商標マフィアとピコ太郎のPPAP(ペンパイナッポーアッポーペン)

ピコ太郎のPPAP(ペンパイナッポーアッポーペン)が、ピコ太郎やエイベックスとは全く関係のない、ベストライセンス社によって商標出願され、話題になっています。1月26日放送の『とくダネ!』(フジテレビ系)でベストライセンス社の上田育弘氏の取材が放映されたそうです。

ベストライセンス社の代表の上田育弘氏は元弁理士で、ベストライセンス社と上田育弘氏の両方名前で出願人として年間合計約1万5千件の商標を出願しています。

2016年度の公開商標公報件数
1位  ベストライセンス 12474件
2位  上田育弘      2654件
3位  サンリオ       830件
4位  資生堂        591件
5位  花王         442件

商標を多数出願することで有名な花王さんの30倍以上もの商標出願をしています。

通常商標を1件出願する場合、3400+8600×区分数 の出願料がかかります。すると、1万5千件を出願した場合、全て1区分でも、15000×12000=1億8千万円の出願料金がかかります。

いくら上田氏が潤沢な資金を持っていても簡単に支払える額ではありません。

ところが、上田氏は特許庁の実務を逆手に取って出願料を支払わないで2カ月以上出願を維持し、その間に使いそうな会社に警告状を送って和解金を取ろうとしているものと思われます。これは一昨年もやっていて昨年もやっているので、おそらくこれで少しは成果が上がっているものと思われます。もし、成果もないのに続けているとすれば、特許庁や社会への嫌がらせかも知れません。

つまり、実体のない商標を大量に出願し、使用する可能性のある会社に高額で売りつけたりしていたのではないかと考えられます。これはまさに特許マフィアならぬ、商標マフィア、商標トロール(商標海賊)です。

このような行為により利益を得る人が出てくると、せっかくネーミングを有名にしても商標出願していなかったばっかりに、不当に不利益を被る人が出てくるおそれがあります。

しかしながら、法律はそんなに不公平なことは認めません。著名商標については以下の規定が商標法にはあります。

商標法第4条第1項第19号
他人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似の商標であつて、不正の目的(不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をいう。以下同じ。)をもつて使用をするもの(前各号に掲げるものを除く。)

これは、著名な商標を高額で買い取らせるような不正の目的で商標出願した場合には、登録しない、という規定です。

ですから、自社が使っている商標が著名または周知であれば、登録されませんから警告状が来ても放置しておけばよいと思われます。他にも周知商標は登録できないという規定が4条1項10号にありますし、混同を引き起こす商標も登録されません(同15号)。

この位のことは上田育弘氏も元弁理士ですから知っているはずですが、それでもやっているのは、商標法のこの規定を知らない会社をターゲットにしているのではないかと思われます。

だとすれば、情報弱者の弱みに付け込んでお金を儲けようという残念な人ですね。

それ以前に、今回の『とくダネ!』の取材料金として1時間5万円をオファーしたというから、空いた口が塞がりません。金儲けのために悪知恵を絞っている印象です。

上田氏は、テレビや新聞などから選んだ言葉を、毎日特許庁へ出願しており、多い日には1日50件ほど出願することもあるそうです。1件の出願に書類作成、商品・区分選び、電子端末操作で、20分かかるとすると、17時間、10分で出願するとしても、9時間位出願作業にかかる計算です。

上田育弘氏は、これまでに「PPAP」の他に「ゲス不倫」や「民進党」、「じぇじぇ」、「なども出願しているという。それ以外にも、日本知財学会、おさいふ決済、カケホーダイ、振動スピーカー、リニア新幹線、 読み放題 、GPS内蔵スマホ、新幹線、特許電子図書館、 スマホタブレット 、省エネ家電、ノイズキャンセル、スマホ充電車、微生物発電、無人運転、私のしごと館も出願しています。

面白いのは、商標モンスター 、IP MONSTER、 TRADEMARK MONSTERなどがあり、あんたのことやろ、という感じです。

上田氏はインターネット上でも批判されているそうで、の以下のツイートが短時間で4000リツイートされたそうです。

「とくダネでピコ太郎PPAPの商標登録のニュースやってたけどこいつ最低やな 取材料1時間5万のくだりも腹立つ胸糞 元弁理士のおっさんが自分の金儲けの為に悪知恵働かせて片っ端から商標登録してるってほんまゴミ ピコ太郎と全国の上田さんに謝れゴミ」

弁理士として恥ずかしいですね。もう弁理士会からは除名されているので、弁理士会としては処分はできないでしょうが、できれば何とかして欲しいところです。

米国でも特許マフィア(パテント・トロール)というのが数年前に流行って、成長産業になり、何社も株式上場しましたが、最近は、特許適格性で特許が無効になったり、訴状の記載要件が厳しくなったり、非実施企業(non-practicing entity)には裁判官が厳しくなったり、負けた場合に相手方の訴訟費用(弁護士費用も含む)を支払う判決が出るようになったりして(トロール企業に数億円規模の損害賠償を求める判決が出るようになった)、パテントトロールから撤退する企業も出てきているようです。

そういう意味では上田氏の商標マフィア(商標トロール)はやや時代遅れ的な感もありますが、日本ではパテント・トロールよりは商標マフィアの方がやりやすいのでしょう。

特許庁も、こういう人に対しては、補正命令をかけて、30日以内に出願料金の納付がなければ即却下するなど、一般の企業に迷惑にならないようにして欲しいものです。

警告状を受けても放置すればいいですが、もし心配でしたら、私の事務所でもご相談に応じますのでお気軽にお問い合わせ下さい。

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研究企画時の先行特許文献調査

特許出願(申請)を依頼する前の特許出願前調査については、別の記事で書きました。

先行技術調査

特許出願する前に先行特許や論文を調査するのは通常は必須です。よほど明白に新規な発明でない限り。

では、研究を企画する場合、その時に特許調査は必要か?ということですが、結論から言えばやらないよりはやっておいた方が良いです。

というのは、データが一部足りなくて論文にはならないけど、特許なら書ける、という研究があり、論文には通らなかったものを特許出願しているケースも海外では見られるからです。

転写因子のシス-エレメントをいろいろ組み合わせてプロモーター活性を見る、というのは誰でもやる研究ですが、なかなか必要なものを揃えられなかったり、新規な理論を作れなかったりして論文にならないケースもよくあります。

