謹賀新年と何でも特許登録にできる自信

新年明けましておめでとうございます。
旧年中はお世話になりました。
本年もよろしくお願い申し上げます。

一昨年、ある特許出願について非常に難しいと思われる拒絶理由を克服して何とか特許査定にしたら、その後付与後異議申立が来ました。あるヒット商品に直接関わる特許ですから予想されたことではありますが。

異議申立書は、おそらく同一の会社が出したと思われるものが何件も出されて、ページ数も50ページを超えるものもあり、かなり気合いの入った異議申立でした。同一の会社が書いたと思われるのは、記載のフォーマットが同一だったからと、引用文献が一部共通していたためです。

しかも、業界の内部事情にも非常に詳しいので、明らかに同業者としか思えませんでした。まぁ、複数の異議申立でメインの引用文献が1つを除いてライバル会社のものだったので、どこの会社かは大体想像がつきましたが。その1つもメインの引用文献ではないですが、3番目位に引用していたので、それも同じ会社でしょう。

異議申立を何件も角度を変えて出すことで、審判官に無視されることを避けられるのかも知れないな、と感じました。1件だけだと、あっさり登録維持の判断をされそうな気もしますから。その分、こちらも読むのが大変でした。

異議申立は、拒絶理由のように応答期間の延長ができませんから、取消理由通知が来てからでは対応がギリギリの時間しかありません。しかも内容は拒絶理由より高度で緻密ですから、反論もそれに応じて十分な検討時間を取るのが好ましいです。

そういう意味で、異議申立書が来たら、すぐに全体を読んで、反論を考えておくのがよいと思われます。もし、全ての異議事由が取消理由に採用されなくても、将来の無効審判や無効の抗弁に対抗するために使えますから。

異議申立書は、普通の拒絶理由通知よりも、その分野に長く(おそらく何十年も)関わってきたプロ中のプロの専門家が詳細に議論しているので、拒絶理由よりもずっと深く、高度で的確です。ですからこちらもそれに応じた高度な反論が必要になります。

そういう意味からいえば、異議申立の取消理由通知への反論の期間はもっと長くするべきだし、延長の必要性は、拒絶理由通知の応答期間よりも大きいと思います。

今回の異議申立書の引用文献は20年以上前のものが中心で、おそらくその時期にこの異議申立書の原案を書いた担当者がこの発明について集中的に研究をしていたのでは?と思います。

この案件をやったことで、拒絶理由対応も、異議申立の対応も、非常に難しい案件に対応できる能力が飛躍的に上がった気がします。

これ以外にも、非常に難しいと思えた拒絶理由を解消して特許にできることが、日本国内だけでなく、海外の案件でも続いたので、どんな拒絶理由や異議申立理由が来ても反論して特許にできる自信がつきました。(ただし明らかにズバリの引例がある場合は無理と思いますが)。

この異議申立案件はまだ結論が出てなくて、取消の予告登録がされる可能性もあり得ます。仮に異議申立をクリアしても、おそらく無効審判で争ってくる可能性もあり、長い闘いになる可能性もあります。

今年は海外への移行手続きも多くなりそうで、ますます忙しくなりそうですが、これまでに蓄積したノウハウを駆使して難しい出願もどんどん特許にしてクライアント様の事業を守り、発明者や知財部員の皆様にも喜んで頂くつもりです。この特許出願依頼のブログもできるだけ更新して行く予定です。

本年もよろしくお願い申し上げます。

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特許取得が非常に難しい特許出願 えっ?あれが特許になったの?

特許出願をする際に、クライアント様からできる限り広く書くようにという指示があり、ぎりぎりまで広い特許請求の範囲を書くことがあります。大学の教授などの一部にそうした依頼が多い印象があります。

そういう場合は、請求項を広く書いてありますから、先行文献がたくさんひっかかることが多く、最初の拒絶理由通知で相当減縮補正する必要が出てきます。

しかし、その減縮補正がもともと想定内の範囲で補正し、それがそのまま登録される場合もあります。

そういうときは、特許出願明細書を書いた私自身驚くことがあります。「えっ、あれで特許になるの?」という感じです。もっと狭くなることを覚悟していたら、意外にあっさり特許になったりします。

あるいは、これは取れたらおかしい、という請求項でも通る場合もあります。これには審査官、審判官が深く理解していないために起こるケースもあり得ます。

また、以前も書きましたが、新規性喪失の例外手続きをミスしていて、自分の論文で拒絶理由が来た場合に、その論文を精査して微妙な違いを指摘して特許にしたこともあります。これは図面の説明文の最後の方にわずかに違いが書いてあったのを見つけて反論したらあっさり特許になりました。

どうしてこんな記載をしたのだろう?と不思議な感じがしましたが、研究者の中には自分の成果をできるだけ隠そうとする人もいて、本当のところがわからないように隠して特許出願をしていたのかも知れません。そのような場合は、自分の論文が公知になっていても特許にできる場合があり得ます。

