特許出願から最初のアクションまで3年以内に 特許庁

今朝の日経新聞の1面に、特許審査待ち期間短く という見出しで、認定3年以内、という記事が出ていた。

従来は、申請を受けてから審査に着手するまでに25.9カ月かかっていたらしい。約2~3年してから拒絶理由通知か、登録査定が来るので私の体感上からもそんなものだろうと思う。

それを11か月に縮めるという。ということは、出願から1年以内に審査に着手する、ということになる。しかしながら、最初の出願から1年以内に国内優先権を主張して特許出願する場合がある。すると、それまでにした審査が無駄にはならないのだろうか?

多くの場合は、国内優先権主張出願ではそれほど大幅にデータを追加することはなく、ほぼそのままで国内優先権主張出願をする場合も多い。その場合は最初の出願から11か月目に審査に着手してもよいが、追加部分については再度調査が必要になるので二度手間になる恐れもあるだろう。

それを考えれば、国内優先権主張出願も考慮して、13か月以内に審査着手というのが私は妥当ではないかと思う。

とはいえ、記事をよく読むと、現状特許申請から登録査定か、拒絶理由通知までに35.3カ月かかっていて、長いものでは4~5年後に最初の拒絶理由通知が来る場合もある。これを最長で3年以内に最初の拒絶理由通知か登録査定を出すことを特許庁は目指すという。

そして審査のための文献調査は外部委託して、特許庁はその調査結果を見て出願人に拒絶理由通知を出すことになるようだ。

この分業は効率はよいが、外部調査機関の能力が低ければ本来見つけなければならない文献を見つけられず、無効理由のある特許が多く生まれるおそれもある。

また、人によってはそんなに早く黒白をつけずに、特許になるかどうか、わからない段階で早いところライセンスしたい、という人もいるだろう。その場合は、今回の制度は迷惑な話になるかも知れない。なので、審査を遅らせてもらうことを申請できるようにすればその需要もあるかも知れない。

特に大学特許のように広い権利が成立するかどうかわからない場合、比較的高額のライセンス料を交渉次第で取れる可能性もあるが、もし、早期に白黒がはっきりし、特許請求の範囲が狭くて使えない、ということが明確になれば企業もライセンスを受けなかったり、ライセンス料をたたかれるおそれもある。

そういう意味から言えば、審査を早くすることを全ての特許出願人が望んでいるわけではないことは理解しておいた方がよいと思う。