そのようなデータをノウハウとして秘匿するのも手ではありますが、特許出願して、権利化し、独占する、という考え方もあり得ます。

実際、そのようなシス-エレメントの影響を見た特許出願があり、私は研究時にとても役に立ちました。

また、特許文献は方法が論文よりも詳しく書かれているので、研究プロトコルを調べるのにも役立ちます。特許の場合は、実施可能に書いていなければ、実施可能要件違反で拒絶、無効になるので、当業者(通常の専門家)であれば実施可能に書く必要がありますから。

論文の場合には、わざとできないように実験方法を書くのは普通に行われていますが、特許ではそれをやると特許が取れず、仮に特許が取れても後に無効にされてしまいますから特許を取る意味がありません。ですから、特許明細書の記載は実験プロトコールとして使えるわけです。

研究企画段階でも特許調査は有用ではありますが、研究企画段階では研究テーマも明確に決まっていないですし、実際に実験をやっているうちに面白いデータが出て、違う方向に進むこともありえます。

それに、研究は、ちょっとしたミスですごい発見につながることもありえます。

そういう意味では先行特許文献があるからといって、それを信じて撤退する必要はないという考えもあり得ます。それを超える発明をできる能力があれば、後発であっても相手の発明を超える画期的な発明や、利用発明、周辺発明をすることもできます。

そういう意味では、徹底的に調査する必要は研究企画の段階ではあまりない、という考えもできます。研究者レベルの特許調査でもよく、知財部員が網羅的に完全に調査するまでは必要ない、というやり方も間違いではないと思います。

ですので、研究企画の段階ではあまり神経質になる必要はありませんが、今の開発状況を把握する程度には調査しておいた方がよいでしょう。

また、既に他社がある分野で事業をしていて、そこに参入するかどうかを判断するような場合にはしっかり特許調査をし、特許マップも作成し、クレームマップを作成して、参入予知があるかどうか、知財戦略をどうするか検討する必要があります。その場合は、知財部員も研究企画会議に参加して、知財戦略上、どう実験計画を組むかに意見をいうのがよいと思われます。

また、自社開発以外にも、知財戦略としては、ライセンスを受けるのか、特許を購入するか、無効審判を請求して無効にするのか、企業を買収するか?あるいは、別の代替技術を開発するか?等様々な戦略が考えられます。

事業が絡む場合は、知財戦略を立案するためにも、ライバル企業の特許を十分分析し、強み、弱みを把握し、最適な対策を立案することが必要です。

そういう意味でも、先行特許調査は重要です。

当所でも特許調査を承っております。特に初めて特許出願される場合は先行技術調査をされることをお勧めしております。

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特許登録時の成功謝金の意味

特許出願して、拒絶理由に対応して登録になった場合、あるいは、拒絶理由通知が出ずいきなり登録査定が出た場合、多くの事務所では、登録謝金(成功謝金)を取っています。

典型的には、10万円+1万円×(請求項数ー1)が標準料金みたいなものです。

上述のように、特許出願をして、審査請求した場合、ほとんどのケースでは拒絶理由が来ます。ところが、拒絶理由通知が一切来ずにいきなり特許査定が来る場合もあります。

その際も成功謝金を特許事務所は請求してくるのですが、請求項数が20位だと、1請求項あたり1万円が相場なので30万円位の成功謝金を請求されたことがあります。私がまだ大学のTLOに勤務していた頃の話です(2008~2010位まで)。

で、拒絶理由が来ずに何の苦労もなく特許になったんだから、成功謝金を取るのはおかしいではないか?と、それについて文句を言ったところ、ある程度の値引きに成功しました。

しかし、よく話を聞いてみると、成功謝金は出願費用の後払い的な意味があり、特許出願後、拒絶理由対応等がなく、何もしなくても支払ってもらう根拠はある、と言われました。そしてそれ以降の成功謝金の値引き額は少なくなりました。

つまり、特許登録時の成功謝金というのは、特許出願費用の後払い的な位置づけなので、本来は最初にもらうものを後からもらっているだけとも言える、という理屈のようです。

確かに、日本の明細書作成料は米国等に比べて非常に安いです。米国では最低でも60万円以上、高いところは1出願300万円の手数料(明細書作成料)も普通です。

1出願300万円というのは弁護士が約1週間かけて明細書を作るわけですが、特許弁護士の時給は最低でも約300ドルですから、1日10時間働けば3000ドル、つまり30万円程度。1週間なら210万円になります。ニューヨークでは時給7万円の特許弁護士も何人もいますから、そういう人に頼むと、1日10時間で70万円、5日だと350万円になる計算です。さらに1週間で出願なら特急料金でやっているのでさらに上乗せされて、300万円になったようです。それに比べて日本では1出願20~40万円程度が標準的な相場と思われますから、米国の10分の1程度の料金とも言えます。

米国では、市場が日本の数倍あるのと、3倍賠償制度があるので、日本よりも特許の価値は高いと言えます。例えば、医薬品では日本の4倍の市場があり、3倍賠償と合わせると、12倍の特許の価値があるので、明細書作成料が10倍でもおかしくない、といえるかも知れません。

いずれにしても、拒絶理由に対応して特許にしたことに対して成功報酬をもらう、という理屈ではなく、出願時に未払いの料金(残金)を成功謝金でもらう、ということなので、拒絶理由が来ようが来まいが、成功謝金はもらう、ということのようです。

確かに成功謝金なしで特許出願を20万円程度でやると経営的に非常に厳しくなります。弁護士が着手金だけではやっていけないのと同じようなものかも知れません。また、成功報酬は、他の出願手数料、拒絶理由応答費用等のバランスも総合的に考えて決定すべきと思われます。

また、あまりに安くすると所員の給料を下げざるを得ず、それをすると所員のモチベーションが下がり、いい仕事をしなくなるおそれもあります。所員が最低限ではなく、ある程度まともな生活ができるだけの給料を払うべき、と考えています。

つまり、クライアント様はもちろん大切ですが、同様に所員の生活も大切です。所員が貧乏で苦しんでいてまともな生活ができないようでは、クライアント様に十分なサービスを提供できるとは思えません。

当所は、クライアント様、所員、社会の全てにとって良い事務所でありたいと考えています。

安値競争をして、成功謝金を一切取らないようにするやり方もあり得ますが、そういう事務所は所員を非常に安い給料でこきつかっている可能性があります。そうすると、そういう事務所には所員が長くいつかず、辞めてしまうため、明細書の質が担保されるとは限りません。