そのときは、ある中堅程度の特許事務所に勤務していたのですが、上司の責任者(所長の次に偉い弁理士)も、「こんなの特許にできるわけないから頑張らなくていい、相手が悪いんだから」と言っていたのですが、特許査定になったら、「へぇ~、あれが特許になったんだ」と驚いていたことがあります。このときはすぐに(応答から2ヶ月位で)特許査定が来ました。

それとは対照的に、健康食品の特許出願で非常にやっかいな拒絶理由を何度も何度も出され、審査官とケンカのような議論をして5、6回補正をして通したことがあります。このときも、その研究所の知財の担当者が驚いてました。

この案件は、出願を担当した有名事務所が代理人を辞任して、どうしようもなくなって私の方に依頼してきた案件だったのでまさか特許になるとは思っていなかったのでしょう。

そうやって何度も面接して長い苦労をして特許を通すのも通った後の喜びが大きいのですが、非常に難しいと思っていた拒絶理由をあっさり解消して特許査定にできるのもとても気分がいいものです。

そういう意味では、こんなに広い権利は無理だろう、と思ってもやはり請求項に書き込んでおくのがよいと思います。最終的には最初の想定の範囲内の狭い権利しか成立しなくても、予想外に広い権利が取れる場合もあるからです。

そうしたチャレンジングな特許出願が大平国際特許事務所では得意です。これは非常に難しいけど何とか特許にしたい、という特許出願の依頼もお待ちしております。

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弁理士を指名して特許出願を依頼すべき

特許申請(特許出願)を弁理士に依頼する場合、特許事務所だけ決めて、どの弁理士に依頼するかは事務所に任せる会社や人も多いと思います。

しかしながら、大手の事務所ですと腕のいい弁理士は既に大手のクライアントがついていて忙しく、あまり経験のない新人弁理士は仕事が少なく暇なことが多いです。

すると、弁理士を指定せずに特許事務所に特許出願を依頼すると、1,2年前に弁理士になった人が担当になったりします。そういう弁理士は経験が不十分ですから、いい明細書が書けない場合もあり得ます。場合によっては、知財部員の方から基本的なこと(判例など)を教えてあげる必要があったりします。

ですから、特許事務所に特許出願や特許調査、拒絶理由対応、拒絶査定不服審判、無効審判対応、訴訟等を依頼する場合は、弁理士名を指定して依頼すべきです。弁理士によって全然レベルが違いますから。

私も昔、大学からある大手事務所に出願を依頼したところ、基本的なことを知らない弁理士に当たり、ほとんどこちらが教えるような形になってしまったことがありました。大手だからと弁理士を指定しなかったために、1年前に入って、あまり明細書を書いた経験のない弁理士が担当して苦労しました。

会社員時代にも、数百人いる特許事務所に依頼したとき、特許庁の元審判官の方が明細書を担当されたのですが、あまり明細書を書いたことがなく、審判が得意な方だったようで、明細書としてはあまり素晴らしいものではありませんでした。

弁理士の役割としては、明細書は、研究者の科学技術を法律的な権利に翻訳することだと私は思っています。ですから、科学技術の知識、法律知識の両方を熟知して、しかも、最新の国内外の判例を熟知して作成する必要があります。場合によっては、将来の法改正の方向性まで予測する必要があります。

しかしながら、弁理士の能力には個人差があり、それができる弁理士もいればできない弁理士もいます。

ですので、特許事務所に仕事を依頼される場合は弁理士名を指定して依頼するのがよいと思います。

ただ、弁理士を指定するといっても、弁理士の腕がわからないと指定のしようがありません。そのような場合は、いくつかの特許事務所に依頼してみて、一番いいと思った弁理士に依頼するのがよいです。

個人の方の場合は、そんなに大量に特許申請しないでしょうから、その弁理士の経歴、得意分野、博士号を持っているか、大学の教授等をやっているか(いたか)、政府の委員をやっているか(いたか)、委員会活動をやっているか(いたか)などを総合的にみて信頼できると思える弁理士を選べばよいと思います。

ただ、弁理士も他に仕事がないというわけではなく、常に数件から数十件の案件を並行して処理していて、あなたの案件だけをやっているわけではありません。他の会社や研究所、個人などの緊急な案件とか、期限が間近な案件などを常に抱えています。

ときには、その会社の重要な商品(例えば、売上数百億円など)に絡む特許権の無効審判や異議申立事件、あるいは侵害訴訟事件に関わっている場合もあり得ます。

そうしますと、必ずしも、すぐに返事が来ない場合もあり得ますから、スピードが速いからいい弁理士とも限りません。むしろ暇な弁理士かも知れません。

そういう意味では、単に一番対応が早かった弁理士を選ぶのではなく、様々な視点で弁理士を比較して、一番自社に向いていると思われる弁理士を選ぶことをお勧めします。

また、分野毎に依頼する弁理士を変えるのは当たり前です。例えば、地方にはバイオテクノロジーをあまり知らない弁理士がバイオの出願をしていたりします。そういう場合は遠くても、都会の弁理士事務所に依頼することをお勧めします。今は電話、メール、インターネットだけでも十分いい明細書を作成することが可能ですから。

当所も一度も会ったことのない方が鹿児島県から北陸地方あたりまでいます(なぜか当所は東北地方や北海道のお客様はおられません)が、問題なく出願し、権利化もできています。

ただ、ものすごく重要な案件は、できれば、直接会って議論する方が好ましい場合はあり得ます。その場合は、必要に応じて出張可能ですので、その旨ご連絡いただければ、と思います。

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拒絶理由(取消理由)への意見書の長さは短く簡潔な方がよい?

