとっては少し抵抗がある場合もある。

そういう場合に、その認定コーチが商標を使用できるライセンスを与える、という形にすればよくあるライセンス契約の一形態なので何も抵抗がない。コンテンツをライセンスするというのは聞いたことが無くても、商標をライセンスしてお金を払うのは当たり前なので、すんなり支払ってくれるだろう。

そういう意味で、家元ビジネスをやる人は商標登録出願を検討するのがよい、というか、商標登録は必須と言っても過言ではない。

特許出願もできればそれに越したことはない。例えば、それに付随するアプリケーション(フェイスブックアプリ、スマホアプリ等)を作り、そのプログラムについて特許出願するなども考えられる。

協会の個別ブランド名も、できれば独占できるに越したことはないので、いいネーミングができれば、商標登録するのがよいと思われる。協会の大きな名前に加えて、サブとなるネーミングも商標登録する、ということだ。

特許出願と製品マーケティング戦略

企業では、通常、新製品発売前までに特許出願(実用新案登録出願)、意匠登録出願(関連意匠含む)、商標登録出願をしてからプレス発表する。

そのため、新製品のプレス発表の通知が知財部に送られて来るのが遅れると大変なことになる。

1週間前になって、この日にプレス発表するので、関連意匠を全部取ってくれ、と言われたりする。

そうすると、類似する関連意匠をいろいろ考えて、弁理士に依頼して意匠登録出願するのに、夜遅くまで残業することになる。

それで首尾よくその製品が売れたらいいが、外れてしまったら、最短2カ月位で、終売になることもある。

当然、意匠登録出願は無駄になる。

特許出願でも同じようなことはしょっちゅうである。

そうかと思えば、これは売れないだろう、と思って商標登録出願をしなかったら、予想に反して定番商品になって、何十年も売れ続けている商品もある。そうなると、他社が類似の商標を使っているのでもう商標登録はできない状態になっている。

つまり、商品はマーケットに出してみないと売れるかどうかはわからない、というのがマーケティングの専門家の究極の理論である。マーケットのことはマーケットに聞け、というわけだ。

しかし、どう見ても売れる、という製品が稀にある。単にマーケティングが悪いだけで、知られれば確実に需要がある、というようなものはまず売れると考えてよい。

そういう製品のマーケティングはとてもやりやすいし、特許や実用新案を出願する意味も大きい。

弁理士としても、これは、売れそう、と思う発明に出会うと張り切っていい明細書を書こうと思う。そういう発明に出会うとこの仕事をやっていてよかったなぁ、と思う。