安値競争をしても、その業界が縮小(シュリンク)して、いい人材が入って来なくなり、最後はみんな潰れてしまう、というのでは、優秀な人材を確保できません。

実際、弁護士業界では、優秀な人材は司法試験に参入しなくなってきているようです。

そういう意味でも適正な水準の価格でサービスする方がお互いのためになると考えています。

成功謝金が出願手数料の後払い、という意味では、特許出願をして途中で代理人弁理士を変更しようとすると、元の弁理士が成功謝金を払ってくれ、という場合もあるようです。これも出願時の費用は全部ではなく、成功謝金も含めての料金体系になっているからでしょう。

このため、代理人を解任する際には、登録成功謝金を支払わなければならない特許事務所もあります。それ無しでは特許事務所としても経営が成り立たないからではないかと思われます。

以前、商標登録査定が来たにもかかわらず、商標登録費用が別途必要であることを知らず、それを払えなくて結局登録しなかったという話を書きましたが、さすがにその程度の知識は常識ではないかと思います。登録時に登録費用がかかるのは行政手続きでは当たり前なので。

とはいえ、弁理士も受任の際に、どれだけかかるか料金表を渡す必要はあると思います。その料金体系を見て到底払えない、と諦める人もいるでしょうが、そういう人は最初から止めておいた方がトラブルにならなくて済むのでいいと思います。

今後は新規に受任する度に料金表を提示してその料金でよいか確認するのがよいと思っています。

大平国際特許事務所では、高品質な明細書をリーズナブルな料金で提供しています。当所からの出願をご希望の方は以下からお気軽にご相談下さい。

大平国際特許事務所へのお問い合わせはこちらから

特許出願費用の相場

最近の弁理士の急増と、特許出願件数の減少、リーマンショック、東日本大震災、円高による企業の海外進出等で特許出願費用を安くダンピングする特許事務所も出てきている。

一方で、特許出願1件最低60万円、通常80万円以上、という特許事務所も存在する。

なので、特許出願の相場というものはない、と考えた方がよいと思うが、多くの事務所は20万円~40万円程度と思われる。そして何でもそうだが、一般には高額の方が明細書の品質がいいことが多い。もちろん、例外もあるが。

また、20万でやるところは、電気関係等大量に出願している企業を相手にする場合である。個人で非常に手間がかかり、何度も明細書を書き直したり、実施例を追加した場合は60万円以上になることもありうる。

特許出願費用はいわば弁理士の労働時間に対する対価のようなもので、発明がわかりやすく、明確で、弁理士が短時間で書ける場合は安くなり、弁理士が非常に長い時間を拘束される場合は高くなる。なので、弁理士に依頼する場合は、できれば発明が完成し、このような事業をするので、こういう権利を取りたい、といったことを確定させた上で相談する方が安上がりになる。

逆に、今こういうことをしているが、この中から発明を見つけ出して権利化して欲しい、という場合は、そのヒアリングの時間もかなり長く拘束されるし、その中から発明を見つけ出して特許明細書案を作成すると、それだけ手間がかかり費用も高くなる。

さらに、「あ、そういえばこういうデータもありました」と言って新たなデータを出してきて追加記載や請求項の書き直しになる場合もある。そうなると、弁理士としては2度手間となり、費用も高額にしなければ他のクライアントとのバランス上つり合いが取れない。明細書を何通も作成しているようなものだからだ。

そういう意味で個人のお客さんは手間がかかり、何度も請求項を書き直し、質問も多いので、本当は60万円以上取りたいのだが、現実にはそれほど金銭的に余裕のある人は少数で、赤字に近い状態で依頼を受ける場合もある。中には、生活保護を受けているのに特許出願や実用新案登録出願を依頼してこられる方もいる。

また、大手企業でも知財部予算が減ったために弁理士事務所に値引き交渉をしてくる場合もある。これは大手に限らず、中小企業でもそういう値引き交渉はありうる。

さらに、非常に難しい案件だけを、通常よりも安い値段でやってくれないか?と言ってくる会社もある。これだと、コストパフォーマンス的に完全に合わないので、特許事務所としては、断る場合もあり得る。

他の案件よりも非常に難しい、ほとんど無理な注文をつけてくる場合に、他のお客様よりも安くする、というのは他のお客様からみれば、えこひいきして異常な値引きをしているようなものだ。値引き交渉をされるにしても限度があり、これ以上安くすると経営が成り立たなくなる、という場合はお断りするケースもありうる。

さらに相見積を取ってできるだけ安価な事務所を探そうとしている人もいる。

それはその会社の方針だから仕方がないが、安かろう、悪かろうの品質にならないように特許事務所や弁理士を選ばないと、優秀な弁理士であれば権利化できるものを、安いという基準で弁理士を選んだ結果、使えない権利しか取れないか、簡単に拒絶されてしまう場合もありうる。

もちろん、昔から伝統があって、優秀な弁理士が大勢いる名門特許事務所が若干安くするのは企業や個人にとって歓迎すべきだろうが、いわゆる即独、つまり、あまり経験を積まずにすぐに独立する弁理士もいる。

そういうあまり経験豊富でない弁理士が非常に安価な値段設定で特許出願しているのを見つけて値段だけで依頼先を決めるのは、発明者(出願人)にとっては、せっかくのいい発明が権利化できなかったり、権利化できても非常に狭い権利になるというリスクがある。

これは商取引でも常識だろう。値段が安いのにはそれなりの理由があり、高額でも依頼が絶えない事務所はやはりそれだけの仕事をしていると考えた方がよい。

例えば、特許がしっかりしていれば100億円儲かるところを、明細書の出来が悪いためにあっさり回避されて1円ももらえないどころか、自社事業にライバルが参入して自社事業の売上が下がるようなリスクもある。

そういう意味では特許出願はしっかりした、質の高い明細書を書く特許事務所に依頼するのが結局は安上がりになる。

特にベンチャー企業は特許が命なので、その分野の腕のいい弁理士を選んで、最高品質の特許を出願すべきだろう。それにより、ベンチャーファンドから数億~数百億円の資金調達ができるかどうかが決まるからだ。

億の出資をしてもらうのに、特許出願費用をケチったために、事業を守れない狭い権利しか取れない特許を出願したのでは、出願する意味が薄れる。

そういう意味では、特許申請のような、弁理士の腕により雲泥の差が出るサービスについては、値段ではなく、専門分野とその弁理士が頭がいいと感じられるか?を考えて選ぶのがよいと思う。

つまり、自分のいうことをきちんと理解してくれ、的確に発明を理解し、本質を捉え、事業戦略も理解した上で、出願戦略を立て、外国出願の経験も豊富で、外国でも難しい拒絶理由に対応して特許化できる弁理士を選ぶべきだろう。