特許出願し、審査請求すると通常は拒絶理由が来ます。あるいは、特許が登録された後に異議申立がされた場合に、取消理由通知が来ることがあります。拒絶査定不服審判でも拒絶理由が出ることもあります。無効審判でも無効理由が通知されます。

そのような場合に、通常は意見書で反論します。意見書のみで反論することもあれば、必要に応じて、請求項(特許請求の範囲、クレーム)の補正(訂正)をすることもあります。補正の期間については法定期間ですから絶対に守る必要があります。意見書は必ずしもそうではありません。指定期間を過ぎても読んでくれる場合もあります。が、確実ではないので、やはり期限内に提出するのが安全です。

さて、この意見書の書き方ですが、短いのがよいか、長いのがよいか?というのは人によって意見が異なると思われます。

一般的には、報告書、提案書等の社内文書等は短かく完結にまとめるのがよい、などと言われます。ポイントを短くまとめて、箇条書きにして、できれば図表などでわかりやすくまとめてA4で1枚にまとめるのが理想、という考え方もあります。これは社内ではある程度用語の意味が決まっていて、省略しても暗黙の了解があるからでもあります。

また、文章はピラミッド構造で書けばわかりやすいなどと言われます。こちらは、法律的な文章であろうと、社内文書であろうとピラミッド型で書くのがいいのは異論はないと思われます(特殊なケースではあえてピラミッド構造を崩して主張する場合もあるかも知れませんが)。

では、法律的な文章でも社内文書と同じことが言えるでしょうか?短く簡潔にまとめるべきでしょうか?

例えば、A4で1枚にまとめた反論と、10枚の反論ではどちらが勝つと思われますか?

あるいは、ディベートで、たった1つの主張を短く言うだけであとは黙っているのと、ずーっとしゃべりっぱなしで理由(主張の根拠)を10も20も出すのとどちらが勝つでしょう?

一般には、しゃべり続ける方が勝つと思います。たった一つの主張が非常に的を得ていて、正しいものだとしても、相手がその10倍、20倍の反論をして来たら負けることの方が多いと思います。

そういう意味で、私は、意見書は長くなってもあらゆる反論を書くべき、と考えています。そして、審査の意見書よりも審判請求書の理由の方がより長いです。これはどこの事務所もそういう傾向にあると思われます。それはそれだけ多くの項目に対して厳密な議論が必要だからです。

また、審判では基本的に弁論主義ですから、こちらが主張しない事情まで審判官が勝手に推測して都合よく事実を解釈してくれることはありません。ですから、言うべきことはきちんと主張する必要があります。例えば、社内では常識だから書かなくていいだろう、と判断して書いてなくて、審判官が社内事情を知らない場合、その記載は無いのと同じことになり、そこで書いた主張は認められません。

そういう意味でも、省略して書くことは危険です。業界常識や社内常識を知らない人が読んでも誤解せず、本来の意味を正しく理解するように記載する必要があります。これはわかっているだろう、たぶんこういう意味に解釈してくれるだろう、などと主張を省略するのは危険です。

さらに、事実だけを書けば、審判官が意味を理解してくれる、ということはありません。事実しか書いてなければそれは主張ではないので、審判官としては、それは事実ですね。ではこの事実からどういう主張をされたいのかが書いてないので、この事実は意味が無いですね。で終わってしまいます。つまり、事実と主張をきちんと分けて書く必要があります。

大平国際特許事務所も上記のような方針で多くの難しい拒絶理由を解消し、特許を取得してきました。中には、なんで、これが特許になるんだ?というようなものも多数含まれています。

ですから、私は意見書で争う場合は、できる限りしっかり書く、文章が長くなっても誤解の無いように厳密に書くのがよいと思っています。特に、拒絶査定不服審判や、異議申立(取消理由通知)、無効審判での請求の理由や、意見書は徹底的に書いた方が勝ちやすいと考えています。

もっとも、面接をして結論が既に出ている場合は簡潔な意見書でいいと思います。審査官、審判官との面接で議論したことを簡潔にまとめて書けばいいだけです。

しかしながら、面接では結論が出なかった場合や、主張する論理や証拠が決定的とまでは言えず、弱いと思われる場合には、主な理由を1つだけ述べるのはリスクがあります。審査官、審判官が誤解することもあり得ますし、こちらが気づいていない問題点があるおそれもあります。

さらには、審査官毎にしっくり来る理由が違うような気もしないではありません。皆それぞれバックグラウンドが違うので、どの理由がピンと来るか微妙に違うのではないかと思います(結論に与える影響は同じだとしても)。

ですから、主な主張(理由)が、もし採用されなかったとしても、2番目、3番目の理由で補強して反論しておくべき、と考えます。弱い理由をたくさん並べて、全体として合わせ技で議論に勝つ、というような感じです。

私自身は、弱い理由を並べるのはあまり好きではなく、一刀両断的な鋭い理由1つで完璧に論破できれば理想的だと思っています。妖刀村正のような切れ味の主張で、完璧に論破できればとても気持ちがいいものです。しかし、発明の内容や、先行文献、拒絶理由の組合せによっては、いつもそれができるとは限りません。

どうしても決定的な論理が見つからず、弱い理由を主張せざるを得ないケースもあり得ます。そのような場合に、弱い理由を1つだけ提出しても通常勝ち目はありません。そのような場合は数で勝負となります。

ですから、意見書は一律短く簡潔に書くべき、というのではなく、その反論の強さ、面接審査の有無と結論が出たかどうか、審査官、審判官の性格など様々な要素を考慮して必要な場合は長く書く方が有効な場合もあると思われます。

このあたりは、弁理士の経験と勘で判断するところだと思います。大平国際特許事務所では、研究者歴20年以上、弁理士歴15年以上の科学者としても、法律職としてもベテランの弁理士が対応しますので、どんなに難しい拒絶理由が来ても対応可能です。お気軽にご相談下さい。

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ただし、非常に単純な発明でズバリ同じか非常に近い先行技術があった場合は難しいこともあります。その場合はその旨ご回答いたします。ご了承ください。

特許出願戦略コンサルティング

特許出願をする目的はいろいろです。

研究者が報告してきて、出願予算もあるからとりあえず出願する、という受動的な出願もあれば、年度末で予算が余っているから予算消化のために数を出願する、というもの、あるいは、非常に難しいけど、事業を守るために何とかしたいから特許化は難しくても出願する、という特許出願などです。

最後の、特許を取るのは非常に難しいけど、製品を出しているので、何とか参入障壁を作りたい、というのは、知財部や弁理士の知恵の見せ所だと思います。重要で複雑な案件の場合、知財部員と弁理士が戦略会議を数時間~1日かけてすることもあります。

専門家が集まって会議をすることで、切り口を工夫することで、とても特許にならない、と思っていた発明が意外に新規性、進歩性を満たす発明になったりすることもありえます。

特許庁審査官のように、これはこの論文に実質書かれている、審査基準にこう書いてあるから特許にならない、これはあの判例があるから取れない、と評論家のようなことを言うのは簡単です。

しかし、それらは絶対に回避できない場合はむしろ少ないと思います。

さらに、先行技術を見つけてきて、出願を諦めさせるのを趣味にしているような知財部員も昔は見たことがあります。例えば、化学式で検索して、発明者が出してきたアイデアを却下する、というのが得意な知財部員もいました。「また、1件潰してやった」と得意そうに言っていました。

確かに、研究者の中には、出願実績が欲しいために、先行技術調査をしていないのに、したと言ってウソの発明届出書を出して出願しようとする研究者もいるので、先行技術調査をして、ズバリの先行技術がある出願は諦めさせるのは知財部員の仕事ではあります。

しかし、企業の場合、難しいのはわかっているが、製品を発売しているので、どんなに可能性が低くても何とか特許等で保護したい、というケースはあるものです。

あるいは、発明のポイントを隠して権利化したい、という希望を持っている研究者もかなりおられます。その場合に、全てのポイントを隠すことは非常に難しいですが、一部のポイントを隠すことでライバル他社が簡単にマネするのを防止することは可能です。

ただし、発明のポイントを隠して出願する場合は、様々なリスクがありますので、出願するのであれば、完全に実施できるように開示し、隠したいのであれば、ノウハウとして秘匿し、一部のみを出願するオープン・クローズ戦略を検討すべきです。

そのように、高度な特許出願戦略を練る必要がある場合は、事業部、研究者(発明者、開発者)、知財部員(特許部員)、営業部員、法務部員等を集めてブレインストーミングして、どうすれば特許になるか、どういう形で権利化するかの知恵を絞るのがよいです。

ただ、それでもいい知恵が出ない場合もあるかも知れません。あるいは、もっといいやり方がある場合もあります。知恵をもっとブラッシュアップできる場合もありえます。

そういう時は、専門家の弁理士に特許出願戦略コンサルティングを受けられることをお勧めします。コンサルティングには、知財部員、発明者等の会議に参加して意見を言うことも含みます。

特許出願の戦略は事業戦略と一体になって初めて機能します。事業を成功させるための事業戦略がまずあり、その事業戦略を知財でどう守って行くか?が重要になります。

まず、その根本からはじめて、事業を守り、他社の参入を防止するためには、どういう権利があればよいか、を考えます。つまり、理想的な権利を考えてみます。事業によっては複数の権利が必要なケースもあり得ます。