それとは逆に、メーカーと製品名が同じであれば、どこで買っても品質が同じカップラーメンやチョコレート等の日用品であれば、1円でも安いのを買えばよい。

しかし、特許出願明細書はその弁理士の過去の全ての知識、知恵、ノウハウの塊である。戦略思考のできる弁理士もいれば、ただ、経験からのみ明細書の形にする弁理士や技術者もいたりする。

博士号を持っていたり、大学教授だったり、研究開発歴が長かったり、知的財産業務歴が10年、20年と長い弁理士もいれば、大学の学部卒で、特許事務所に入って数年で独立する弁理士もいる。

だから特許事務所を選ぶ場合は、値段で選ぶのではなく、所属弁理士の経歴を見た上で自社の事業を最も適切に守れると思える弁理士のいる特許事務所に依頼すべきだろう。

ちなみに大平国際特許事務所では、元大学院大学教授、博士号取得、東京大学卒業、元大企業知財部にも在籍し、大学知財部、TLOなども含め、知財経験15年以上、研究開発歴20年以上の弁理士がいる。

そして、元在籍した大企業ではグロービス・マネジメント・スクールで経営戦略、マーケティング戦略を学び、さらに独立後もジェイ・エイブラハムのマーケティング戦略をマスターしているので、売上を上げるコンサルティング、コーチングも可能である。いわば、知財だけでなく、トータルに売上アップのアドバイスもできる弁理士とも言える。

この経歴の弁理士に特許出願を依頼したいと思えば、以下か、左側のメニューからお気軽にお問い合わせ下さい。所長弁理士の大平和幸が対応します。

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特許事務所は儲かる?

特許事務所の料金は高すぎる、という方もときどきおられます。個人や中小企業にとって、20~30万円の出願費用に加えて、審査請求、拒絶理由対応、登録成功謝金を合わせて100万円近くかかったり、海外出願で1ヵ国あたり200万円以上かかったりすると驚くのも無理はありません。

ただ、海外の代理人弁理士(米国は特許弁護士)の時給は、米国ですと特許弁護士ですからjunior attorneyでも最低時給約3万円(280ドル)以上、高いシニアレベルだ時給7万円以上の人もかなりいるそうです。欧州でも検討時間1時間あたり、2~3万円が相場です。

ですから、少しややこしい検討を依頼すると、すぐに、20万円とか50万円の請求書が来たりします。これを2~3回やっても特許にならない場合、米国では再審査請求(RCE)で再度審査できるので、総額で200万円くらいかかってもおかしくありません。これらは純粋に現地代理人の費用であって、日本の代理人にはこれらは1円も入りません。

以前、非常に重要、と言われた案件で、拒絶理由対応で複雑な案件で専門家証言や宣誓書を出し、インタビューなどをすると1回の拒絶理由対応で150万円の請求が来たこともあります。

さらに、中国などは、拒絶理由が5回位来ることもあり、すると、中国代理人費用を1回20万円としてもそれだけで100万円かかります(さらに日本代理人が検討すればこれに5~10万円程度余分にかかります)。それでも拒絶査定になり拒絶査定不服審判(覆審請求)をすればさらに費用がかかります。

これらは、PCT出願の中国語への翻訳と中国国内出願(国内移行)費用とは別に必要になりますから、この場合、日本の代理人手数料も含めると中国出願(国内段階への移行)から登録までに200万近くかかることになります。さらに、審判までいくと300万円以上かかることもあり得ます。

日本では、拒絶理由対応でかなり時間がかかっても5万円とか10万円で処理することも多く、欧米などの海外の先進国に比べれば安い方、と言えるでしょう。

個人の方や中小零細企業の方にとっては、特許出願費用が20万円~50万円するというと高い、というイメージがあるようです。個人の方の中には特許事務所にたくさんお金を取られた、と文句を言ったり怒っておられた方もかなりいました。

これらの中には、特許2件を取るのに300万円かかり、その特許発明を販売して2000万円の売上げをあげた会社も含まれます。この場合など、コストパフォーマンスはかなりプラスなので、それほど文句をいうケースではないと思いますが、やはり安ければ安いほどいいのは確かでしょう。

通常、弁理士が明細書を書けば30万円、その後の審査請求では15万円程度(これは特許庁に支払う印紙代が大部分なので特許事務所の収入はわずかです)、意見書、補正書の提出に1回10万円程度、登録になれば登録謝金(成功報酬)が10~30万円。で、合計70万円~80万円かかります。

さらに、審判にまで進むと1件の登録までに150万円程度かかる場合もあり得ます。私のクライアントさんも2件出願して両方とも審判まで行って総額で300万円位かかったそうです。審決取消訴訟まで行けばさらに100万円位かそれ以上かかります。

特許を取るのに70万円~250万円もかかるのは、個人や中小企業にとっては高いと感じられるようですが、要は、コストパフォーマンスの問題だと思います。70万かかっても1000万円儲かれば問題ありません。問題はせっかく特許と取っても、それがお金を生まない場合です。それは単なるコストです。

また、仮に特許が取れたとしても、その後侵害された場合に侵害訴訟をすれば、数百万円はかかりますから、それが出せないなら特許権を取得する意味は小さくなります。現に侵害訴訟をするには600万円かかると言われ諦めた、という社長さんもいました。

このあたりは一部請求訴訟にして、訴額を抑え、勝てば、残りを請求する、ということにすれば、初期費用はそんなにかからない可能性はありますのでやり方次第でしょう。

企業知財部員にとって、コストになる特許発明とプロフィットになる特許発明を見分けるのは簡単ではありません。その特許を利用した製品がヒット商品になればプロフィットになりますし、製品がヒットせずに終わった場合は単なるコストになり得ます。

とはいえ、事業をしていれば、特許申請中、と製品に書くだけで他社の参入をある程度おさえられますから、数百万円以上の利益には貢献しているでしょう。うまくヒットして、年間100億円売れたとすれば、特許で他社がマネすることを防止することで、シェアが維持できますから数十億円程度の価値がその特許にあるとも言えるでしょう。

自分で事業をせず、ライセンスしてライセンス収入を得て特許取得費用をペイさせようとすると、これはかなり難しいです。会社も自社で研究開発部門を持っていますから、同レベルなら自社開発の技術を使いたがります。よほど優れた技術でないと会社はライセンスを受けません。研究員にしても自分の存在意義を危うくするようなライセンス・インには反対すると思われます。自社開発するより、外部の特許を買った方がよければ研究員が不要になりますから。

ライセンス収入が得られる場合としては、大学等で何年も専門家の教授が研究をして画期的な成果が出た場合などは会社でもライセンスを受けるケースがありますが、個人がジャストアイデアレベルで考えて、試作もしていないような発明は企業がライセンスを受けることは少ないです。