次に、現状の先行技術調査から特許化できる請求項を考えます。ぎりぎりまで広く権利化できる請求項や、先行技術とぎりぎりひっかからず、しかも、発明を完全に守れる請求項を書くことも可能です。ここは弁理士がもっとも得意とするところであり、弁理士の腕により権利の幅や強さが変わるところです。

普通に考えたら無理、というような場合でも、どうしても特許化したい、というのであれば、普通の弁理士では権利化は無理、と断言するところでも、腕のいい弁理士であれば何とかして知恵を絞って特許を取れる方法を考え出せることもあります。

日本では普通やらない出願でも、アメリカでは有効であれば、アメリカで有効な特許出願戦略を立てます。日本よりも米国の方が市場が大きいので、日本で取れなくても、海外で有効な権利を取得した方が有利な場合もあります。

特許出願戦略は国によっても違います。各国の制度に精通した弁理士に出願戦略を相談するのがお勧めです。当事務所でも日米欧中だけでなく、東南アジアなどへの出願も取り扱っております。

特許出願戦略コンサルティングのご希望は以下からお気軽にご相談下さい。

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特許事務所(弁理士)の入れ替え制度

企業知財部の中には、毎年依頼する特許事務所に点数を付けて、その点数によってランク分けし、高いランクの事務所にはより高額の手数料を支払い多くの重要な仕事を出し、低いランクの事務所には安い手数料を支払い重要でない仕事を担当させ、一番低いランクの事務所は依頼を中止し、別の特許事務所をお試しで入れる、というやり方をしているところもあります。

これにより、レベルの低い特許事務所には依頼しないようになり、よりレベルの高い特許事務所に依頼することで、知財部の仕事のレベルも上がると考えられます。

また、それにより、知財部の弁理士を評価する基準がレベルアップし、よりよい明細書を書く特許事務所に依頼することで知財部の地位も向上すると思われます。

特許事務所も弁理士の入れ替わりの激しいところもあり、優秀な弁理士が担当していたのが、その弁理士が他所の特許事務所に移って、他の弁理士が担当するようになると途端にレベルが下がる、ということが起きる場合もあります。また、大きい事務所だと弁理士間の実力の差が大きく、当たり外れがある、という問題もあり得ます。

特許事務所では、スーパーバイザーみたいな管理職がいて、全部の出願を管理していればいいのですが、必ずしも全てのそうなっているわけではありません。

むしろ、グループリーダーのような人が一応チェックして、それで出願のゴーサインを出す場合も多いです。

さらに、弁理士に完全に任されていて、チェックは形式のみ、という事務所もあります。その場合は、誤字脱字程度は修正されますが、明細書の内容は他の弁理士はノーチェックで特許庁に提出されることになります。

そのような場合に、その弁理士が非常に優秀であれば何の問題もありませんが、そうでない場合は、的外れな明細書になっていたり、間違いを含んでいる場合に無いわけではありません。もちろん、企業知財部員など、クライアント様がしっかりチェックしていれば問題は起きにくいですが、企業知財部員などが丸投げのつもりであまりしっかりチェックしない場合は、せっかく出願したのに、記載ミスで特許が取れない場合もあり得ます。

もう一つの問題は、拒絶理由対応にもかなり腕の差がある、ということです。

ある弁理士が担当すれば特許になりますが、他の弁理士が担当すれば、拒絶される、ということはよくあります。

また、ある弁理士だけ、非常に難しいジャンルの出願でもスイスイ通してしまう、という不思議な技を持つ弁理士もいたりします。

以前、食品の用途特許を取るのが非常に難しい時代に、ある女性弁理士が拒絶理由に応答すると、不思議と特許になる、という話を聞いたことがあります。今は食品の用途特許が取れるようになったので問題ないですが、当時は食品の用途特許を通すのは至難の業でしたから、こういう弁理士に食品企業が依頼すれば、普通では取れない特許が取れて莫大な利益を生んだ可能性があります。

つまり、弁理士は、特許出願明細書のレベルと、拒絶理由通知への対応のレベルの2つの指標でレベルを計測し、依頼する特許事務所や弁理士を選択することをお勧めいたします。それ以外にも、訴訟に強いとか、知財戦略に強いとか、中国、東南アジアに強いなど、「クライアント様のニーズに応じて評価基準を作られて特許事務所を選択することをお勧めします。

大平国際特許事務所ではどちらも最高レベルである自信があります。お気軽にご相談下さい。

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長い拒絶理由通知への応答

最近、長い拒絶理由通知を受けることが増えてきた気がします。日本では、引用文献も4~5件程度が多かったのが、最近では7~8件位のが増えた印象です。さらに技術水準を示す文献が5件位付いている場合もあります。

これは、研究者の数が増え、科学雑誌も細分化して種類が増え、論文が多くなったことも一因でしょう。一説には1年間に出る情報量が、その1年前より以前の有史以来の情報全てを合わせたものよりも多くなっているとも言われます。それほどの情報量が毎年新たに発生しているわけですから、拒絶理由の根拠が多くなるのも当然でしょう。

日本の拒絶理由通知で10ページ以上、米国の拒絶理由(オフィス・アクション、office action)では30ページ位のものもあります。引用文献の数も、通常は5~6程度ですが、8とか、10以上文献やホームページが引用されるケースもあります。項目数が20位あることもあります。

日本の拒絶理由通知は、日本の実務を熟知しているので、私にとっては長くても引用文献が多くても何も問題ありません。

問題は、海外の長い拒絶理由通知で、反復が多い拒絶理由通知です。例えば、5種類の中から任意の2種類を選んで使用するような発明の場合、組合せは5×4で20種類できます。審査官の中には、この20種類を網羅的に各組合せ毎に拒絶理由を打ってきたりします。もちろん、引用文献は構成に応じて組み合わせを微妙に変えています。

すると、項目数で20項目となり、引用文献もかなり重複しますが、項目ごとに微妙に変えてきて、何がポイントなのかよくわからず、なぜ、このような形で拒絶理由を打つのだろう?と考え込むときもあります。

それに、各組合せ毎に拒絶理由を打たれると、その組み合わせ毎に反論をする必要があり、各組合せ毎に、構成の容易性、効果の顕著性、商業的成功、long felt needsなどを検討する必要が生じ、非常に大変な作業になります。

もちろん、それらを一刀両断できるような要素がある発明であればいいのですが、非常に技術水準に近い発明の場合は、あらゆる組合せに先行技術があったりして、とても一発で特許になるような限定もできません。(追記:その後、このような非常に長いオフィス・アクションに応答したところ、一回の応答で特許になりそうです。拒絶理由が長いからと言って必ずしも特許にするのが難しいわけではない、と気づきました。)

そのような場合でも、発明者に聞くと、先行文献との違いがクリアになり、意外に簡単に特許になる場合もありました。

ただ、一番苦労するのが、特許査定率の低い審査官に当たって、しかも、審査官の言っていることが分かりにくい場合です。

アメリカの審査官は審査官毎に特許査定率が出ていて、平均より低い特許査定率の審査官に当たると拒絶される確率が通常よりも高くなります。

そういう審査官の拒絶理由はやはり、あまりクリアではなく、頭が十分整理されていないような印象を受ける場合もあります。クリアカットであれば、完全に論理で真っ向から論破できるのですが、あいまいな議論で拒絶査定を出されるのが一番困ります。

そういう場合は、RCE(再審査請求)ではなく、アピール(審判)に持って行けば、審査官が変わるので、特許査定率が飛躍的に上がったりします。

実際、拒絶査定率が9割の審査官の場合に、アピールに持ち込み、審査官が変わるだけで、特許査定率80%に跳ね上がったりします。

アピールする場合は、最終拒絶理由通知(final office action)の応答期間内に、特許公判審判部(PTAB : Patent Trial and Appeal Board)に、審判請求書(notice of appeal)を提出し、審判請求料を支払う必要があります。以前は審判請求料は630ドルでしたが、料金改定で800ドルになりました。

審判請求中にもRCE(再審査請求)ができるので、アピールの中で補正が必要になれば、RCEをかけて、補正して、再度審判請求する、ということも可能です。その場合に最初の審査官がまた審査するかはわかりません。同じ審査官だと、RCEしても拒絶され、再度アピールするしかなくなる可能性もあり得ます。

特に米国の場合は、審査基準を正確に適用せず、ディベート的に自分の説に固執する審査官もいるようです。そういう場合は、RCEを繰り返しても特許にならない可能性が高いですから補正や継続出願で普通の審査官なら特許になるレベルにした上でアピールに持ち込むのがよいと思います。

日本でも、審査官毎に特許査定率を出してくれればいいのですが、日本では、拒絶査定が来たら一律審判一択しかないので、米国のように再審査を請求して同じ審査官が延々と審査する制度はありません。その意味では日本の方がいい制度とも言えます。

ただ、個人的には、日本でも再審査制度があれば、無駄な分割出願をしなくていいので、制度的にはあった方がよいと思います。ただ、その際、再審査では最初の審査官以外の審査官を希望すれば、別の審査官に担当してもらえる制度にできれば非常に使いやすい制度になる気がします。

審査官の人によるバラツキは欧州でも大きいそうです。無審査国のフランスの審査官や、特許出願の非常に少ない国(たとえばリトアニアなど)から欧州特許庁European Patent Office: EPO)に審査官が来るので、出身国によって審査官のレベルに大きな差があります。

逆に言えば、甘い審査官に当たることもあるので、特許になりやすい面もあります。実際、日米欧の三極に同じ特許を出願した場合、欧州が一番広い権利が取れるケースも多いです。

審査官によってかなり違いがあることを理解して、どのように反論すれば特許になるか?は審査官により違うと思われますので、どうしても特許にしたい案件は審査官と面接して、審査官の拒絶理由の本当の意味を十分理解した上で、反論するのがお勧めです。