ですので、ライセンス料で出願から登録までの費用をペイできる可能性はかなり低くく、ライセンスして本当に儲かる特許は個人的な印象では出願全体の5%以下ではないかと思います(この数字は単なる印象ですので実際は異なる可能性もあります)。

つまり、特許にかかる費用が高いか安いかは、その特許でどれだけお金を稼げたかによります。いくら安くても、売れない特許を取ると赤字ですし、いくら高くてもそれ以上の利益を生むのであれば、黒字ですから、高くても稼げる特許を取るべきです。

極端に言えば、10万円で出願でき、50万円程度で特許が取れたとしても売上げ0であれば赤字ですし、300万円で出願し、登録までにさらに200万円かかったとしても、利益が1億円なら黒字です。この場合は明らかに後者の方がよいと思います。

さて、特許と取るのにお金がかかるからといって、特許事務所が非常に儲かっているか?といえば必ずしもそんなことはありません。時給換算したら今は普通のサラリーマンとあまり変わらない弁理士もかなり多いと思います。

儲かっている事務所もありますが、リーマンショック後は全体的には利益率がかなり低下していると感じています。

特許事務所は特許出願の明細書を作成することで成り立っています。完全な労働収入で、お店のように何かを仕入れて売って利ざやを稼いでいるわけではありません。いわば、商品販売のように一瞬で利益が出る商品はなく、ある程度の時間をかけて調査をしたり、明細書を書くという作業自体でお金をもらうしかありません。完全に労働収入です。

セールスして、売れたら終わり、その後はリピート販売ができて一度信頼関係を築けば放って置いても儲かる、というビジネスではなく、特許出願の場合は、営業などをして、注文が来たらそれから何日間~何十日間もかかる頭脳労働の仕事が始まるわけです。営業マンは注文が来たらそれで終わり、と言え、その後はリピート販売ですから、そんなに大変ではありませんが、特許の仕事は仕事が取れてから仕事が始まるので2重に大変です。

そして特許出願明細書は科学文献の意味もあり、科学論文(修士論文や博士論文のミニ版)を作っているようなものです。また、法律文書(権利書)でもありますから、法律面からも検討して特許請求の範囲を作ります。これにはかなりの知識と経験が必要です。

そして、クライアントの数億~数千億円のビジネスがかかっているわけですから、責任を持って完璧な明細書を書く必要があります。

そして1つの明細書を書き上げるのに、延べ3日間で終わることは通常はありません。この3日間の労働の対価がどのくらいが妥当かちょっと計算してみます。

会社員の場合、年収600万円とすると、月50万円になります(ボーナスを考慮しなければ)。月20日間勤務とすると、1日2万5千円です。

もし、特許事務所の所員の給与が年収600万円とすると、上記同様、1日2万5千円で、3日で明細書を書き上げると、7万5千円の人件費がかかっています。これで20万円~30万円で納品すれば、粗利は12万5千円~22万5千円となり、これが全て利益であれば6割~7割5分の利益率となり非常に高い利益率となります。

しかしながら、実際には、それ以外に様々な経費がかかります。特許事務所では、明細書を書く人以外に事務スタッフや事務所の家賃、パソコン、コピー機のリース代、弁理士保険料、各種会員費用等がかかりますから、その分を考慮すると、特許出願の売上げの3分の1程度が明細書を書いた人(基本的には弁理士)の収入になります。年収600万を得るためには、1800万円の売上げをあげる必要があります。

別の方法で計算すると、3日で1件の明細書を書き上げるとすると、月20日間勤務の場合、6~7件程度になります。これを1件20万円でやるとすれば、月120万円~140万円になります。そのうちの3分の1が給料とすれば、月40万円~47万円、年収480万円~564万円で、上述の年収600万円の会社員よりも収入が低いです。

これではほぼワーキングプアに近いです。子供がいたら相当厳しい生活になるでしょう。わざわざ何年も苦労して予備校にも高いお金を払って資格を取って弁理士になるよりも、普通に会社に就職した方が給料は多いでしょう。会社員なら50歳位になれば年収が1000万円位になるところも多いですから。

特許出願1件30万円でやれば、月180万円の売上で、月収60万円、年収720万円で、中堅企業の課長さんクラスでしょうか?大企業の課長であれば、年収1000万円~1500万円位なので、年収720万円では決して裕福な暮らしができるほどではありません。年収1000万円になるには、1件40万円で受任すれば月240万円の売上で、収入が80万円でやっと年収960万円となります。

しかも、若いうちはいいですが、子供が大きくなり、私立の中学、高校や、大学に入れば学費だけでも年間100万円はかかります。特許出願1件20万円の場合の年収480万円では到底やっていけません。

そういう意味から言うと、特許出願を30万円で受任しても大企業の社員に比べて裕福な暮らしができるわけでもありませんから、出願費用30万円は暴利ということは全くないと思います。

また、特許出願をすること自体の価値がいくらか、という問題もあります。しかし、企業の事業が守られる利益額を考えれば、数百万円以下ということはありえないので、ビジネス的には十分ペイすると思います。例えば、その特許出願を見て他社が参入を諦めればそれだけで数百万円、数千万円以上の利益が守られるわけですから。

もちろん、事業をしないことが明らかで、ライセンス先も無いような発明に特許を出願したら特許出願に価値が無い場合もありえますが、それは製品開発でも同じことでしょう。数カ月で終売になる製品にも巨額の開発投資をしているわけですから、特許出願にしても全てがヒットして利益を生むことまでは期待できないと思います。

いずれにしても、特許出願1件の価値が数百万円も無い、ということは事業会社ではありえません。とすれば、特許出願を30万円とか80万円で受任しても、企業としては元は十分取れるはずです。

それらを考え合わせれば、特許事務所の所員が通常の会社員並みの生活ができることを考慮し、かつ特許出願が企業にもたらす価値を考えれば、特許出願1件あたり30万円以上でも決して法外な暴利を得るわけではなく、妥当な金額だと思われます。

特許出願1件30万円でも上述のように所員は決して裕福でもなく、楽な暮らしができるわけでもありません。

ただ、一部の事務所は特許出願1件80万円~100万円とかでやっていて、そういう事務所はかなり儲かっているようです。高いとすれば、そういう特許事務所ではないかと個人的には思います。もちろん、明細書の質が20万円の明細書に比べて4倍高いなら高くはないのですが、個人的にはそこまで差があるケースは見たことがありません。むしろ、立派なオフィス、豪華なエントランス、美人秘書等にお金をかけているのではないでしょうか?