大平国際特許事務所でも、難しい拒絶理由の場合は、審査官と面接することをお勧めする場合が多いです。そうすることにより1回の意見書、補正書で特許化できる場合が多いです。

格安、激安特許申請について

激安(格安)特許出願についてはかなり以前に記事を書いていたのですが、特許庁の料金も変更になっていますので、最新版に記事を改訂しました(2016年8月改訂)。

激安特許申請の費用は当所手数料7万円(消費税込では75600円)+特許庁出願印紙代14000円で合計89600円となります。

激安プランの場合、実施例と図面をお客様に書いていただきます。

実施例、図面の書き方はお教えします。実施例は簡単に言えば、大学の卒業論文や修士論文の実験と方法(materials and methods)、製品の仕様書、使用説明書みたいなもので、その発明品を作れ、使用できるように書けばよいです。図面はパワーポイントやイラストレータで作成するか、手書きの場合は、黒色インクで鮮明に書いて下さい。白黒図面しか日本特許庁では特許出願できませんのでカラーはグレースケールに変換して出願します。

それ以外の背景技術、特許請求の範囲、解決課題、解決手段等は当所で作成します。が、背景技術(緒言、イントロダクションともいう)については、発明者の方が良くご存知の場合も多いので、書いていただけると助かります。それにより、当所の発明の理解もより正確にできる場合があります。そうでない場合は、当所で短いイントロダクションを作成します。

激安特許申請プランは、実施例と図面をお客様に記載いただくことでコストを削減するプランです。基本的には資力の乏しい個人や数人規模の小企業の方に適しています。売上予想として、1000万円~1億円以下程度を想定しています。明細書の長さも基本、10ページ程度を想定しており、それを超える場合は、追加料金をいただく場合もございます(最初の発明相談のときに追加料金が発生しそうでしたら、その旨お伝えいたします)。

ですから、例えば、医薬品のように1つの製品で年間売上数百億円~数千億円となるような、極めて売上げ、利益の多い出願には不向きです。そのような巨額の売上、利益が見込める出願の場合は、プレミアム特許出願の方をお勧めいたします。こちらは、ページ数も数百ページ以上であっても対応可能です。

また、ネットから来られて初めて当所に依頼される場合は、中企業、大企業様でも初回お試し価格的な意味でこの値段での出願を1回のみ可能です。リピートで発注される場合は、標準料金とさせていただきます。

しかし、個人などの方で、実施例や図面を書くのが難しいお客様もおられます。その場合は、プラス3万円で実施例、図面を作成します。つまり、合計で10万円の手数料で特許出願が可能です。この場合も、消費税8千円、特許庁印紙代14000円がかかりますから、合計では12万2千円となります。新規のご依頼の場合は料金を前金でいただくことにしておりますので、予めご了承下さい。

この激安特許申請の場合は、全て電話、スカイプ、メールのやり取りなど、インターネット上で完結させることが条件です(FAXのやり取り含む)。直接お会いして面談したりコンサルティングは基本的に含まれません。

それでも、国内で特許や実用新案権、意匠権、商標権の取得、外国への出願も支障無く行えておりますので、ご安心下さい。当所のお客様は、鹿児島県、宮崎県など遠方のお客様がかなり多くいらっしゃいますが、直接お会いしたことがなくても、メールのやり取りのみで特許登録(商標登録も)されています。

また、明細書の書き直しは2回までとさせていただき、それ以上改訂が必要な場合は1回の改訂あたり3万円を申し受けます。従いまして、十分お考えのうえ、完成した発明についてご相談下さい。途中で何度も発明の方向性が変わる場合や、どんどん発明が追加されるようなはその都度追加料金をいただく場合もございますのでご了承下さい。

もし、特許になるかどうかが不安な場合は、先行技術調査も請け負っております。簡易調査は3万円、標準調査は10万円、技術動向調査は50万円~となっております(消費税別途)。

また、激安プランで出願後の手続きをご自身で行いたい、というご依頼は、想定しておりませんので、激安プランで出願後、以後の手続を当所に依頼せず、ご自身でその後の手続をされたい場合や他の事務所に移管される場合は移管手数料(100,000円、消費税別)を申し受けます。これはビジネスモデル上、激安プランの出願のみでは経営が成り立たないためです。何卒ご了承下さい。もちろん、当所がその後の手続きをする場合は移管手数料はかかりませんのでご安心下さい。また、当所にお任せいただければ極めて高度な中間処理ができますので、特許になる可能性も高く、お得です。

格安、激安で高品質な特許出願をしたい場合は当所にお気軽にご相談下さい。
TEL & FAX: 044-798-3393  e-mail: ohira@@ohira-patent.com (@マークを1つ消して送信して下さい)

最強、最高の特許事務所とは?