とはいえ、アメリカでは特許出願1件あたり特許弁護士に300万円を平気で払うベンチャー企業の社長はたくさんいます。ベンチャー企業にとって特許が命ですから。その特許で数億~数百億円規模の出資をしてもらうわけです。いい加減な特許だとベンチャー投資家も気づいて投資しなくなります。

私も特許出願に300万円払うのは当たり前、という米国ベンチャーの社長を2人知ってます。ベンチャー企業がビジネスをするのに、特許出願の料金をケチるようではその企業の将来は不安な気がします。

そもそも、300万円程度の利益も出ないようなビジネスであれば特許出願する意味は無いとも言えます。やるからには数十億円以上の市場規模がある事業に参入し、シェア10%以上、利益率10%として、数千万円以上の利益が出るビジネスに参入する際に特許出願すべきではないかと思います。企業によっては100億円以上の売上が見込めなければその事業に参入しない、というところもあるようですし。

とはいえ、個人や中小企業様の中には最初の出願費用が出せない方もおられると思いますので、当所では初回出願限定で激安出願というサービスをしています。とりあえずこれで出願しておいて、その後の収益で残りの中間対応の費用などを賄う、という予定であれば、この方法を試されるのも一つのやり方です。

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格安、激安特許申請について

激安(格安)特許出願についてはかなり以前に記事を書いていたのですが、特許庁の料金も変更になっていますので、最新版に記事を改訂しました(2016年8月改訂)。

激安特許申請の費用は当所手数料7万円(消費税込では75600円)+特許庁出願印紙代14000円で合計89600円となります。

激安プランの場合、実施例と図面をお客様に書いていただきます。

実施例、図面の書き方はお教えします。実施例は簡単に言えば、大学の卒業論文や修士論文の実験と方法(materials and methods)、製品の仕様書、使用説明書みたいなもので、その発明品を作れ、使用できるように書けばよいです。図面はパワーポイントやイラストレータで作成するか、手書きの場合は、黒色インクで鮮明に書いて下さい。白黒図面しか日本特許庁では特許出願できませんのでカラーはグレースケールに変換して出願します。

それ以外の背景技術、特許請求の範囲、解決課題、解決手段等は当所で作成します。が、背景技術(緒言、イントロダクションともいう)については、発明者の方が良くご存知の場合も多いので、書いていただけると助かります。それにより、当所の発明の理解もより正確にできる場合があります。そうでない場合は、当所で短いイントロダクションを作成します。

激安特許申請プランは、実施例と図面をお客様に記載いただくことでコストを削減するプランです。基本的には資力の乏しい個人や数人規模の小企業の方に適しています。売上予想として、1000万円~1億円以下程度を想定しています。明細書の長さも基本、10ページ程度を想定しており、それを超える場合は、追加料金をいただく場合もございます(最初の発明相談のときに追加料金が発生しそうでしたら、その旨お伝えいたします)。

ですから、例えば、医薬品のように1つの製品で年間売上数百億円~数千億円となるような、極めて売上げ、利益の多い出願には不向きです。そのような巨額の売上、利益が見込める出願の場合は、プレミアム特許出願の方をお勧めいたします。こちらは、ページ数も数百ページ以上であっても対応可能です。

また、ネットから来られて初めて当所に依頼される場合は、中企業、大企業様でも初回お試し価格的な意味でこの値段での出願を1回のみ可能です。リピートで発注される場合は、標準料金とさせていただきます。

しかし、個人などの方で、実施例や図面を書くのが難しいお客様もおられます。その場合は、プラス3万円で実施例、図面を作成します。つまり、合計で10万円の手数料で特許出願が可能です。この場合も、消費税8千円、特許庁印紙代14000円がかかりますから、合計では12万2千円となります。新規のご依頼の場合は料金を前金でいただくことにしておりますので、予めご了承下さい。

この激安特許申請の場合は、全て電話、スカイプ、メールのやり取りなど、インターネット上で完結させることが条件です(FAXのやり取り含む)。直接お会いして面談したりコンサルティングは基本的に含まれません。

それでも、国内で特許や実用新案権、意匠権、商標権の取得、外国への出願も支障無く行えておりますので、ご安心下さい。当所のお客様は、鹿児島県、宮崎県など遠方のお客様がかなり多くいらっしゃいますが、直接お会いしたことがなくても、メールのやり取りのみで特許登録(商標登録も)されています。

また、明細書の書き直しは2回までとさせていただき、それ以上改訂が必要な場合は1回の改訂あたり3万円を申し受けます。従いまして、十分お考えのうえ、完成した発明についてご相談下さい。途中で何度も発明の方向性が変わる場合や、どんどん発明が追加されるようなはその都度追加料金をいただく場合もございますのでご了承下さい。

もし、特許になるかどうかが不安な場合は、先行技術調査も請け負っております。簡易調査は3万円、標準調査は10万円、技術動向調査は50万円~となっております(消費税別途)。

また、激安プランで出願後の手続きをご自身で行いたい、というご依頼は、想定しておりませんので、激安プランで出願後、以後の手続を当所に依頼せず、ご自身でその後の手続をされたい場合や他の事務所に移管される場合は移管手数料(100,000円、消費税別)を申し受けます。これはビジネスモデル上、激安プランの出願のみでは経営が成り立たないためです。何卒ご了承下さい。もちろん、当所がその後の手続きをする場合は移管手数料はかかりませんのでご安心下さい。また、当所にお任せいただければ極めて高度な中間処理ができますので、特許になる可能性も高く、お得です。

格安、激安で高品質な特許出願をしたい場合は当所にお気軽にご相談下さい。
TEL & FAX: 044-798-3393  e-mail: ohira@@ohira-patent.com (@マークを1つ消して送信して下さい)

特許事務所の売上と経費の構造

特許事務所の売り上げの主要な部分は特許出願明細書の作成・出願料と、その後の審査対応、審判、訴訟、登録時の成功謝金です。それと、内外、外内の外国出願や外国からの日本への出願、審査対応もあります。訴訟がメインの特許事務所は多くないと思われます。

特許出願明細書を書くのは、人間の頭脳労働みたいなものですから、そのために原価や経費がかかるわけではありませんが、人間の頭脳労働の時間が必要になります。つまり、その分の人件費が経費となります。

それ以外の経費としては、事務所の家賃と、期限管理等を担当する事務職員の給与が間接経費としてかかります。事務所によっては翻訳者も雇用していれば、翻訳者の人件費も必要です。

ですので、弁理士の売り上げは基本的には間接経費は30%以下程度で利益率が高いという見方もできますが、事務所によっては事務職員が多く、もっと経費がかかっている場合もあります。

その一方で、商品を販売するように、売れた瞬間に利益が発生するものではなく、受注してからが仕事のスタートとなります。つまり、商品の営業のように、売るために時間を使って、売ってしまえば、利益確定、というわけではなく、営業活動をして受注してからが仕事の開始となり、それから数時間~数十時間の労働をして初めて収入が発生します。

発明をヒアリングしてから、明細書を作成するのに、非常に簡単で早くできるもので10時間程度、難解で難しいものの場合は、30時間以上の時間がかかります。その時間はその作業しかできず、他のことをして収益を生み出すことはできません。

工場のように定番製品があれば、定常的にそれを販売して一定レベルの収益を確保できますが、特許事務所にはそうした日用品的な定番商品はありません。明細書を書く等の労働のみが収益を生み出します。

そういう意味では弁理士はコンサルタント同様、知識・ノウハウを販売しているわけで1時間いくら、という労働収入と考えるのが一番わかりやすいと思います。

ですから、商品を受注した後、キャンセルができる日用品等とは性質が違います。何等かの事情で出願をキャンセルする場合でも、特許出願明細書はそのお客様のためにカスタマイズして作成した商品ですから、他社に転売することはできません(法律的にも特許を受ける権利の譲渡を受けなければできません)。

ですから、もし、特許出願明細書の依頼を受けてキャンセルされた場合、その間の労働時間分の費用をいただかなければ、全くのただ働きになってしまい、事務所の運営ができなくなりますし、所員にも給料が払えません。そういう意味で特許出願の依頼を受け、明細書が完成しているにも関わらず出願に至らない場合は、特許出願明細書作成料をいただくのが普通です。

これは、特殊な(その人しか買わないような)注文建築の家を建ててくれ、と依頼された建築業者が建築をし、その後、発注者が、「やっぱりいらない」と言われても他所に転売できないので建築費はもらう、というのと似ています。

特許事務所の収益率は一見高く見えるかも知れませんが、全ての労働が商品そのものなので、よほど早く明細書を書いたり中間処理をしないとそれほど儲かりません。特に難しい中間処理で1週間潰れると週給5万円以下になる場合すらあり得ます。

従って、他の有体物の商品のように、購入決定までの相談や試供品は無料、というわけには行きません。他の商品は一度受注すればその後も継続して受注でき、ほとんど何もしなくても同じ商品を販売して収益が発生しますが、明細書はその都度専門家が時間をかけて毎回異なる物を作成するいわば特注品です。

そういう意味では、コンサルタントのように弁理士は時間当たりいくらで仕事をしている、というのが実態に近いと思います。実際、1時間数万円で仕事を受任することもありますから、コンサルタントとほぼ同じような感覚です。ですので、弁理士への相談料は、30分5000円以上の有料なのです。

その点が商品説明はいくら長時間聞いても無料の商品の営業マンとは異なります。営業マンは売れたらそこで仕事が終わりですが、弁理士は売れてから商品作り(明細書書き)が始まるのですから、最初の相談段階だからといって無料で長時間コンサルティングすることは難しいです。相談が特許出願に至った場合は、相談料は出願料に含まれますが、相談のみで特許出願に至らなかった場合は、コンサルティング料をいただくことになります。

要は弁理士はコンサルタントのようなもので、明細書を書くこと等の労働自体が商品であり、収入源というわけです。知識、ノウハウを売るナレッジワーカーですが、成果報酬制ではなく、働いた時間分の労働収入を得ると言う意味では会社員や時給制のパートさんやアルバイトさんと本質はそれほど変わらないのかも知れません。

タイ、マレーシア、シンガポールなど東南アジアASEANのASPEC Program

ASEAN諸国の特許審査協力制度として、ASPEC Program (Asean Patent Examination Cooporation Program、ASEAN特許審査協力プログラム)というものがあります。

これは、ASPECに加盟している国(ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム)のいずれか1ヵ国で特許になれば、その審査結果を活用して早期に他の国でも登録できるようになる制度です。

例えば、シンガポールで特許登録になれば、それを使って、タイやマレーシア、ベトナム、などで早期に権利化できます。

上記ASPEC参加国の中には、PPHが可能な国もあるので、日本で特許登録になっていれば、上記の国でもPPHを利用して早期に権利化することも可能です。

ただ、全ての国でPPHを活用して登録するのは費用がかかるので、ASPECの1ヵ国でPPHにより特許登録させ、その後はASPEC Programを活用して権利化するのが良いかも知れません。

また、最初の国は早期に登録される国がよいです。シンガポールあたりがお勧めです。タイの場合は非常に審査が遅く、10年位放置されることもあるようですので、そのような国を最初の1国に選択すると、他の国での権利化も遅くなりますから。

 

 

メールのやり取り(インターネット上のやり取り)のみでの発明相談⇒特許出願完了も可能です

私の事務所は川崎と大阪にあるのですが、九州の長崎県や鹿児島県など遠方の発明者からのご依頼もあり、その場合は、直接お会いすることなく、メールのみで相談を受けてメールのやり取りのみで特許、実用新案、意匠、商標登録出願まで完了させる場合も多いです。

直接お会いして相談するのは半分位でしょうか。ご要望があれば、skypeでの相談も承りますが、今のところそのようなご要望はなく、メールと電話、FAXで出願まで完了しています。

中にはたまたま大阪出張があったから、武蔵小杉は近いから、実家があるから、等の理由で面談を希望される方もおられますが、ネットからのご依頼の半分位です。

ですから、ご相談のある場合は、まずは、メールでご連絡いただき、面談を希望されない場合は、パスワードをかけたファイルで発明内容をお知らせいただき、パスワードは別途携帯メールアドレス(お問い合わせがあった場合に個別にお知らせしています)にお送りいただいています。

その後、ご依頼があれば、先行技術調査をし、出願決定となれば、明細書の作成に着手します。先行技術調査はしないケースもあり、その場合は、出願人様ご自身で特許庁のJplatpatなどで調査していただきます(調査の簡単なやり方はこの記事の最後の動画をご覧下さい)。

先行技術調査をしない場合は、出願人様の発明は新規性、進歩性がある、という前提で明細書を作成しますが、先行技術調査をしていないので、当所では特許になるかどうかは判断できません(法律上の発明に該当すること(特許適格性)は判断いたします)。