特許申請を依頼するための特許事務所の選び方は一般の人にはかなり難しいと思います。それには多くの理由があります。

まず、特許明細書の質が高いか低いかわかる人はそれほど多くありません。多くの人は特許明細書は日本語とは思えない、と感じていると思います。それに、専門技術分野が違うと、技術内容も理解できません。

自分で特許明細書を書いたことのある人であれば明細書を見ればその弁理士が優秀かどうかある程度はわかりますが、そうで無い人にとって、どの特許事務所の明細書がどういいのか、どう悪いのか、判断できないでしょう。また、分野によって弁理士の得意、不得意という問題もあります。

さらに、外国に出願した場合にだけ問題になる箇所というのもあります。例えば、米国では発明の所有者であることを示すためには、十分、属と種をしっかり書く必要があります。中国では、重複的な記載に見えてもきちんと書かなければなりません。そのような細かい部分は実際にその国に出願して拒絶理由を受けた経験がないとちょっと分かりません。

次に拒絶理由に対してしっかり反論できる弁理士かどうかは包袋(特許庁とのやり取りなどを全て記録したもの。昔袋で管理していたのでそう言われるが現在は電子ファイル。審査書類はJplatpatで見れます)を見なければわかりませんが、その書類の見つけ方を知っている人はそう多くないです。

さらに審判、訴訟に強いかどうかも見る必要があります。侵害訴訟では弁護士も含まれます。

海外出願については、海外の特許弁護士の能力も評価しなければなりません。

ということで最強の特許事務所を見つけるのはかなり難しいです。また、特許事務所には利益相反というものがあり、例えば、パナソニックの出願をしていたら、三菱電機の特許出願は担当できない、ということになっています。キリンビールの特許出願をしている特許事務所は、アサヒビールの特許出願はやれないと言えばもっとわかりやすいでしょうか?

そういう意味で、最強の特許事務所が見つかったとしても既に同業者の出願を担当していたら利益相反になるので依頼しても断られることになります。

そういう意味で特許事務所の選び方がわかって、いい弁理士を見つけても必ずその人に担当してもらえるわけでもありません。エース弁理士は既に、大企業で重要な出願を担当しており、単価も高い可能性もあります。

そういう意味では大平国際特許事務所所長の大平は東京大学卒業、博士号取得、企業で経営戦略、マーケティング戦略、知財戦略をマスターし、大学教授も務め、研究開発歴が長く、特許実務歴も15年以上で最高水準のサービスを提供しています。初回半額キャンペーンもやっているので依頼してみても損は無いと思われます。

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味の素が韓国企業シージェイチェイルジェダン社らを特許権侵害で提訴

味の素は8月2日、うま味調味料「味の素」の主成分でもあるグルタミン酸ナトリウムの製造方法に関する特許を巡り韓国のシージェイチェイルジェダン社とその関連企業3社に対して特許侵害訴訟を起こしたと発表しました。

シージェイチェイルジェダン社とは、Wikipediaによると、以下の会社のようです。

CJグループ(シージェイグループ)の企業で、会長は李在賢(イ・ジェヒョン)。
1953年にサムスングループ初の製造業として제일제당(チェイルジェダン、漢字表記:第一製糖)工業株式会社を設立。表記の通り製糖業をはじめとする食品工業では韓国でもトップクラスに入るが、1993年にサムスングループと分離。アメリカの映画会社ドリームワークスSKGへの出資を手がかりにエンタテインメント事業へも進出し、映画製作、映画館経営、ケーブルテレビ放送向け番組制作および配給、インターネットサービスなども手がける。

ホームページによると、CJバイオ事業部門は、世界トップクラスの発酵技術で生産するMSG、核酸等の食品添加物や、L-リジン等の飼料添加物を国内外に提供しているそうです。この事業ドメインは完全に味の素と競合しますね。

味の素としては、ドイツのデュッセルドルフ地方裁判所と東京地裁で1日(現地時間)、提起したそうです。

製造方法の特許権侵害は、工場内で行われるため、通常発見することが難しいのですが、味の素がどうやって侵害を発見したのか、証拠を集めたのか、興味深いものがあります。

特許訴訟の場合、ディスカバリーや3倍賠償のあるアメリカで訴訟を起こすのが有利だと思うのですが、今回、味の素は日本とドイツで訴訟を提起したそうで、この訴訟戦略もどういう意味があるか、不明です。

侵害の発見、立証の目処が十分立っているのかも知れません。このあたりの証拠が不足している場合は、米国で提訴すれば、ディスカバリーで証拠を集められるので、侵害の立証が容易になります。今回はその必要がない位立証できる証拠が揃っているのかも知れません。

訴訟を提起する国の選択としては、まず日本とドイツだけ訴えておいて、相手が徹底的に争うようなら、米国等でも訴訟をする戦略なのか、あるいは、米国では特許が成立しなかったのか、いろいろな原因が考えられます。

いずれにしても、訴訟を好まない、日本企業が特許訴訟をしかけるのは看過できない相当な被害が出ているのではないかと推測します。日本の食品企業の代表である味の素社には、ぜひ勝訴して欲しいと思います。