もちろん、先行技術調査といっても、侵害調査のように1つの漏れもないように徹底的に各国の特許文献を調査するようなやり方ではなく、先行技術調査はズバリに近い出願がされていないかを見るものです。範囲も通常は日本の特許文献、または商標出願、登録のみになります。

世界中の特許、学術文献を1つの漏れもないように調査するとなると数千万円の費用がかかってしまいます。英語圏以外ですと、その国の現地代理人に依頼することになり、通常最低でも1カ国20万円以上かかります。新規性・進歩性を厳密に判断するとすれば、そこまでやらないと完全にはわかりません。

出願費用が30万とすれば、拒絶された場合の損失の最大額が30万円~100万円として、100万円のために数千万円かけて調査するのは時間と費用の無駄ですから、10万円程度の先行技術調査をしてそれで近い先行技術がなければ出願する、というのが多くの会社がやっているところです。

もっと徹底している会社は、あえて先行技術調査をせず、特許庁に調査してもらう費用が出願費用、と割り切っていたりします。大企業であれば、予算も十分にあるのでそれでよい場合もあります。

さらに、アメリカのIDS(自分の知っている特許性に関連する文献を全て提出する義務)を考えれば、調査をして近い文献を見つければ見つけるほど、それによって拒絶されるリスクが高まりますから、ある意味、調査をすればするほど自分の首を絞めることになるという見方もあります。

実際、ノーベル賞を受賞した先生があらゆる先行文献をIDSで提出したために、米国ではその中の1つの文献により拒絶理由が来て、その分狭い権利しか取れませんでした。それが引用されなかった欧州ではより広い権利が取れています。そういう意味で、先行文献を知りすぎると、IDSで出さざるを得ないので反って不利になりかねません。そういう意味で、ある会社では特許調査をするな、と知財部が言っているという話も聞いたことがあります。

特許調査してある程度近い技術があっても、何か違いがあれば、補正することで特許にできる場合もあります。全く同じ出願があれば、さすがに特許化は難しいので、そのような出願がないかを調査するのが出願前調査の目的です。

特許出願前の調査はJplatpatを使って簡単に調査することができます。こちらの動画をご覧下さい。若干お聞き苦しい点があるかも知れませんがご容赦下さい。さらに精度の高い調査をご希望の場合は当所までお問い合わせ下さい。

 

特許申請を弁理士(特許事務所)に依頼するべき理由

特許申請を自分でやる、という個人や会社もときどき見受けられます。最近では、製薬企業の中には医薬の明細書は社内弁理士が内製する、というところもあります。

医薬の場合には、1つの製品で年間数百億円、数千億円単位の売上をあげることも普通にありますから、その特許1つに数百億円×10(年、存続期間)としても数千億円の価値があるわけです。

ですから、徹底的に手間も時間もかけて明細書の完成度を上げるのは当然でしょう。発明者と何度もやり取りをして時には数百時間かけてでも完璧な明細書にすることに意義があると思われます。

弁理士に1時間程度の説明と資料のみで依頼しても、発明者が話してない特徴まではさすがに完全には理解できないですから、社内で徹底的にヒアリングすることでよりよい明細書を作成できるとも言えます。もちろん、弁理士もその分野の教授クラスの専門家であれば、少し聞いただけで全貌がわかり、知財部員よりもいい明細書が書ける人もいるとは思われますが。

そういう意味では、内製する場合でも社外弁理士に2重チェックを依頼することの意味はあると思われます。知財部員では気づかない視点からの修正点がある場合もありますから。

上記以外に、個人や中小企業で費用を節約するために自分で明細書を書く、というケースもあります。

その場合には、特許明細書を自分で書く手間と時間と書く人の時給を十分比較検討されることをお勧めします。

時給2000円として、特許明細書を作成するのに半年位かかり、50時間(正味約6日間)かかれば10万円、100時間(正味約12日間)かかれば20万円のコストがかかります。部長クラスが書くとなれば時給はその倍位でしょうから、もっとコストと時間がかかります。そうであれば弁理士に依頼した方が安上がりで質もいいものができます。

しかもその間その人は別の利益を生む得意な仕事に集中できます。例えば、明細書を書く時間を別の研究開発に向ければ新しい発明をして売れるヒット商品を生み出していたかも知れません。

しかし、例えば、30時間以内位(正味4日弱)で明細書と図面を書けるのであれば、ご自身で明細書を書いて自社出願する手もあると思われます。これは一度明細書を書いて弁理士に依頼して出願して、そのシリーズで数値だけを変えればいいような場合等が考えられます。

最初の出願を弁理士に依頼し、その後、ほぼ同じパターンの明細書を書くのであれば、それも可能と思われます。ただし、その間に判例が変更になったり、法改正や審査基準の改定があってそれに気づかなければ思わぬ損失を被るおそれもあり得ますから、そのあたりも自分で監視しておく必要があります。

さらに、自社出願の場合は、細かい明細書のテクニックが十分入ってなくて、拒絶理由に応答できない場合もありますし、あるテクニックを使うことで通常の明細書よりも広く権利が取れる場合もあり得ます。

私も自社出願された後に特許事務所に依頼してきた出願の拒絶理由を何度か体験しましたが、明細書の記載が少なすぎて補正できない、というケースもかなりありました。

自社で明細書を書く場合は将来の拒絶理由が来ることも想定して、それに応じて限定できるように様々なバリエーションを書いておく必要があります。

このあたりは特許事務所はひな形を持っている場合もあり、例えば、「潤滑剤としては、・・・・が挙げられる」等と大量の定義を書いておいて、拒絶理由が来たら、そのうちのどれかに限定して特許にすることも可能ですが、自社出願の場合はそうした記載が不十分で補正できないケースもありました。

また、サポート要件違反(記載不足)の場合は、記載していなければどうしようもありません。もちろん、技術常識であることを主張できれば拒絶理由が解消するケースもありえますが、ほとんどの場合は実施例まで減縮補正せざるを得なくなります。

また、自分で対応する場合、特許化できるギリギリの補正ではなく、限定し過ぎる傾向があります。そのあたりの感覚は特許庁とのやり取りを何度もしないとわかりませんから。

するとせっかく特許申請したのに、他社が特許を簡単にすり抜けられる(エスケープできる)ザルのような特許しか取れず、特許を出願した意味が無くなるケースもあり得ます。

そういう意味から言えば、特許申請は専門家の特許事務所(弁理士)に依頼するのが結局は安上がりではないかと思います。弁理士の数十年の経験が詰まった明細書の価値は数十万円は下らないでしょうから。

実際、アメリカでは1出願300万円も普通ですが、日本ではその10分の1位の料金で出願できます。